ZEH住宅でなぜ負圧が起きるの?カビ問題が多発する原因と対策をMIST工法®カビバスターズ本部が解説!

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ZEH住宅に潜む「負圧」と「カビ問題」の真実を徹底解説!〜MIST工法®カビバスターズ本部が語る快適空間の創り方〜

ZEH住宅に潜む「負圧」と「カビ問題」の真実を徹底解説!〜MIST工法®カビバスターズ本部が語る快適空間の創り方〜

2025/03/07

ZEH住宅に潜む「負圧」と「カビ問題」の真実を徹底解説!〜MIST工法®カビバスターズ本部が語る快適空間の創り方〜

高気密・高断熱だからこそ起こる負圧と湿気トラブルの原因と、効果的なカビ対策のポイント

皆さま、こんにちは。MIST工法®カビバスターズ本部のブログへようこそお越しくださいました。私たちは住宅や施設におけるカビ対策の専門家として、多くの建物のカビ問題を調査し、その原因と対策を追求する活動を続けています。近年は省エネルギー性能が高いZEH住宅が注目を集めておりますが、その一方で「負圧」による室内環境の乱れやカビの発生に悩む声が増えてきました。高気密・高断熱を追求するあまり、従来の住宅では考えにくかった湿気の滞留や換気計画のミスが顕在化するケースも少なくありません。

私たちカビバスターズ本部では、MIST工法®という独自技術を活用して、表面だけでなく建物内部に潜むカビも徹底的に除去・抑制する取り組みを行っています。しかし、カビ被害を本質的に解決するためには、単にカビを除去するだけでなく「なぜカビが発生するのか?」という根本的な原因を知り、再発を防ぐ対策を講じることが欠かせません。負圧が引き起こす湿気の吸い込みや、換気バランスが崩れた結果として室内に溜まる水蒸気など、一見すると小さなトラブルが実はカビの大きな温床になっていることも多いのです。

本ブログでは、ZEH住宅でなぜ負圧が生じやすいのか、そしてなぜカビ問題が多発してしまうのか、その仕組みをわかりやすく解説しながら、具体的にどのような対策を講じていけばよいかについて詳しくご紹介いたします。ご自宅の環境をより快適かつ安全に保ちたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧いただき、住宅トラブルの予防と改善にお役立てください。もし「うちもカビが気になる…」「天井裏や壁の中が心配」という場合には、お気軽にMIST工法®カビバスターズ本部へご相談いただければ幸いです。それでは、ブログ本編をどうぞお楽しみくださいませ。

ZEH住宅とは何か?

高断熱・高気密を基盤にエネルギー収支をゼロへ導く、未来型住宅のコンセプトと実態

1. ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の定義

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、建物の高断熱・高気密性能を最大限に高めるとともに、省エネ設備や創エネ(太陽光発電など)システムを活用し、年間の一次エネルギー消費量を正味(ネット)でおおむねゼロに近づけることを目指す住宅のことです。日本では国を挙げて普及促進が進められ、補助金制度の整備や認定制度の導入などによって、その数は年々増加しています。ZEHでは、エネルギー収支を抑えるだけではなく、快適性や健康面、安全性などの観点からも大きなメリットが期待できる点が特徴です。

ZEHが注目される理由の一つには、地球温暖化対策があります。化石燃料に依存する従来の生活スタイルを改め、住宅そのものが省エネルギーを実現するだけでなく、太陽光発電などを積極的に利用することで、できる限り外部からの電力購入を減らすという新たな時代の住宅モデルを提示しているのです。さらに、断熱性能を極限まで高めることで、外気温の影響を受けにくい「魔法瓶」のような空間を作り出します。その結果、夏は涼しく、冬は暖かく、冷暖房のエネルギー消費を抑えられる環境が整います。

ただし、ZEHの定義を満たすためには、建物の設計・施工の段階で十分な計画と技術力が求められます。高い断熱性と気密性を実現するだけでなく、換気計画や結露対策、設備の正しい選定や設置などを徹底しなければ、本来期待される省エネ性能や快適性が損なわれる場合もあります。ZEHという言葉自体が一人歩きし、「なんとなく省エネで快適そうだ」といったイメージだけで捉えられることも多いのですが、実は建築的な知識と施工技術、そして居住者の適切な運用がかみ合って初めて真のZEHとして機能するのです。こうしたポイントを十分に理解し、正しく運用することこそが、ZEH住宅のメリットを最大化する鍵といえます。

2. 高断熱・高気密化がもたらすメリットとデメリット

高断熱・高気密化は、ZEH住宅の根幹を成す要素と言っても過言ではありません。断熱性能を高めることで、冬の暖房や夏の冷房といったエネルギー消費を大幅に抑えることができます。また、高気密化によって無駄な隙間風や外気の侵入が抑制されるため、室内温度を一定に保ちやすくなり、ヒートショックなどの健康被害のリスクも軽減されるでしょう。こうした住宅性能の向上は、住む人にとって「快適性」「健康」「省エネ」という三拍子そろった効果をもたらします。

