食品工場の効果的なカビ対策とは?年間3000件のカビ調査した専門家が徹底解説
2026/10/07
飲食店・食品工場のカビ対策|原因・予防・除去を解説
飲食店の厨房や食品工場では、食品を扱うという性質上、カビ対策は見た目をきれいにするためだけの問題ではありません。厨房の蒸気、洗浄による水分、冷蔵・冷凍設備との温度差、排水設備、空調設備など、カビが発生しやすい条件が複数重なりやすい環境です。
特に注意したいのが、天井・壁・空調設備・冷蔵庫周辺・設備裏・排水周辺など、日常清掃だけでは確認しにくい場所です。目に見えるカビだけを清掃しても、結露や漏水、高湿度といった原因が残っていれば、再び発生する可能性があります。
MIST工法®カビバスターズでは、飲食店や食品工場をはじめ、工場・倉庫・医療施設・宿泊施設などさまざまな施設のカビ問題に対応しています。本記事では、これまでの食品工場における対応経験と公的な衛生管理情報をもとに、飲食店・食品工場で実施したいカビ対策を詳しく解説します。
- 飲食店・食品工場では、高湿度、結露、水分残留、空気の停滞、食品残渣などがカビ発生の要因になります。
- 特に天井、空調設備、冷蔵設備、配管、設備裏、排水周辺は重点的な確認が必要です。
- カビを発見した場合は、表面清掃だけではなく発生原因まで確認することが重要です。
- HACCPに沿った衛生管理では、日常の点検・清掃・記録を継続し、異常を早期に発見できる体制づくりが重要です。
- 必要に応じて空中浮遊菌検査、落下菌検査、付着菌検査、菌種同定などを活用します。
- カビ除去後は、温湿度・結露・換気・漏水などを改善し、再発しにくい環境へ整えることが重要です。
飲食店・食品工場でカビ対策が重要な理由
飲食店や食品工場では、食品への直接的な汚染を防ぐだけでなく、食品を取り扱う周辺環境を清潔な状態に維持することが重要です。
食品を取り扱う場所では、水・蒸気・熱・冷却設備などが同時に存在するため、一般的な事務所や住宅と比べても湿気や結露が発生しやすい条件がそろっています。
食品を扱う場所では結露とカビの管理が必要
食品を扱う施設では、食品の真上などで結露が発生すると、水滴が食品や設備へ落下する可能性があります。そのため、天井や壁、設備周辺に結露が発生していないかを日常的に確認する必要があります。
天井の黒ずみや壁の変色が確認できた場合、「表面を拭けば終わり」と考えるのではなく、その場所でなぜ湿気や結露が発生しているのかまで確認することが大切です。
カビは見えている部分だけとは限らない
目に見えるカビは問題の一部分にすぎない場合があります。天井裏、壁内部、空調機内部、設備裏など、通常は見えない場所でカビが繁殖していることもあります。
特に「清掃しても同じ場所にカビが戻ってくる」「カビ臭がするが場所が分からない」という場合は、目視できない部分も含めた調査が必要です。
カビ毒を作る種類も存在する
カビの中には、条件によってマイコトキシンと呼ばれるカビ毒を産生する種類があります。ただし、すべてのカビがカビ毒を作るわけではありません。
食品工場では原材料や保管食品についても適切な温湿度・保管環境を維持し、カビを生育させない管理が重要です。
飲食店・食品工場でカビが発生する5つの原因
| 原因 | 発生しやすい状況 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 高湿度 | 洗浄、茹でる、蒸す、炊飯など水蒸気が多い工程 | 室内温湿度、除湿能力、換気量 |
| 結露 | 冷蔵庫、冷凍庫、配管、天井、外壁付近 | 表面温度、断熱、空気の流れ |
| 水分残留 | 床、設備下、シンク、排水周辺 | 排水状態、乾燥時間、水たまり |
| 汚れ・残渣 | 厨房設備、棚、壁際、機械内部 | 清掃頻度、清掃範囲、洗浄方法 |
| 空気の停滞 | 設備裏、倉庫、天井付近、壁際 | 換気、気流、設備配置 |
原因1.高湿度が長時間続く
飲食店では、茹でる・煮る・蒸す・炊飯するといった調理工程から大量の水蒸気が発生します。食品工場でも、洗浄・加熱・冷却などの工程によって室内湿度が上昇します。
換気や除湿が追いつかず、高湿度状態が長時間続くと、壁や天井、設備周辺でカビが発生しやすくなります。
