新築住宅のカビはなぜ起きる?湿度70%と連続計測で原因を見極める
2026/10/07
カビと体調不良・頭痛・貧血の関係を正しく解説
「家にいると体調が悪い」「カビがある部屋で頭痛がする」「だるさやめまいがあるけれど、カビや貧血と関係しているのだろうか」と不安になる方もいるでしょう。
湿気やカビの多い建物と、呼吸器症状やアレルギー症状などとの関連は国内外で報告されています。一方で、頭痛や貧血のような症状があるからといって、その原因をカビと断定することはできません。
頭痛や倦怠感、めまいにはさまざまな原因があります。特に貧血は血液検査によって確認する必要があり、室内のカビを除去するだけで解決するものではありません。
この記事では、カビと体調不良について現在分かっていることを整理しながら、頭痛や貧血との違い、室内環境の確認方法、温湿度ロガーを活用した原因の切り分け、家庭でできるカビ対策について詳しく解説します。
湿気やカビの多い住環境は、呼吸器症状やアレルギー症状などとの関連が指摘されています。ただし、一般住宅のカビが「頭痛」や「貧血」を直接引き起こすと一律に判断することはできません。頭痛やだるさ、めまいが続く場合は、住環境を確認すると同時に、医療機関で原因を確認することが重要です。
カビのある家で体調不良を感じるのはなぜ?
室内でカビが増えている場合、単に壁や天井が汚れているだけではなく、その背景に「湿気が長期間たまっている住環境」が存在している可能性があります。
WHOの室内空気質に関するガイドラインでは、湿気やカビのある建物と、呼吸器症状、アレルギー、喘息などとの関連が示されています。
ただし「カビを見つけた=現在感じているすべての体調不良の原因」という意味ではありません。体調不良には感染症、睡眠不足、ストレス、貧血、脱水、片頭痛などさまざまな原因があるため、住環境と身体の問題を分けて考える必要があります。
カビだけを見るのではなく湿気の原因まで確認する
カビが発生している住宅では、次のような状況が隠れていることがあります。
- 窓や壁で結露が繰り返されている
- クローゼットや押し入れの空気が動いていない
- 床下の湿度が長時間高い
- 壁内部に湿気が滞留している
- 雨漏りや漏水が起きている
- 24時間換気が十分に機能していない
- 家具と壁の隙間が少なく空気が滞留している
つまり、カビ対策では「カビを取る」だけでなく、なぜその場所で湿度が高くなったのかを確認することが重要です。
体調と住環境の変化を同時に記録する
「自宅にいると調子が悪い」という場合には、症状だけではなく、発生した時間や場所も記録しておくと状況を整理しやすくなります。
| 確認項目 | 記録する内容 | 確認する目的 |
|---|---|---|
| 体調 | 頭痛、鼻水、咳、だるさなど | どの症状が出ているか整理する |
| 時間 | 朝、夜、帰宅後など | 症状が出る時間帯を確認する |
| 場所 | 寝室、リビング、職場など | 特定の場所との関連を確認する |
| 湿度 | 温湿度ロガーの記録 | 高湿度が続いていないか確認する |
| 建物 | カビ臭、結露、シミ、水濡れ | 湿気の発生源を探る |
カビと頭痛には関係がある?
「カビのある部屋に入ると頭痛がする」という相談があったとしても、カビが頭痛の直接的な原因だと判断することはできません。
湿気やカビが多い建物については呼吸器症状やアレルギー症状などとの関連が比較的よく研究されていますが、一般住宅におけるカビ曝露と頭痛については、原因と結果を単純に結び付けられるものではありません。
頭痛にはさまざまな原因がある
頭痛は非常に幅広い原因で起こります。例えば、睡眠不足、ストレス、肩や首の緊張、片頭痛、脱水、眼精疲労、感染症、貧血などでも起こることがあります。
そのため「家にカビがあるから、この頭痛もカビが原因だ」と自己判断してしまうと、本来確認すべき身体上の原因を見逃す可能性があります。
強い頭痛、突然起こった激しい頭痛、意識状態の変化、手足のしびれなどを伴う場合や、頭痛が繰り返し続く場合は、住環境の確認だけで済ませず医療機関へ相談してください。
「家の中だけで症状が出る」という情報は役立つ
一方、体調と場所の関係を記録することには意味があります。
例えば「寝室にいるときに鼻症状が強くなる」「クローゼットを開けるとカビ臭が強い」「雨の翌日に部屋の湿度が高くなる」といった状況が分かれば、住環境側の問題を調査するための手掛かりになります。
症状の診断は医療機関、建物の湿気やカビの調査は建物側というように、それぞれを分けて確認することが重要です。
カビと貧血には関係がある?