一方で、過度に高い気密性・断熱性が引き起こす「負の側面」も存在します。その代表例が「換気不良」による室内環境の乱れです。高気密化された空間は外気と室内の空気が自然に入れ替わりにくいため、湿気や室内発生源(調理や入浴、人体からの二酸化炭素など)の汚染物質がこもりやすくなります。特に、換気計画に不備があったり、換気設備がうまく機能しない状況に陥ったりすると、室内が負圧に傾いたり湿度が上昇したりして、カビやダニの温床が生まれやすい環境になるのです。

また、高断熱・高気密住宅では建物内部の湿度コントロールが非常にシビアになります。外気の影響を受けにくい分、一度湿気が溜まると逃がしにくいという問題が生じるためです。断熱材や壁体内に結露が生じやすくなるケースもあり、建物自体の劣化リスクが高まる可能性があります。さらに、施工時のわずかなミスや設計上の見落としがあると、局所的な結露やカビ被害を招く原因になるため、職人の技術力と確かな施工管理が一層重要となるでしょう。

こうしたメリットとデメリットの両面を理解したうえで、高断熱・高気密住宅を正しく設計・施工・維持管理することが大切です。暮らす人が快適かつ健康的に生活を送りながら、真に省エネルギーを実現するためには、家づくりの段階での丁寧な計画と、入居後の適切な住まい方、メンテナンスが欠かせないのです。

ZEH住宅で起こりがちな負圧のメカニズム

高気密住宅だからこそ生じる「空気の偏り」と「負圧」の落とし穴を徹底解明!

1. 換気システムのバランス崩壊

ZEH住宅では外気との遮断性が高くなるため、少しの換気不良やバランスの乱れが室内環境に大きく影響を及ぼします。とりわけ、計画換気における給気量と排気量のバランスが崩れると、室内に強い負圧が発生しやすくなるのです。具体的には、機械換気を導入する際に、設計上は給気口と排気口を適切に配置し、両者の風量をバランスよく設定する必要があります。しかし、実際の運用段階でフィルターが詰まったり、ダクト内にホコリが溜まったりして排気効率が低下すると、想定以上に「排気過多」な状態が続き、室内の気圧がどんどん下がってしまうケースが少なくありません。

負圧が一定以上になると、建物の隙間や基礎部分から外気や湿気が不本意に吸い込まれるようになり、床下や壁内に湿度が集まる原因となります。さらに、玄関ドアや窓が開閉しづらくなる、室内ドアが勢いよく閉まるなど、生活上の支障も現れてくるのです。こうした状況を放置すると、カビやダニの増殖、建材の腐食など建物の劣化を招くリスクが高まるだけでなく、室内の空気質が悪化して住む人の健康に悪影響を与える可能性もあります。

本来、ZEH住宅は高断熱・高気密によって快適かつ省エネルギーを実現するために計画換気が必須ですが、わずかなトラブルでも換気システムのバランスが崩れれば、逆に「負圧」という大きなデメリットを生み出しかねません。定期的に換気設備のフィルターやファンの点検・清掃を行い、設計通りの給排気量が維持されているかを確認することが、負圧トラブルを未然に防ぐカギとなります。高性能を謳う住宅だからこそ、住む側の意識的なメンテナンスと、専門家による点検が欠かせないのです。

2. 排気ファン・レンジフードなどの設備が与える影響

ZEH住宅においては、台所や浴室、トイレなどで使用する排気ファン、さらには調理時に稼働するレンジフードなどの機器が、室内の気圧に与える影響を軽視できません。とくにレンジフードは、強力な吸引力によって大量の空気を外へ排気する構造になっており、一般的な換気扇と比べて負圧を引き起こしやすい傾向があります。通常であれば給気口から新鮮な外気が十分に取り入れられるため、室内気圧が大幅に下がることはないはずですが、気密性の高いZEH住宅では想定外に給気が不足しやすく、排気ばかりが先行してしまう危険性があるのです。

さらに、高断熱化により室内に滞留しやすくなった湿気や臭いを排出しようと、長時間にわたり排気ファンや換気扇を強運転するケースも見受けられます。確かに、湿気や臭いを効果的に排出するためには換気量を上げることが有効ですが、それと同時に家全体の気圧バランスを崩し、強い負圧状態を作り出す要因にもなり得る点に注意しなければなりません。結果的に、予期せぬ隙間から外気を吸い込み、床下や壁体内に湿気を取り込むこととなり、カビやダニの発生リスクを高めてしまうのです。

