調味料工場のカビ対策|工程別の点検と施工相談
2024/08/11
調味料工場のカビ対策|工程別の点検と施工相談
醤油・味噌・ソースの製造環境を、工程に合わせて管理します。
調味料工場の天井や壁、保管庫でカビが見つかったときは、発生箇所の清掃だけでなく、製品・原料への影響と水分の原因を品質管理担当者と確認します。発酵に利用する微生物と、意図しない場所の汚染を区別することが出発点です。
製造工程や製品ごとに管理条件が異なるため、工場全体に一律の温湿度を当てはめることはできません。ここでは、建物のカビ調査と施工を衛生管理の中に組み込む際の確認事項をまとめます。
目次
工程ごとに水分と清掃後の状態を記録
発酵室、充填室、原料保管庫を同じ条件で扱わないことが大切です。
蒸気を扱う工程、洗浄作業の後、冷たい配管や天井付近など、水分が残る場所を工程図と写真に記録します。室内の温湿度だけでなく、結露、漏水、排水、清掃後の乾燥状況を確認してください。
発酵工程には、その製品に必要な管理条件があります。カビ対策のために自己判断で設定を変えず、製造・品質管理・設備の担当者で変更の影響を検討します。食品残渣の除去、器具の管理、区域ごとの作業手順も見直します。
厚生労働省の業種別手引書には、しょうゆ、しょうゆ加工品、味噌、エキス・調味料製造などの資料があります。自社の製品と工程に合う資料を確認し、衛生管理計画や記録と照らし合わせましょう。
発酵に使う微生物と、建物の汚染を分けて扱う
調味料には発酵工程を持つもの、加熱や調合を中心とするもの、液体や粉体を扱うものなどがあり、必要な管理条件は異なります。製造に利用する微生物があることを理由に、壁や天井など意図しない場所のカビを問題ないと扱うことはできません。どの微生物を、どの工程で、どの条件に管理する計画なのかを品質管理担当者と確認します。
工場全体の温湿度を一律に変更する前に、工程への影響を検討してください。原料の状態、製品の仕様、設備の運転、保管条件によって必要な対応は変わります。建物側のカビ対策で希望する条件と、製造上守る条件を一覧にし、製造・品質管理・設備の担当者が同じ情報を見て判断できるようにします。
厚生労働省の業種別手引書は、自社の製品と工程に合う資料を探す入口になります。資料名に「調味料」とあるかだけで選ぶのではなく、対象とする製品や製造方法を確認します。一般的な説明をそのまま自社の合否基準に置き換えず、既存の衛生管理計画と対応関係を整理して活用しましょう。
蒸気、洗浄、冷却、保管で確認する箇所を変える
蒸気や温水を扱う場所では、稼働中と停止後で天井や配管周囲の水滴に変化があるかを記録します。洗浄を行う場所では、洗浄後に水が残る面、排水の状態、乾燥確認を行う時点を整理します。カビを見つけた時刻だけでなく、直前の工程や清掃が何だったかを残すと、設備担当者へ状況を伝えやすくなります。
冷たい配管や設備の周囲では、表面の結露と配管からの漏れを区別する必要があります。水滴があることだけで原因を確定せず、設備の運転状態、濡れの位置、補修履歴と合わせて確認します。高所や稼働中の機械付近を作業者が無理に点検せず、施設の安全な点検手順に従って担当を決めてください。
原料庫や包材庫では、床や壁に近い資材、外装の濡れ、搬入時の状態、保管場所の変更を記録します。包材が濡れている場合と、棚や建物の面だけに変化がある場合を分けて報告します。見える面だけを清掃して終える前に、保管品への対応を品質管理担当者が確認できるように情報をそろえます。
カビを発見した際の連絡と区画管理
製品の判断と建物の処理を分けて進めます。
発見者は場所、日時、周辺の製品や資材、設備の運転状況を記録し、工場の責任者へ報告します。製品の使用・出荷可否は、社内の手順に従って品質管理担当者が評価する事項です。建物の除カビ業者が写真や環境検査だけで決めることはできません。
清掃による飛散や薬剤の影響を避けるため、製品・原料・包材の移動や保護、空調と作業区画の関係を確認してから対応を計画します。生産中の開放製品の近くで薬剤を噴霧するような対応は行わず、使用条件を責任者と確認してください。
漏水や結露が関係する場合は、設備修理や建築側の対策も別に手配します。見えるカビを処理したことと、水分の原因を解消したことを分けて記録します。
発見報告には、周囲の製品と稼働状況を含める
異常を発見したら、日時、場所、写真、直前の作業、周囲にあった原料・仕掛品・製品・包材、設備の運転状態を社内手順に沿って報告します。製造記録と照合が必要な場合は、ロット等の情報を工場内で確認します。外部業者へ全ての製品情報を送る前に、共有が必要な範囲と情報の扱いを責任者が決めます。