検索では「カビ 貧血」「カビ 頭痛 貧血」といった組み合わせで調べる方もいますが、一般的な住宅のカビが直接的に貧血を引き起こすと考えるのは適切ではありません。
貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足する状態です。原因には鉄不足、出血、妊娠、栄養状態、血液や造血に関係する病気など、さまざまなものがあります。
貧血でも頭痛やだるさが起こることがある
貧血では、次のような症状がみられることがあります。
- 疲れやすい
- だるい
- めまい
- 頭痛
- 息切れ
- 動悸
- 顔色が悪いと感じる
このため「頭痛」「だるさ」「めまい」という症状だけを見れば、カビが気になる住宅で感じる体調不良と似て見える場合があります。
しかし、症状が似ていることと原因が同じであることは別です。貧血の有無を判断するには血液検査などが必要になります。
カビがある家で頭痛やだるさを感じても、それだけではカビが原因なのか、貧血など別の原因なのかは分かりません。「建物の湿気・カビ」と「身体の状態」をそれぞれ確認することが重要です。
カビの多い環境で注意したい体調変化
湿気やカビの多い建物について、比較的関連性が示されているのは呼吸器やアレルギーに関係する症状です。
WHOは、湿気やカビのある建物について、呼吸器症状、アレルギー、喘息などとの関連を報告しています。
| 症状・状態 | カビとの考え方 | 対応 |
|---|---|---|
| 鼻水・鼻づまり | アレルギーなどとの関連を検討 | 環境確認と必要に応じ医療相談 |
| 咳・呼吸器症状 | 湿気・カビとの関連が報告されている | 症状が続けば医療機関へ |
| 喘息症状 | カビや湿気が症状悪化に関与する場合がある | 医師による診断・管理が重要 |
| 頭痛 | カビだけを原因とは判断できない | ほかの原因も含め確認する |
| だるさ・疲労感 | 原因が非常に多い | 持続する場合は医療相談 |
| めまい・貧血感 | 住宅のカビだけでは判断できない | 血液検査などで確認する |
カビを見つけても「病気の原因」と断定しない
カビが大量に発生している環境は改善する必要がありますが、目に見えるカビがあることと、個人の体調不良の原因がカビであることは同じではありません。
「このカビが頭痛の原因です」「このカビで貧血になります」といった断定は避け、建物側と医療側の両方から原因を確認するのが適切です。
体調不良と住環境を切り分ける確認方法
カビが気になる住宅で重要なのは、目に見えるカビだけではなく「いつ・どこで湿度が高くなっているのか」を確認することです。
その際に役立つのが温湿度ロガーです。一定時間ごとに温度と湿度を記録することで、一瞬の数値だけでは分からない室内環境の変化を把握できます。
湿度は一回測るだけでは分からない
例えば、昼間に湿度を測ったときに60%だったとしても、深夜から早朝に70%を超えている場合があります。
反対に、入浴や調理直後だけ一時的に70%を超え、その後すぐ低下していることもあります。
カビ対策では「最高湿度」だけではなく、高湿度がどの程度継続しているのかを確認することがポイントです。
温湿度ロガーは複数の場所で比較する
室内環境を確認するなら、1台だけではなく複数地点を比べると原因を絞り込みやすくなります。
住宅全体の基準となる温湿度を確認します。
睡眠中の環境と朝の体調を比較しやすくなります。
空気が滞留しやすい収納内部の高湿度を確認します。
居室とは異なる温湿度になっていないか確認します。
原因を切り分けるための4ステップ
頭痛や鼻症状、だるさなどを感じた日時と場所を記録します。
同じ期間に温湿度ロガーを設置し、環境変化を確認します。
窓、壁際、家具裏、収納、エアコン周辺、床下などを確認します。
症状が続けば医療機関へ相談し、建物に広範囲のカビや高湿度があれば専門業者による調査を検討します。
家庭でできるカビ・湿気対策
カビ対策で重要なのは、発生したカビを取り除くだけでなく、再びカビが増えやすい環境をつくらないことです。
換気設備を適切に使用する
住宅の24時間換気は、室内の空気を継続的に入れ替えるための設備です。給気口や排気口を家具などでふさいでいないか、フィルターに大量のほこりが詰まっていないかを定期的に確認しましょう。
湿度が高い時期は除湿も取り入れる