また、設備そのものの選定や設置方法も重要です。レンジフードや排気扇の風量が必要以上に大きい場合は、余計に負圧が強まる可能性があります。換気扇やファンの取り付け位置が不適切だと、効率よく空気の流れをコントロールできず、室内環境が偏りやすくなってしまうこともあるでしょう。ZEH住宅でこれらの設備を導入する際には、ただ高機能な製品を選ぶだけでなく、住宅全体の気密・断熱性能や換気計画との整合性を踏まえたうえで、適切な風量設定と取り付けを行うことが欠かせません。日常的には、使用後に一定時間は弱運転に切り替えるなど、極端な負圧を避ける工夫が必要となるでしょう。

3. 施工不良や目詰まりが引き起こす思わぬトラブル

ZEH住宅が持つ高い断熱性能や気密性能を正しく活かすためには、設計段階だけでなく施工段階でも細心の注意が求められます。しかし、実際には、断熱材の施工方法や気密テープの貼り方に不備があったり、換気ダクトが長い距離を複雑に走行していたりするケースも見受けられます。こうした施工不良があると、本来の性能を発揮できずに熱橋が生まれやすくなり、冷暖房負荷の増加や結露のリスク増大へとつながってしまうのです。

また、負圧に関わるポイントとして見落としがちなのが、換気システムや排気口の「目詰まり」です。特に、フィルターやダクト内にホコリや油汚れ、虫の死骸などが蓄積すると、設計時には想定しなかったほど風量が落ちてしまうことがあります。給気口や排気口のいずれかが大きく詰まっていれば、相対的に他方が優勢になり、家全体の気圧バランスが崩れて負圧が強まる原因となりかねません。とりわけキッチン周りのダクトは、調理による油煙や湯気、微細な粉末などが詰まりやすいため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

さらに、施工時のミスや経年劣化によって、目に見えない部分(床下や壁内など)に小さな隙間や穴ができている場合もあります。高い気密性能を維持するはずのZEH住宅でも、こうしたわずかな漏気経路から外気を吸い込むことで、負圧が常態化しているケースは意外と少なくありません。建物内部への湿気侵入が加速すれば、内部結露を起こして木材や断熱材を傷めるだけでなく、カビやシロアリの温床になるリスクも高まります。結局のところ、ZEH住宅が長期的にその性能を発揮し続けるためには、施工の質とアフターメンテナンスが欠かせません。定期点検やプロによる調査を受けながら、隠れたトラブルを早期に発見し、対処していく体制を整えることが重要なのです。

 負圧による具体的なトラブル事例

見過ごされがちな「負圧」が引き起こす暮らしの支障と隠れたリスクを徹底解説!

1. ドアやサッシの開閉障害

ZEH住宅で高い気密性が確保されている場合、わずかな換気バランスの乱れによって室内が負圧状態に陥ることがあります。このとき最初に表面化しやすいトラブルの一つが、ドアやサッシの開閉障害です。負圧が強まると、ドアを開けようとする際に室内側へ強い力がかかり、開けるのに大きな力が必要になったり、逆に勢いよく開閉してしまったりすることがあるのです。特に玄関ドアは屋外との境界面に位置しているため、負圧の影響を受けやすく、ドアが重く感じられたり、閉めた途端に急激な空気の流入・流出が起こってバタンと大きな音を立てたりするケースも見受けられます。

また、サッシ窓においても、開け閉めの動作がぎこちなくなるだけでなく、サッシ枠に負荷がかかりやすくなるため、レール部分の摩耗が進んだり、密閉ゴムが傷んだりする恐れがあります。こうした劣化が進むと、本来の気密性能が低下するだけでなく、窓周りで結露が起きやすくなるなどの二次被害にもつながりやすいのです。さらに、サッシ枠やレールに異常な力がかかれば、隙間が生じてしまい、そこから外気や湿気が侵入しやすくなるため、家全体の耐久性や快適性にも悪影響が及ぶ可能性があります。

ドアやサッシの開閉障害は、一見すると「ただ開けにくい、閉めにくいだけ」と軽視されがちですが、実は家の内部で負圧が深刻化しているサインとも言えます。こうしたサインを見逃さず、早期に原因を探ることで、より大きなトラブルを防止することが重要です。具体的には、換気設備の風量バランスを見直したり、フィルターやファンの目詰まりを確認したり、ドアや窓の建て付けを定期的にチェックしたりと、住まい手自身や専門業者が連携して対策を行う必要があります。負圧による小さな違和感を放置すると、後々の修繕コストや家のダメージが大きくなることもあるため、気になる症状が見られた時点で早めに対処することが大切です。

2. 床下や壁内からの湿気吸い込み

負圧状態が続くと、住宅内部と外部との気圧差が拡大し、わずかな隙間からでも空気が吸い込まれやすくなります。特に、高気密化によって「意図せぬ経路」が封鎖されていない場合、床下や壁内のような見えない空間を通じて、湿気や外気が侵入するリスクが高まるのです。床下は地面に近く、もともと湿度が高い環境になりやすいため、負圧によって大量の湿気を室内側へ取り込んでしまうと、床下の構造材や断熱材が吸湿し、カビが発生する温床となってしまいます。

