建物のカビトラブルと訴訟・法的措置|真菌検査と証拠整理を解説
2026/10/07
建物のカビトラブルと訴訟・法的措置
住宅やマンション、店舗、施設などで発生したカビをきっかけに、施主とハウスメーカー、施工会社、売主、管理会社などの間でトラブルになることがあります。特に、雨漏りや結露、断熱・防水施工、配管からの漏水などが関係している場合、「誰に原因があるのか」「どこまで補修すべきなのか」「カビ除去費用を誰が負担するのか」が争点になりやすくなります。
こうしたカビ問題で重要なのは、最初から訴訟ありきで考えることではありません。カビが存在するという事実だけでなく、発生範囲、真菌の種類、含水状態、雨漏りや結露などの原因、建物の施工状態、発生から現在までの経緯をできるだけ客観的に整理することが重要です。
建物のカビトラブルでは、「カビがあるか」だけではなく、「どこに・どの程度・なぜ発生したのか」を客観的な資料として残すことが重要です。写真だけで判断するのではなく、必要に応じて真菌検査、含水率測定、建物調査などを組み合わせ、原因と被害範囲を切り分けます。そのうえで施工会社との協議、専門家相談、住宅紛争処理、弁護士への相談など次の対応を検討することが、問題を整理する近道になります。
建物のカビトラブルで最初に整理すべきこと
カビの存在と責任問題は分けて考える
建物でカビを発見すると、「施工不良ではないか」「管理方法が悪かったのではないか」と、すぐに責任の所在へ話が進みがちです。しかし、カビが発生する原因は一つとは限りません。雨漏り、配管からの漏水、結露、断熱不足、換気不足、建材の含水、生活環境など複数の要因が重なっているケースもあります。
そのため最初に行うべきなのは、責任を決めることではなく、現在の状態を記録し、カビが発生している場所と水分の供給源を確認することです。
原因を先に除去すると証拠が失われる場合がある
カビを見つけるとすぐに拭き取ったり、壁紙や石膏ボードを撤去したりしたくなります。しかし、施工会社や売主とのトラブルが予想される場合は、除去前の状態を写真・動画で残しておくことが重要です。
- カビが確認できる部屋全体の写真
- カビ部分の接写
- 天井・壁・床・窓周辺など発生位置が分かる写真
- 雨天時や結露発生時の状況
- 漏水やシミの広がり
- 撮影日が分かる記録
時系列を記録する
建物のカビトラブルでは、「いつ発見したのか」「いつ相手方へ連絡したのか」「どのような調査や補修が行われたのか」という時系列が重要です。口頭だけでやり取りするのではなく、メールや書面など後から確認できる形で記録しておくと、事実関係を整理しやすくなります。
カビ問題が訴訟・法的措置に発展する主なケース
新築住宅で引渡し後にカビが発生したケース
新築住宅で引渡し後まもなくカビが発生した場合、発生原因によっては施工状態、防水、断熱、換気、漏水などの確認が必要になります。
新築住宅では、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について一定期間の責任が定められている制度があります。ただし、カビが発生したという事実だけで直ちに施工会社の責任になるわけではありません。
カビの原因となった不具合がどこにあり、契約内容や建物の状態、関連する法制度上どのように評価されるのかを個別に確認する必要があります。
雨漏りや漏水を原因としてカビが広がったケース
屋根・外壁・窓周辺からの雨水浸入や、給排水管からの漏水が続くと、壁内部や床下など見えない場所で湿潤状態が続き、カビが広がることがあります。
- 雨水や漏水の侵入経路
- 発生から補修までの期間
- 壁内部や断熱材まで汚染しているか
- 表面清掃だけで再発しないか
- 補修前後の写真や調査記録が残っているか
中古住宅・賃貸住宅で原因を巡って争うケース
中古住宅では、売買前から存在していたカビなのか、購入後の漏水・結露・生活環境によって発生したものなのかが争点になることがあります。
賃貸住宅でも、建物側の不具合なのか、換気や室内湿度など使用環境が影響したのかによって対応が変わります。
こうしたケースほど、カビだけを見て判断するのではなく、建物調査と微生物調査を切り分けながら確認することが重要です。
真菌検査と建物調査が重要な理由
目視だけでは汚染状態を判断しにくい
カビは表面に見えている範囲だけでなく、壁紙の裏、石膏ボード、木材、床下、天井裏、断熱材などに広がっている場合があります。
また、目に見えない状態でも空気中に真菌が存在しているため、必要に応じて検査によって室内環境を確認します。