製品や資材の使用・出荷の可否は、工場側の評価と手順に従って判断する事項です。環境の菌数が低い、壁の色が消えた、業者が施工を終えたといった情報だけで判断しないでください。必要な製品側の確認と建物側の調査は対象が異なるため、報告先と判断する責任者を分けておきます。
発見箇所の周囲をすぐに清掃したい場合でも、開放された製品や原料が近くにあるか、清掃で汚れを広げないか、薬剤が影響しないかを先に確認します。生産中の区域へ自己判断で薬剤を噴霧する対応は行わず、区域の使用制限や物品の移動を含めて計画します。現場での応急対応も社内の責任者へ報告を残します。
作業区画と人・物の動きを図にする
施工場所だけでなく、業者の入場口、着替えや持ち込み物の確認、工具の搬入、資材の置き場、廃棄物の搬出を整理します。汚れた物を運ぶ経路と、通常の原料や包材の動線が交差する場合は、時間や経路をどう調整するかを工場側で検討します。既存の区域管理のルールを業者へ伝えてから作業計画を立てます。
空調については、作業場所の空気がどの区域へ流れるか、設備を停止・運転した場合に製造側へどのような影響があるかを設備担当者と確認します。住宅向けの換気方法をそのまま当てはめず、工場の系統と運転条件に合わせて調整します。設備の操作を誰が行うか、元へ戻したことを誰が確認するかも決めておきましょう。
夜間や休日に施工する場合は、責任者不在の時間に想定外の傷みや漏れが見つかったときの連絡先を明確にします。追加作業を承諾する人、設備停止を判断する人、再開確認を行う人が異なる場合は、その役割を施工前に共有します。予定時間だけを決め、途中の判断ができないまま作業を始めることを避けます。
MIST工法®と真菌検査を相談する際の確認
施工範囲、薬剤、復旧条件を事前に合意します。
MIST工法®の施工を検討する際は、壁・天井など対象素材、食品接触面の有無、養生、設備停止、換気、洗浄・復旧の条件を確認します。専用薬剤であっても、すべての設備や製品の近くで同じように使用できるわけではありません。
環境の真菌検査を行う場合は、採取場所・方法・時期と、結果を使う目的を決めます。空気や表面の検査は採取した条件の情報であり、製品全体の安全性や建物の未調査部分を保証するものではありません。
施工前後の写真、処理した範囲、残る補修、再点検の条件を報告書で確認します。外部業者への依頼後も、自社の衛生管理計画と日々の記録を継続することが大切です。
建物の面と食品接触面を区別して仕様を確認する
壁や天井の除カビに使う方法を、食品が触れる設備や器具へそのまま使用できるとは限りません。対象素材、食品接触の有無、使用する製品、使用条件、養生、作業後に必要な清掃や洗浄を確認します。薬剤名や工法名だけで適否を決めず、その工場の対象面で使用できる計画かを責任者と業者で確認してください。
MIST工法®の相談では、処理できる面と、閉じた内部や設備の裏など確認できない部分を明確にします。材料の剥がれや傷みがある場合は、処理で残す案と交換する案を検討します。表面を整える作業に漏水修理や設備の改修が含まれるかも確認し、別工事なら担当と工程を分けて記録します。
見積もりには作業範囲、面積、足場等の高所作業、養生、物品移動、設備停止、廃棄物、洗浄や復旧、完了確認を整理してもらいます。工場が止まっている時間内にどこまで作業するのか、追加修理が必要ならどう日程を組み直すのかも確認します。安い総額だけで、必要な工程が含まれると考えないことが大切です。
環境検査の採取条件を、目的に合わせて設定する
環境検査を行う場合は、採取した場所の状態を記録するのか、施工前後を比較するのか、日常の監視に組み込むのかを先に決めます。空気、表面など採取対象が違えば結果の意味も異なります。方法、場所、時刻、製造や清掃の状態を記録し、同じ条件のデータとして比べられるかを説明してもらいます。
採取できなかった場所や、機器が届かなかった範囲も残します。工場の一部分で結果が得られたことだけで、未調査の区域や全製品に問題がないと判断することはできません。基準や判定の方法は工場側の衛生管理計画との関係を確認し、数字だけを切り離して外部向けの安全証明として使わないようにします。
検査を追加すれば必ず原因が分かるというわけではありません。水分の発生源を確認する建築・設備調査、材料の状態、清掃記録、工程の変化と合わせて検討します。検査結果が作業方針をどう変えるかを担当者へ質問し、目的と費用を理解したうえで実施内容を決めましょう。
工場の相談に必要な資料と連絡先
生産を止められる時間と、調査可能な範囲をお知らせください。
施工完了と製造再開の確認を別々に記録する