さらに、壁内への湿気侵入も見逃せない問題です。断熱材や石膏ボードの内部に湿った空気が流れ込むと、建材が湿気を含んで腐朽やカビの繁殖が進行し、場合によっては家全体の耐久性を損なう結果にもつながります。内部結露が常態化すると、表面上はなかなか気づかないままに被害が拡大し、壁紙にシミが出たり、独特のカビ臭が漂ったりといった二次被害が出始めてから、ようやく異変に気づくケースも少なくありません。

このように、負圧によって床下や壁内へと湿気が集中してしまう原因には、換気計画の不備や施工時の隙間処理の不徹底、あるいはフィルターやダクトの詰まりなどが考えられます。ZEH住宅は気密性が高い分、いったん湿気が侵入すると外部へ逃がしづらく、建物内部に長期間留まり続けるという特徴があります。したがって、「木造だから湿気対策が必要」という常識以上に、ZEH住宅は徹底した気密測定や適切な換気システムのメンテナンスが欠かせないのです。

負圧がもたらす床下・壁内の湿気トラブルを予防するためには、まずは住宅の気密性能を適切に確保し、設計段階での気密測定や施工精度のチェックが重要となります。さらに、定期的な点検でダクトの目詰まりを防ぎ、排気と給気の風量バランスを常に適正に保つことが、長期的に見ても家を健全に維持するための近道です。万一、カビやカビ臭などの兆候が見られた際には、専門業者による早急な調査と対策を行うことで、被害の拡大を食い止めることが可能になります。

3. 室内空気品質の低下と健康被害

負圧が慢性化した住宅環境では、単にドアや窓の開閉がしにくくなるだけでなく、室内空気品質(IAQ:Indoor Air Quality)の低下が顕著に進行する可能性があります。気圧差によって外気を強制的に吸い込む一方、計画されている給気ルートが十分に機能していない場合、必要な換気回数が確保されず、室内に二酸化炭素やホコリ、化学物質などの汚染物質が蓄積しやすくなります。特に、家族全員が長時間を過ごすリビングルームや寝室では、空気の滞留が深刻化し、頭痛や倦怠感、アレルギー症状など、健康への悪影響を引き起こすリスクが高まるでしょう。

また、高気密住宅の特徴である断熱性能の高さゆえに、一度室内に溜まった湿気や汚染物質は逃げ場を失いやすく、室内の湿度も上昇しやすくなります。高湿度環境は、カビやダニの増殖を助長し、気管支炎や喘息などの呼吸器疾患、さらにはアレルギー症状を悪化させる要因となり得ます。子どもや高齢者など、免疫力の弱い人が暮らす環境においては、特に注意が必要です。

さらに、負圧が発生している家では、暖房器具や給湯器などの燃焼機器を使用する際に、排ガスが逆流する可能性も否定できません。本来であれば屋外へ排出される一酸化炭素などの有害ガスが室内に入り込むと、中毒症状を引き起こす深刻な事故につながる恐れがあります。ZEH住宅は省エネルギー性能の向上を目指している分、燃焼機器の使用を最小限に抑えようとする傾向がありますが、もし使用する場合は排気機構を十分にチェックし、負圧状態を解消するための換気や通気対策を並行して行うことが肝心です。

このように、負圧が招く室内空気品質の低下は、家の機能性や快適性の喪失だけでなく、暮らしの安全と健康を深刻に脅かす問題でもあります。根本的な解決策としては、やはり住宅全体の換気バランスを見直し、適正な気圧状態を維持できるように設備や施工を管理することが不可欠です。もし室内でカビ臭や体調不良を感じるようであれば、専門家による診断と早期の改善策が大きなトラブルを防ぐ近道となるでしょう。

 なぜカビ問題が多発するのか?

高気密・高断熱住宅で深刻化する「湿気」の行き場と、日本特有の気候が引き起こすカビトラブルの真実

1. 湿気の滞留と結露発生

ZEH住宅では、高断熱化によって外気温の影響を受けにくくなり、室内の温度を一定に保ちやすいという大きな利点があります。しかし同時に、高気密化によって外部との通気が極めて制限されるため、一度室内に発生した湿気が外へ逃げにくくなるという問題を抱えがちです。調理や入浴、洗濯物の室内干しなど、日常生活における様々なシーンで放出される水蒸気が十分に排出されず、室内の相対湿度が高まると、湿度の高い空気が室内の冷えやすい部分に触れた際に結露を引き起こす危険が高まります。

特に、窓枠やサッシ周辺、壁のコーナー部分、天井裏など、空気の流れが悪い箇所や断熱が不足している箇所(いわゆる熱橋部分)は、外気と室内の温度差が顕著に現れ、結露の発生ポイントになりやすい傾向があります。結露によって表面が常に湿った状態になると、カビやダニが繁殖する格好の温床となり、壁紙の剥がれや嫌なカビ臭、アレルギー症状など、多方面でトラブルが生じる可能性があるのです。