原因2.温度差による結露
厨房や食品工場では、室内の暖かい空気と冷蔵・冷凍設備、冷水配管などが接することで結露が発生する場合があります。
水滴を毎日拭いていても結露する条件そのものが変わらなければ、カビの発生リスクは残ります。
原因3.洗浄後の水分が乾かない
衛生管理のために水を使って洗浄することは重要ですが、洗浄後の水分が床や設備下に残り続けると、カビが発生しやすい環境になります。
排水勾配、床の水たまり、設備下の通気性まで確認することが重要です。
原因4.食品残渣やホコリが蓄積する
油分、食品残渣、ホコリなどが壁際や設備裏に蓄積すると、汚れと湿気が組み合わさります。
日常清掃では手が届きにくい場所ほど汚れが蓄積しやすいため、定期的な重点清掃が必要です。
原因5.空気が動かない場所がある
大型設備と壁の隙間、棚の裏、天井付近などは空気が停滞しやすい場所です。空気が動きにくい場所では湿気が抜けにくくなります。
飲食店・食品工場でカビが発生しやすい場所
※上記は統計的な発生率ではありません。飲食店・食品工場を点検する際の確認優先度を分かりやすく表したイメージです。
天井・梁・天井裏
暖かく湿った空気は上部へ移動するため、天井や梁はカビが発生しやすい場所の一つです。
特に調理・加熱エリアの上部、冷却設備の近く、外気との温度差が大きい部分では結露がないか確認します。
空調機・換気扇・ダクト
空調設備内部は、結露水、油、ホコリなどが蓄積する場合があります。フィルターだけではなく、吹出口、ドレンパン、熱交換器、ダクトなども定期的に確認します。
冷蔵庫・冷凍庫の周辺
冷蔵・冷凍設備周辺は温度差が大きくなりやすいため、扉周辺、配管、壁との取り合い部分などに結露がないか確認します。
シンク下・設備裏・壁際
シンク下や大型設備の裏側は、目が届きにくく、空気も動きにくい場所です。水漏れや湿気が長期間続いていても発見が遅れる場合があります。
排水溝・床
排水不良によって水が残ると、高湿度状態が続きます。排水溝だけでなく、床の勾配や設備下の水たまりについても確認します。
飲食店と食品工場ではカビ対策の重点箇所が異なる
- 厨房の天井
- 換気扇・レンジフード
- エアコン
- 冷蔵庫・製氷機周辺
- シンク下
- 食器洗浄機周辺
- バックヤード
- 壁紙や巾木
- 製造室の天井・梁
- 空調・ダクト
- 冷蔵・冷凍設備
- 配管
- 製造設備裏
- 包装エリア
- 原材料保管庫
- 排水設備
飲食店では厨房の蒸気・油・水分に注意
飲食店では厨房から発生する水蒸気や油分が大きなポイントです。特に、厨房の天井、レンジフード、換気扇、エアコン周辺は汚れと湿気が重なりやすくなります。
食品工場では製造工程全体を確認する
食品工場の場合、原材料の搬入から製造、冷却、包装、保管、出荷まで複数の工程があります。
そのため、「カビがある場所だけを見る」のではなく、カビがどこから発生し、どのように広がる可能性があるのかを工場全体で確認することが重要です。
HACCPと飲食店・食品工場のカビ対策
食品衛生法の改正により、原則としてすべての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理へ取り組むことが求められています。
飲食店も対象であり、自店舗の調理工程や提供する食品に応じて衛生管理計画を作成し、実施状況を記録していく必要があります。
一般衛生管理として施設の状態を確認する
カビ対策では、日常的な一般衛生管理が重要です。
- 床に水たまりがないか
- 壁・天井に結露がないか
- カビや変色がないか
- 排水設備に異常がないか
- 換気・空調設備が正常か
- 清掃や洗浄が適切に行われているか
記録を残して変化を発見する
清掃記録、温湿度、設備点検、異常発生箇所などを記録しておくことで、カビが発生する前の変化を見つけやすくなります。
例えば「特定の季節だけ同じ天井に結露する」「新しい設備を設置してから壁が湿るようになった」など、過去の記録と比較することで原因を絞り込みやすくなります。
飲食店・食品工場で今日からできるカビ予防対策
温度と湿度を数値で記録する
「今日は湿気が多い気がする」といった感覚だけでは、環境の変化を正確に把握できません。温湿度計やデータロガーを活用し、時間帯ごとの変化を記録します。