業者からの完了報告には、施工日時、処理範囲、使用製品、作業後の処置、交換した材料、未完了の修理、確認できなかった範囲を含めます。工場側は、養生の撤去、物品の復旧、設備の運転、必要な洗浄や社内確認について、自社の再開手順に沿って確認します。作業終了の時刻だけで製造再開を決めないことが重要です。
再開の判断を行う責任者と、必要な記録の提出先を事前に決めます。品質管理、製造、設備の担当が別の場合は、どの項目が完了し、どの項目が未確認かを一覧にします。一人の口頭確認だけで情報が途切れないよう、担当者が交代しても確認の経緯が分かる形で保管してください。
厚生労働省のHACCPに関する案内は、衛生管理計画、必要な手順書、実施記録の保存と見直しを示しています。カビの発見や設備改修をきっかけに、清掃・点検の位置や頻度、異常時の連絡、乾燥確認の方法を見直す必要があるかを検討します。外部業者へ依頼したことだけで、日々の管理が不要になるものではありません。
再発記録を、設備改善と作業手順の改善に使う
再び変化が出た場合は、前回と同じ位置の写真、直前の製造や洗浄、設備の運転、雨や漏水の有無を記録します。同じ点を何度も清掃するだけでなく、水分が残る工程や確認の抜けがないかを関係者で検討します。改善後は何を確認するかを決め、以前と比べられる記録を残します。
相談時に機密情報をどこまで共有しますか
初回相談は所在地、製造品目の概要、発生場所、稼働時間、写真など、調査計画に必要な範囲から始められます。配合、取引先、製品ロット等の詳細が必要になる場合は、目的と共有先、保管方法を事前に確認します。工場側の情報管理手順に合わせて、責任者が外部へ渡す範囲を決めてください。
停止時間が短い工場でも相談できますか
停止できる時間、使えない区域、再開前に必要な社内確認を伝えて施工計画を相談します。すべてを一度に終えることが難しい場合は、作業範囲と工程を分ける案を検討します。ただし、時間を短縮するために製品への配慮や必要な清掃・確認を省く計画にはせず、責任者と実行可能な条件をそろえましょう。
委託前に決める報告書の形式
報告書を社内の記録へ取り込む場合は、必要な写真番号、区域名、作業日時、使用製品、確認者の欄などを事前に業者へ伝えます。社内で使う工程名と外部業者の部屋名が異なると、どこを処理した記録なのか分かりにくくなるため、対応する名称をそろえておきます。報告書の受け取り日と説明を受ける担当者も決めましょう。
写真の撮影範囲も合意しておきます。製造上の機密情報や他の区域が写り込む場合があるため、どの箇所を記録し、誰が保管し、どこまで共有するかを工場のルールに沿って確認します。施工事例として外部公開するかどうかは、作業の依頼とは別の事項として扱います。
点検担当者の交代時に引き継ぐ内容
点検する場所、正常時の写真、以前に濡れた条件、異常時の連絡先をまとめておくと、担当者が変わっても同じ箇所を確認しやすくなります。カビらしい変色を見つけたときの報告だけでなく、漏水、排水不良、結露、洗浄後の残水をどのように記録するかも共有します。汚れが目立つまで報告を待つ手順にならないようにします。
工程や設備を変更した場合は、以前の点検箇所だけで足りるかを見直します。新しい配管や保管棚によって見えにくくなった面、清掃しにくくなった場所があれば、確認方法を検討します。製造量や稼働時間の変化も水分の状態に関係する可能性があるため、変更した日付を残し、その後の記録と照合できるようにしておきましょう。
本部へのご相談では、工場の所在地、製造品目、発生箇所の写真、工程と空調の概要、清掃手順、稼働・休止時間をお知らせください。機密情報は、共有する範囲と扱いを先に相談できます。
名古屋での相談先については、カビバスターズ名古屋の公式サイトでも調査・施工の案内をご確認いただけます。担当者、日程、費用は個別に確認してください。
Q. 湿度を下げれば製品の問題も解決しますか?
A. 工程や製品への影響を含めた評価が必要です。除湿だけで判断できません。
Q. 施工後すぐ製造できますか?
A. 使用薬剤、設備の復旧、清掃、社内確認などの条件を事前に決めてください。
Q. 真菌検査は毎回必要ですか?
A. 目的と衛生管理計画に応じて検討します。
相談・関連情報と参考資料
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カビ取り・カビ対策専門業者MIST工法カビバスターズ本部
0120-052-127(平日9時から17時)
カビの救急箱
【検査機関】
一般社団法人微生物対策協会
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