また、ZEH住宅では床下や壁内のような見えない空間に湿気が溜まり込みやすいことも見逃せません。高気密ゆえに室内が負圧になった際、床下や壁内部へ外気や水蒸気を吸い込みやすくなり、そのまま内部結露が進行するケースもあります。内部結露は表面からは分かりづらい分、カビの発生や建材の腐朽・劣化が深刻化するまで気づきにくいという厄介な問題を引き起こします。したがって、ZEH住宅におけるカビ対策では、結露をいかに防ぎ、湿気を速やかに排出するかが重要な鍵となるのです。小まめな換気や除湿だけでなく、建築段階から熱橋を抑制し、断熱材の施工精度を高めるなど、根本的な設計・施工面の配慮も欠かせないポイントとなります。

2. 高断熱化が招く通気不足

高断熱化された住まいは、少ない冷暖房エネルギーで快適な室内温度を維持できるメリットがあります。しかし、断熱材でしっかりと外部との熱交換を遮断し、高い気密性能を実現すると、結果として通気が大幅に制限されるという側面が浮かび上がります。従来の住宅であれば、窓枠や壁の隙間から自然に外気が出入りし、目立った結露やカビ被害を引き起こさなかった場合でも、高気密住宅では意図した換気経路以外から空気が流れ込みにくいため、室内の滞留空気がどんどん湿度を帯びていくのです。

この通気不足が慢性化すると、家の中にはさまざまな影響が及びます。まず、先述のように室内湿度が高まり、結露とカビのリスクを高めてしまうこと。加えて、換気が不十分な空間は二酸化炭素やホコリ、ハウスダストなどの汚染物質も蓄積しやすくなるため、室内空気品質の悪化を通じて住まい手の健康を損なう恐れがあります。特に、キッチンのレンジフードや浴室の換気扇、トイレの排気ファンなどを強運転している際は、排気過多によって負圧を招き、見えない部分から外気や湿気を吸い込みやすい状態を作り出すのです。

通気不足を解消するためには、24時間換気システムの定期的なメンテナンスやフィルター掃除が欠かせません。フィルターが目詰まりすると給排気量のバランスが崩れ、室内で想定以上の負圧が発生したり、十分な給気が得られなかったりするため、湿気や汚染物質の滞留を引き起こしがちです。また、換気口やサッシなどの開閉もこまめに行い、季節や天候を踏まえつつ適度に外気を取り込むことで、湿気と汚染物質を効率よく排出することが可能になります。ただし、気密性能を損なわずに通気を確保するには、設備機器や施工品質の管理だけでなく、住まい手の使い方・生活習慣も大きく影響するため、各家庭での工夫や意識が重要になるのです。

3. 日本の高温多湿気候との相乗効果

日本は梅雨をはじめとする長雨の季節や、夏場の高温多湿といった気候的特徴を持ち、海外の乾燥地帯と比べて相対的に湿度が非常に高い環境下にあります。そのため、住宅の高断熱・高気密化が進む以前からも、カビや結露は多くの住まいで見受けられる悩みの種でした。しかしZEH住宅のように気密性が格段に上がると、室内と外気との空気交換が制限されるぶん、既存の高湿度環境がさらに「閉じ込められる」形となり、カビ繁殖の危険性がより高まってしまうのです。

特に、梅雨から夏にかけては、外の湿度が80%を超えるような日が続くことも珍しくありません。こうした季節に換気を行うと、外から取り入れた空気自体が高湿度であるため、かえって室内の湿度が急上昇することがあります。加えて、台風シーズンなど強い雨風が続くと、窓や換気口を開けるタイミングを失い、室内の空気が長時間滞留し続けてしまうケースも少なくありません。結果として、押し入れやクローゼットなどの通気が悪い場所で、カビが急激に繁殖するのを目の当たりにすることもあるでしょう。

さらに、日本の高温多湿な気候は、ダニの繁殖とも強く関連しています。カビが生えやすい環境はダニにとっても快適な生息地であり、これらの生物が増殖すると、アレルギー症状や健康被害を訴える家庭も増えていきます。ZEH住宅においては、断熱性能の高さが室内の温度を比較的高めに保つため、湿度だけでなく温度条件もダニ・カビ双方にとって都合が良く、いったん増殖が始まると抑え込みが難しくなるという悪循環が起こり得るのです。

こうした日本ならではの気候的要因を踏まえると、高気密・高断熱住宅でのカビ対策には、季節や天候の変化に応じた臨機応変な換気と除湿が欠かせません。ときにはエアコンや除湿機を効果的に活用し、換気システムと併用することで、一定の室内湿度を保ちながらカビ発生を抑える工夫が重要になります。日本の気候特性に合わせたメンテナンスと住まい方が、ZEH住宅でのカビトラブルを回避するための鍵となるのです。