真菌検査の結果については、「特定の真菌が検出されたから必ず健康被害が生じる」といった単純な判断はできません。検査結果は、建物の湿気状態、発生場所、居住環境などとあわせて総合的に評価することが重要です。
複数の検査を組み合わせて判断する
| 調査・検査 | 確認できること | カビトラブルでの役割 |
|---|---|---|
| 目視調査 | 変色、カビ、漏水跡、結露跡など | 被害範囲の初期確認 |
| 写真・動画記録 | 発生位置、範囲、経時変化 | 発生時点の状態保存 |
| 空中浮遊菌検査 | 空気中に存在する真菌の状態 | 室内環境の評価材料 |
| 落下菌検査 | 一定条件下で落下する微生物 | 環境中の微生物状態を確認 |
| 同定検査 | 採取した真菌の種類 | 汚染状況を詳しく整理 |
| 含水率測定 | 建材に含まれる水分量 | 漏水・湿潤箇所を探る材料 |
| 建物調査 | 防水、断熱、配管、換気など | カビ発生原因を検討 |
検査結果は原因調査と再発防止にも役立つ
真菌検査の目的は、訴訟のためだけではありません。施工前後の状態確認、汚染範囲の把握、除去方法の検討、再発防止策の立案などにも活用できます。
訴訟・交渉に備えて残しておきたい資料と証拠
写真・動画・連絡履歴
カビトラブルでは、発見直後から記録を残すことが大切です。写真は接写だけでなく、どの部屋のどの位置か分かる引きの写真も撮影します。
雨漏りが疑われる場合は、雨天時の状態も記録しておくと原因整理に役立ちます。
- 発見日時
- 撮影日時
- カビの発生場所
- 臭いや結露など周辺状況
- 施工会社・管理会社への連絡日時
- 相手方からの回答内容
- 調査・補修を実施した日
図面・契約書・修繕履歴
新築やリフォーム工事が関係している場合は、契約書、仕様書、設計図面、施工写真、保証書などを確認できるようにしておきます。
中古住宅では、重要事項説明書や売買契約書、過去の修繕履歴なども事実関係を整理する材料になります。
第三者による調査記録
当事者同士で意見が対立している場合、「施工会社は問題ないと言っている」「施主は施工不良だと考えている」という状態だけでは話が進みにくくなります。
第三者による現地調査、写真、測定値、検査結果、調査報告書などを用意することで、感情的な主張ではなく、確認できた事実を軸に話し合いや専門家相談を進めやすくなります。
ハウスメーカーと施主が対立する前に確認したいポイント
原因と責任を同時に決めつけない
カビトラブルでは、「施工不良だからカビが出た」「換気不足だから住み方の問題だ」と最初から一つの原因に決めつけると、対立が深まりやすくなります。
まずは、カビ発生箇所、建材の含水状態、雨漏りの有無、換気状況、断熱状態、施工状況など確認可能な事実を整理します。その後、契約内容や建物の状態に応じて責任問題を検討する順序が重要です。
部分補修だけで再発しないか確認する
表面に発生したカビだけを清掃しても、壁内部に水分が残っていたり、雨漏りや結露が継続していたりすれば再発する可能性があります。
カビ除去と同時に、水分がどこから供給されているのかを確認し、必要に応じて防水・漏水・断熱・換気など建物側の原因へ対応することが重要です。
第三者の視点を入れる
施工会社と施主の双方が、それぞれの立場から原因を説明すると意見が平行線になることがあります。
そうした場合は、建築士、カビ・微生物調査の専門家、弁護士など、問題に応じた第三者へ相談することで、事実と主張を分けて整理しやすくなります。
裁判だけではない住宅カビトラブルの解決方法
当事者間での協議
原因と被害範囲がある程度整理できている場合は、施工会社や売主などと補修内容、再発防止策、費用負担について協議します。
この段階でも、口頭だけでなく合意内容をメールや書面などの記録として残すことが重要です。
専門家相談や住宅紛争処理を利用する
住宅トラブルには、裁判以外の相談・紛争解決手段もあります。住宅に関する専門相談や、対象となる住宅について弁護士・建築士などへ相談できる制度、住宅紛争処理制度などを利用できる場合があります。
第三者が間に入ることで、施工会社と施主だけでは整理できなかった問題を、建築面と法律面の両方から確認できる場合があります。
| 解決方法 | 主な特徴 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 当事者間の協議 | 施工会社や売主と直接話し合う | 原因や補修方法について合意できる可能性がある場合 |