食品工場向けの衛生管理手引書では、作業内容に応じた温度・湿度の基準を設定し、確認方法と頻度を決めて管理することが示されています。
結露を見つけたら原因を確認する
天井や配管に水滴がある場合は、毎日拭くだけではなく原因を調べます。
- 断熱が不足していないか
- 換気量が不足していないか
- 空調の風が届いているか
- 冷たい配管が露出していないか
- 外壁側だけ温度が低くなっていないか
洗浄後はできるだけ乾燥させる
床や設備を洗浄した後、水分が長時間残っていないか確認します。排水性が悪い場合は、床勾配や排水設備自体の見直しが必要になる場合があります。
空調設備を定期的に点検する
空調設備は室内環境を整える設備である一方、内部に水分や汚れが蓄積するとカビが発生する場合があります。
フィルターだけでなく、熱交換器、ドレン、吹出口なども確認します。
設備裏まで清掃できる状態にする
設備を壁へ密着させすぎると清掃や点検が難しくなります。可能な範囲で点検・清掃できるスペースを確保することも重要です。
- 天井に黒ずみやシミがない
- 天井・壁に結露していない
- 床に水が残っていない
- 排水溝が詰まっていない
- 設備裏に水や汚れがたまっていない
- 冷蔵設備周辺に水滴がない
- 空調や換気扇に異臭がない
- カビ臭を感じる場所がない
- 壁紙や塗装が浮いていない
- 漏水や雨漏りの痕跡がない
飲食店・食品工場でカビを発見した場合の正しい対応
カビの発生範囲を確認する
最初に、目視できる範囲だけでなく周辺まで確認します。
壁表面にカビがある場合でも、その原因が壁内部の結露や配管からの漏水という場合があります。
発生原因を確認する
カビが発生した部分だけを除去しても、原因となる水分が残れば再発する可能性があります。
温湿度、結露、漏水、換気、断熱、設備配置などを確認します。
食品や製造設備への影響を考える
飲食店や食品工場では、一般住宅と同じ方法でカビ除去を行えるとは限りません。
食品、食器、調理器具、製造ラインなどへの影響を考慮し、養生や施工範囲、作業時間を決める必要があります。
真菌検査で見えないカビリスクを確認する
「カビが見えないから問題ない」とは限りません。空気中や設備表面などの状態を確認するため、必要に応じて真菌検査を行います。
| 検査方法 | 確認できる内容 | 活用例 |
|---|---|---|
| 空中浮遊菌検査 | 空気中に存在する真菌などを捕集 | 製造室・厨房・倉庫の空気環境確認 |
| 落下菌検査 | 一定時間に自然落下する菌を確認 | 製造環境のモニタリング |
| 付着菌検査 | 設備や表面に付着している菌を確認 | 清掃状態や汚染箇所の確認 |
| 菌種同定 | 採取したカビの種類を確認 | 原因調査や対策方法の検討 |
施工前後を比較すると変化を確認しやすい
カビ除去を行う場合、施工前と施工後の検査結果を比較することで、目視だけでは確認できない環境変化を把握しやすくなります。
菌数だけで判断しない
検査結果だけを見るのではなく、採取場所、温湿度、空調状態、製造工程、建物状態などと合わせて判断することが重要です。
食品工場で実際に行ったカビ対策事例
MIST工法®カビバスターズでは、さまざまな食品工場でカビ調査・カビ対策を行ってきました。
ここでは元記事で紹介していた食品工場の事例を、現在の記事構成に合わせて整理します。
湿度が高くなりやすい製麺工場でカビが発生。現場調査で発生箇所や周辺環境を確認し、カビ除去を実施しました。
除去だけではなく、工場内の温湿度管理についても改善方法を検討し、再発しにくい環境づくりを進めました。
製造ラインや保管エリアでのカビ問題について、空中浮遊菌検査や落下菌検査を活用して状況を確認しました。
確認結果をもとにカビ除去を行い、継続的な点検・メンテナンス方法についても検討しました。
製造工程における高温多湿環境を調査し、カビが発生しやすくなっている要因を確認しました。
カビ除去とあわせて、空調環境を含めた再発防止策を検討しました。
水分を多く使用する豆腐製造工場で、空中浮遊菌検査や同定検査を実施し、カビの発生状況を確認しました。