 カビ発生を防ぐための具体策

住まいを快適に保ち、健康を守るためのカビ対策の実践法――換気・湿度管理・メンテナンスのポイント

1. 適切な換気と湿度管理のポイント

高断熱・高気密なZEH住宅では、外気との空気交換が制限されやすいため、適切な換気計画を継続的に実行することがカビ防止の重要な要素となります。特に注目したいのは「湿度管理」です。カビは湿度が60%を超えたあたりから繁殖しやすくなると言われており、室内の相対湿度を50〜60%に保つことが理想的とされています。とはいえ、梅雨や夏場のように日本の気候そのものが高温多湿になる時期は、外気を取り込むほどに湿度が上昇してしまうジレンマも少なくありません。

そこで活躍するのが、24時間換気システムや熱交換型換気設備の活用です。これらの設備を正しく運用することで、冷暖房のエネルギーロスを最小限に抑えつつ、室内の空気を定期的に入れ替えることが可能になります。ただし、換気設備の効果を最大化するには、フィルターの目詰まりやファンの不具合がないかを定期的に確認する必要があります。設備が故障していたり、フィルターが汚れていたりすれば、想定通りの風量を確保できず、室内の湿気がうまく排出できない原因になってしまうのです。

また、室内の湿度をコントロールするためには、調理や入浴など、湿気を大量に発生させるシーンでの「換気タイミング」も要になります。例えば、料理中の湯気や湯沸かしの蒸気は、できるだけ早めに排出することで蓄積を防ぎ、結露やカビのリスクを抑制することができます。入浴後の浴室や脱衣所のように、急激に湿度が高まる場所は、とくに換気扇や窓の活用が不可欠です。こうした生活の一つひとつの場面で、こまめに空気の入れ替えを心がけることが、カビの発生を抑える大きな鍵となるでしょう。

2. 給排気のバランス調整と定期メンテナンス

ZEH住宅では、高性能な断熱材と気密施工によって外気侵入が抑えられるため、家全体を通じた「給気」と「排気」のバランスが崩れると、負圧や過剰な加圧が生じやすくなります。その結果、想定外の場所から湿った外気を吸い込んでしまい、壁内や床下に湿気が蓄積してカビを誘発するケースもあるのです。このようなトラブルを防ぐには、住まい全体の給排気バランスを定期的にチェックし、必要に応じて調整を行うことが欠かせません。

まず、設計段階で指定されている風量と実際の風量を比較し、どちらかが極端に大きい、または小さい場合は原因を突き止める必要があります。例えば、排気口や給気口のフィルターにゴミやホコリが詰まっていないか、ダクトが曲がり過ぎていたり途中で潰れていたりしないかなど、設備そのものの状態をこまめに点検することが大切です。排気ファンや熱交換換気扇の能力が経年劣化で低下している場合もあるため、定期的なメンテナンスや部品交換を検討することで、本来の風量を取り戻すことができるでしょう。

また、住まい方の観点でも、レンジフードや浴室換気扇を使うタイミングや運転時間を見直すことが大切です。例えば、調理中だけ強力に排気してそのまま換気扇を切ってしまうと、一時的な排気量増で負圧が生まれ、その後に湿った空気を室内や建物内部へ逆流させる要因になり得ます。排気を行う際には、同時に給気も確保できるよう、窓開けや給気口の開閉タイミングを意識することが望ましいでしょう。

さらに、建物内部(床下や天井裏)の状態を定期的に点検することも重要です。施工不良や経年変化によって小さな隙間が生じていれば、強い負圧時にそこから湿った外気が大量に侵入し、内部結露を引き起こしてカビの温床になるリスクがあります。こうした問題を早期発見・解決するためにも、定期的な住宅診断やメンテナンスを行い、給排気バランスを最適化することがカビ対策に直結するといえるでしょう。

3. 住まい方の工夫(こまめな窓開け・除湿機の活用など)

カビの発生を抑えるためには、住宅の性能や設備だけでなく、実際に住まう人の使い方や意識も大きく影響します。高気密・高断熱住宅というと「窓は開けなくても快適に過ごせる」というイメージを持たれがちですが、湿度が高い日本の気候条件下では、必要に応じて窓を開けて換気し、余分な湿気を外に逃がすことが欠かせません。特に、朝晩の気温差が生じやすい時間帯や湿度の低い季節には、短時間でも窓を開けることで空気を入れ替え、カビのリスクを下げることができます。

しかし、梅雨や真夏のように外気自体が非常に蒸し暑い場合は、むやみに窓を開放すると室内の湿度が余計に上がってしまうことがあります。そのようなときは、エアコンの除湿機能や専用の除湿機を活用して、室内の湿度を適度にコントロールする工夫が有効です。ポイントは「必要なときだけ適切に機器を使う」こと。無駄に機器を稼働させ続けるのではなく、温湿度計などを使ってこまめに室内環境をチェックし、その時々の状況に合った運転を行うのが理想的です。