| 第三者調査 | 建物や真菌の状態を客観的に確認する | 原因や被害範囲について双方の意見が食い違っている場合 |
| 専門家相談 | 建築士や弁護士などへ相談する | 建築面や法律面の判断が必要な場合 |
| 住宅紛争処理 | 第三者を介して話し合いによる解決を目指す | 当事者間だけでは話がまとまらない場合 |
| 訴訟 | 裁判所による判断を求める | 話し合いで解決できず法的判断が必要な場合 |
訴訟を検討する場合
協議や専門家相談などで解決できず、損害賠償や補修責任などについて法的判断が必要となる場合は、弁護士へ相談し、訴訟を含む法的措置を検討することになります。
その際、カビの写真だけではなく、真菌検査結果、建物調査、発生原因に関する資料、施工前後の写真、契約書、連絡履歴などが整理されていると、事実関係を確認しやすくなります。
MIST工法®カビバスターズの調査・資料整理支援
カビを感覚ではなく調査結果で整理する
MIST工法®カビバスターズでは、カビが発生している建物について、目視だけで判断するのではなく、必要に応じて真菌検査や含水状態の確認などを行い、現在の汚染状況を整理します。
カビ問題が施工会社やハウスメーカーとのトラブルに発展している場合でも、一方の主張だけを前提とするのではなく、「現地で何が確認できたか」を整理することが重要だと考えています。
一般社団法人微生物対策協会との連携
一般社団法人微生物対策協会との連携により、室内の微生物汚染について、状況に応じた検査を行います。
- 空中浮遊菌検査
- 落下菌検査
- 真菌の同定検査
- 建材の含水状態の確認
- 室内環境とカビ発生状況の整理
検査は「誰が悪いか」を決めるものではありません。カビや真菌の状態を客観的に確認し、原因調査、対策方法、関係者間での協議に利用できる材料を増やすことが目的です。
法的判断ではなく客観資料の整理を支援
MIST工法®カビバスターズは法律事務所ではないため、法的責任や訴訟の勝敗を判断することはできません。
一方で、カビ専門業者として現地の状況確認、微生物に関する検査、施工前後の記録など、建物のカビ問題を客観的に整理するための支援が可能です。
弁護士や建築士など他分野の専門家へ相談する場合にも、カビの状況が整理された資料があることで、問題点を共有しやすくなります。
カビ・訴訟・法的措置に関するFAQとまとめ
カビがあれば施工会社の責任になりますか?
カビが発生したという事実だけでは、施工会社の責任とは判断できません。雨漏り、漏水、断熱、結露、換気、施工状態、使用環境などを調査し、発生原因を整理する必要があります。責任の法的判断については、契約内容や調査結果をもとに弁護士などへご相談ください。
訴訟前にカビを除去しても大丈夫ですか?
衛生上や建物保全上、早急な対応が必要になる場合もあります。一方、トラブルになっている建物では、除去前の状態が分かる写真・動画・調査記録を残しておくことが重要です。大規模な撤去や補修を行う前に、必要な記録が残っているか確認してください。
真菌検査だけで原因まで分かりますか?
真菌検査は、カビ・真菌の状態を確認するための重要な手段ですが、それだけで雨漏りや結露など建物側の原因をすべて特定できるわけではありません。含水率測定、漏水調査、断熱・換気状態の確認などを組み合わせて総合的に判断します。
建物のカビトラブルが訴訟や法的措置に発展しそうなときほど、最初に必要なのは相手を責めることではなく、現状を正確に残すことです。
カビの発生場所、範囲、真菌の状態、水分の供給源、施工・補修履歴、当事者間のやり取りを整理することで、何が問題なのかが見えやすくなります。
MIST工法®カビバスターズでは、カビ除去だけでなく、真菌検査や建物のカビ汚染状況の確認を通じて、問題を客観的に整理するお手伝いをしています。
ハウスメーカー、施工会社、売主などとの間でカビ問題が解決せずお困りの場合は、問題が複雑になる前の段階から専門家へ相談することもご検討ください。
世良 秀雄-カビのプロフェッシャル-
この記事の著者情報
24歳からカビ取り事業を始め2026年現在、会社設立から30年以上全国で「カビトラブル」にお悩みのお客様のもとへカビ取り・カビ対策に駆けつけしております。年間施工実績グループ全体で3000件以上.。全国のカビ問題を徹底解決いたします。詳しくはこちら>>
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【検査機関】
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