梅雨や夏など外気自体の湿度が高い時期には、窓を開けるだけでは室内湿度が十分に下がらないことがあります。
エアコンの除湿運転や除湿機を利用し、高湿度が長時間続かない環境をつくることが大切です。
結露はそのまま放置しない
窓ガラスやサッシに水滴が付着している場合は、できるだけ早く拭き取りましょう。
結露が毎日のように繰り返される場合は、単純な掃除だけではなく、室内湿度や換気、家具配置、断熱状態なども確認する必要があります。
収納は詰め込みすぎない
クローゼットや押し入れに衣類や荷物を隙間なく詰め込むと、空気が動きにくくなります。
特に外壁側の収納では、荷物と壁の間に空間をつくり、ときどき扉を開けて状態を確認するとよいでしょう。
漏水や雨漏り、床下からの水分、壁内部の結露などが原因の場合は、湿度を下げるだけでは再発を防げないケースがあります。
よくある質問とカビ対策で大切なこと
A.頭痛だけでカビが原因と判断することはできません。湿気やカビと呼吸器・アレルギー症状との関連は報告されていますが、頭痛にはさまざまな原因があります。頭痛が続く場合は医療機関で原因を確認してください。
A.一般住宅のカビが直接的に貧血を起こすと一律に考えることは適切ではありません。貧血には鉄不足、出血、妊娠、その他の疾患などさまざまな原因があり、血液検査などによる確認が必要です。
A.貧血では疲労感、めまい、息切れなどとともに頭痛を感じる場合があります。ただし、頭痛があるだけで貧血とは判断できません。
A.その情報は住環境を調査する手掛かりになりますが、それだけでカビが原因とは断定できません。症状が出る場所・時間を記録し、湿度やカビの有無などと合わせて確認してください。
A.家具の裏、クローゼット、床下、壁内部、エアコン周辺など、見えにくい場所で発生している可能性があります。カビ臭が継続する場合は、発生場所の確認が必要です。
A.必ず発生するわけではありません。温度、湿度の継続時間、材質、表面の水分などによって異なります。ただし高湿度が長期間続いている場所は、カビが生育しやすい環境になっている可能性があるため注意が必要です。
A.ごく小範囲で表面的なものであれば対応できるケースもありますが、広範囲に発生している、繰り返し再発する、床下や壁内部に広がっている、原因が分からないといった場合は専門的な調査を検討してください。
体調と住環境をそれぞれ確認することが大切
カビがある部屋で頭痛やだるさを感じると、「すべてカビが原因なのでは」と考えてしまうことがあります。しかし、カビと健康影響については、症状ごとに科学的根拠の強さが異なります。
湿気やカビの多い住環境については、呼吸器症状やアレルギー、喘息などとの関連が知られています。一方で、頭痛や貧血まで一括してカビが直接の原因と判断することはできません。
頭痛、めまい、だるさなどが続く場合は医療機関で身体の状態を確認し、それとは別に住宅内のカビや高湿度について調査することが重要です。
住まい側では、目に見えるカビだけでなく、温湿度ロガーなどを利用して「どこで」「いつ」「どの程度」高湿度になっているのかを確認すると、原因を絞り込みやすくなります。
- World Health Organization「WHO Guidelines for Indoor Air Quality: Dampness and Mould」
- WHO Regional Office for Europe「WHO Guidelines for Indoor Air Quality: Dampness and Mould - Executive Summary」
- MedlinePlus「Anemia」
- 文部科学省「カビ対策マニュアル(実践編)」
- 文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」
世良 秀雄-カビのプロフェッシャル-
この記事の著者情報
24歳からカビ取り事業を始め2026年現在、会社設立から30年以上全国で「カビトラブル」にお悩みのお客様のもとへカビ取り・カビ対策に駆けつけしております。年間施工実績グループ全体で3000件以上.。全国のカビ問題を徹底解決いたします。詳しくはこちら>>
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