また、室内での洗濯物干しもカビを招きやすい行為の一つです。やむを得ず室内干しをする場合でも、できる限り浴室乾燥機を利用したり、除湿機を併用したりして、湿気が一ヶ所にこもらないように注意を払いましょう。さらに、家具の配置や収納スペースの使い方にも気を配りたいところです。壁や床との隙間がまったくない状態で家具を置くと、その裏側に通気が行き届かずカビが繁殖しやすくなります。定期的に家具を少し動かして掃除を行い、空気の循環を確保することも重要な習慣と言えるでしょう。

最後に、こうした日々の小さな積み重ねが、長期的に見ればカビの発生リスクを大幅に減らすカギとなります。設備や建材に頼るだけでなく、住み手が「湿度を意識した暮らし方」を身につけることが、ZEH住宅本来の快適性と省エネ性能を最大限に活かしながら、健康で清潔な住環境を維持するための最善策なのです。

 MIST工法®で解決するカビ被害の根本原因

「見えない部分」にまで届く独自技術で、カビの再発を徹底的に防ぐ──MIST工法®がもたらす本質的な解決策

1. MIST工法®とは?

MIST工法®とは、単なる表面清掃や塗装にとどまらず、カビの根を断ち切り、建物内部に残る目に見えない胞子や微生物まで徹底的に除去する独自の施工技術です。一般的に、カビの除去といえば「表面のカビを拭き取る」「市販の漂白剤や殺菌剤を塗布する」などの方法をイメージされるかもしれません。しかし、これらの方法では、建材の奥深くに入り込んでいるカビの菌糸や胞子までは十分に除去できないケースが多く、時間が経てば再びカビが発生してしまうことが少なくありません。

MIST工法®では、まず専門家が現場を丹念に調査し、どの部分にどの程度のカビ被害が及んでいるのかを正確に把握します。そのうえで、独自に開発されたミスト(超微粒子の薬剤)を使用し、建材の内部に浸透させる形で除菌・除去を行います。高気密住宅の場合、床下や壁内などに生じる隠れたカビ被害も見逃せませんが、MIST工法®が得意とするのは「目に見えない部分へのアプローチ」です。微細な粒子が隅々に行き渡り、通常の清掃では届かない小さな隙間や断熱材の内部までもしっかりと殺菌・消毒できる点が大きな特徴となっています。

また、MIST工法®では「施工後のアフターケア」にも力を注いでいます。カビを除去しただけで安心するのではなく、住宅全体の湿度管理や換気状況などを総合的にチェックし、再発防止に向けたアドバイスや定期点検を行うことで、長期的に安全・清潔な住環境を維持できるようサポートするのです。これにより、ZEH住宅特有の「負圧」や「湿気トラブル」を根本から見直し、確実かつ持続的なカビ対策が可能になります。日常的な清掃だけでは手が届かない、カビの深い根を断ち切る最善策こそが、MIST工法®の真髄と言えるでしょう。

2. 表面カビ除去だけでは終わらない内部処理の重要性

カビは壁紙や床面、天井などの「表面」に現れることが多いため、つい表面を漂白剤やアルコールで拭き取るだけで「これで安心」と思いがちです。しかし、実際にはカビの菌糸や胞子は建材の繊維内部や目に見えない隙間に入り込み、深く根を張って増殖を続けています。ZEH住宅のように断熱材や気密シートでしっかり密閉されている環境では、一度内部に入り込んだカビが成長しやすく、ちょっとした湿度の上昇をきっかけに再爆発的に発生するリスクが高まるのです。

特に、床下や壁内、天井裏といった目視点検が難しい場所では、カビの繁殖に気づきにくいケースが少なくありません。表面にカビが現れていなくても、内部ではすでに腐食や断熱材の劣化が進んでいる可能性もあります。こうした状況を放置すると、建物自体の耐久性が損なわれるだけでなく、カビの胞子が空気中に広範囲へ拡散し、住む人の健康を脅かすリスクが高まります。室内の空気を吸い込むたびにカビの胞子や有害物質を体内に取り込むことになり、アレルギー症状や呼吸器系疾患、肌荒れなどにつながる恐れがあるのです。

そこで鍵を握るのが、MIST工法®のような内部処理に強みを持つ技術です。表面だけを除去・漂白するのではなく、超微粒子の薬剤をミスト状に噴霧することで、建材の奥深くまで効果を届けます。これにより、カビの根源である菌糸や胞子を徹底的に除去し、再繁殖のリスクを格段に下げることが可能となります。高断熱・高気密住宅であればあるほど、表面処理に加えて内部処理が欠かせないという認識を持つことが大切です。カビ問題は、目に見える部分だけがすべてではないのです。

3. カビの再発を防ぐ予防策とメンテナンス

MIST工法®によってカビの深部まで除去しても、その後の環境維持を怠れば、再びカビを呼び戻してしまう可能性があります。特に高気密・高断熱のZEH住宅では、少しの換気不良や湿度管理のミスが大きなリスクとなり、床下や壁内、押し入れの奥などにカビが再発生する恐れがあるからです。カビを根本から防ぐには、定期的なメンテナンスと適切な予防策の実践が欠かせません。