カビ除去後は、湿度と温度の管理を含めた環境改善を進めました。
MIST工法®による飲食店・食品工場のカビ対策
MIST工法®カビバスターズは1995年創業以来、住宅だけでなく食品工場、工場、倉庫、病院、介護施設、学校、文化財などさまざまな建物のカビ問題に対応してきました。
現在は全国22拠点のネットワークを構築し、年間3,000件以上の施工実績を積み重ねています。
調べる|発生状況と原因を確認
まず現場のカビ発生範囲や建物の状態を確認します。必要に応じて真菌検査を行い、目視だけでなく数値や菌種からも状態を把握します。
断つ|水分の原因を確認する
漏水、雨漏り、結露、高湿度など、カビを発生させている原因を確認します。
取る|素材に応じたカビ除去
施工対象の素材やカビの状態に合わせて施工方法を検討します。
食品工場では製造設備や食品への影響を考慮し、養生、施工範囲、施工時間について事前に調整します。
防ぐ|カビが戻りにくい環境を作る
カビ除去後は、温湿度、換気、結露、断熱などを確認し、再発しにくい環境づくりを検討します。
食品工場の稼働時間に合わせて施工を検討
食品工場では長期間ラインを停止できないケースがあります。
実際の現場では、施工範囲を区切る、夜間や休日を利用するなど、工場ごとの稼働状況を確認しながら施工計画を立てます。
飲食店・食品工場のカビ対策でよくある質問
厨房から発生する蒸気、高湿度、結露、水分残留、油汚れ、換気不足などが主な要因です。特に天井、換気扇、冷蔵設備、シンク下などは定期的に確認する必要があります。
天井、梁、空調設備、冷蔵・冷凍設備、配管周辺、設備裏、排水設備などです。水分があり、空気が停滞しやすい場所は特に注意が必要です。
表面の状態によっては一時的に目立たなくなることがありますが、結露や漏水などの発生原因が残っていれば再発する可能性があります。繰り返す場合は原因調査をおすすめします。
可能です。空中浮遊菌検査、落下菌検査、付着菌検査、菌種同定などを目的に応じて組み合わせます。
施設ごとの危害要因分析や一般衛生管理の中で、必要な管理方法を検討します。天井や壁の結露、施設の清潔状態、温湿度、空調・換気設備などを日常的に確認することが重要です。
施工場所やカビの範囲によって異なります。施工エリアの区画、作業時間、製造工程などを確認し、工場側と調整して施工計画を立てます。
可能です。カビ除去だけでなく、結露、湿度、換気、漏水、空調、建物構造などを確認し、原因に応じた再発防止策を検討します。
まとめ|飲食店・食品工場のカビ対策は原因特定が重要
飲食店や食品工場では、調理・製造に水や熱を使用するため、高湿度や結露が発生しやすい環境になります。
カビ対策で重要なのは、目に見えているカビだけを取り除くことではありません。
天井、壁、空調設備、冷蔵設備、配管、設備裏などを確認し、湿度、結露、漏水、換気、空気の流れなど、カビが発生した原因を特定することが重要です。
また、HACCPに沿った衛生管理の中で、清掃・点検・温湿度管理・記録を継続することで、異常を早い段階で発見しやすくなります。
清掃しても同じ場所にカビが戻る場合や、カビ臭はするものの発生場所が分からない場合は、表面だけではなく建物や設備の状態を含めた調査をご検討ください。
MIST工法®カビバスターズは、1995年創業のカビ対策専門グループです。全国22拠点のネットワークを構築し、一般住宅から食品工場、病院、施設、文化財まで年間3,000件以上の施工実績があります。
カビを除去するだけでなく、真菌検査や建物調査を組み合わせながら原因を確認し、再発防止まで含めたカビ対策を行っています。
世良 秀雄-カビのプロフェッシャル-
この記事の著者情報
24歳からカビ取り事業を始め2026年現在、会社設立から30年以上全国で「カビトラブル」にお悩みのお客様のもとへカビ取り・カビ対策に駆けつけしております。年間施工実績グループ全体で3000件以上.。全国のカビ問題を徹底解決いたします。詳しくはこちら>>
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一般社団法人微生物対策協会
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