まずは、室内の温度・湿度を管理することが重要です。湿度が高いとカビは爆発的に繁殖しやすいため、エアコンや除湿機などを活用して相対湿度を50〜60%程度に保つのが理想と言われています。加えて、24時間換気システムや換気扇のフィルターが目詰まりしていないか、定期的にチェックすることも欠かせません。フィルターやダクトが汚れていると、換気量が落ち、室内に湿気がこもりやすくなるだけでなく、負圧のアンバランスが生じて建物内部へ外気の侵入を招く原因になる場合もあります。

さらに、建物の外回りを含めた点検も大切です。雨仕舞いが悪い部分や隙間があれば、そこから水分が侵入して内部結露を引き起こし、カビの温床となることがあります。屋根や外壁の亀裂、基礎まわりの防水処理などを定期的に見直すことで、長期的にカビの発生リスクを低減できるでしょう。また、室内では家具を壁から少し離して配置したり、押し入れやクローゼットにも風が通るよう工夫したりと、日常生活のなかでこまめに通気を促すことが有効です。

MIST工法®そのものは、カビを徹底除去する強力な手段ですが、カビの再発をゼロにするためには、住まい手と施工業者が継続的に連携し、住宅環境を総合的に改善するアプローチが不可欠です。適切なメンテナンスと予防策を組み合わせれば、高気密・高断熱住宅のメリットを享受しながら、カビとは無縁の健康で快適な暮らしを長期間にわたって維持することができるでしょう。

ZEH住宅を快適に保つためのチェックリスト

高断熱・高気密の恩恵を長く維持するために、見逃せないポイントを総点検――定期的なケアが家の寿命と快適性を左右する

1. 定期的なフィルター掃除と換気システム点検

ZEH住宅の大きな特徴である高断熱・高気密性能を最大限に活かすためには、換気システムのメンテナンスが欠かせません。24時間換気システムや熱交換換気扇のフィルターが目詰まりを起こしてしまうと、外気の取り入れ量が不足したり、逆に排気ばかりが強くなって負圧が深刻化したりと、さまざまなトラブルを引き起こしかねません。特にキッチンのレンジフードや浴室・トイレの換気扇は油汚れやホコリが付きやすく、定期的な清掃を怠ると風量が著しく低下してしまうケースも珍しくありません。フィルターを数カ月に一度、あるいは使用状況に応じてこまめにチェックし、汚れが目立つ場合はすぐに掃除を行うようにしましょう。

また、換気扇や熱交換器そのものの動作状況を点検することも重要です。ファンモーターの経年劣化やダクト内部の汚れによって、風量にばらつきが生じると、家全体の気圧バランスに影響を及ぼす可能性があります。特に高気密住宅の場合、わずかな風量の差が「給気不足」や「排気過多」を招き、床下や壁内への湿気吸い込みを誘発する要因となるのです。専門業者による定期点検を受ければ、目視では気づきにくいダクト内部の状態やファンの不調も早期に発見できるため、トラブルを未然に防ぐことができます。ZEH住宅が持つ本来の省エネ性能と快適性を損なわないために、フィルター掃除と換気システムの点検は「後回しにしない」メンテナンスの基本として捉えておきましょう。

2. 室内湿度・温度のモニタリング

ZEH住宅のように高い断熱性と気密性を備えた住まいでは、外気温や湿度の影響を受けにくい分、室内環境が急激に変化しづらいという利点があります。しかし、その裏返しとして、一度上昇した湿度や温度が室内にこもり続けるリスクも高まります。カビの発生や結露を防ぐためには、室内の温度と湿度を常に把握しておくことが重要です。具体的には、リビングや寝室、キッチン、浴室など、生活の中心となる複数の場所に温湿度計を設置し、常時モニタリングすることが理想的です。

湿度が60%を超えてくるとカビやダニの発生リスクが高まるため、エアコンの除湿機能や専用の除湿機を使って早めに対処する必要があります。また、冬場など気温が低くなる季節には、加湿器を活用することで乾燥対策を行うケースも多いでしょう。しかし、加湿器の使用によって室内の湿度が過剰に上がっていないか、適宜チェックを怠らないようにしましょう。設定温度と実際の室内温度の差が大きい場合は、断熱性能の低下や換気不備などのトラブルを疑うきっかけにもなります。

さらに、温湿度を日々観測することで、季節や天候の変化に合わせて換気や暖冷房の運転方法を調整しやすくなります。例えば、梅雨や台風シーズンに外気が極端に湿っている場合は、短時間の窓開け換気よりもエアコン除湿のほうが効果的なケースもあるのです。また、逆に外気が乾燥している季節には、適度に窓を開放することで室内に滞留した湿気を効率よく排出できます。こうした柔軟な対応を支えるのが、正確でこまめな温湿度のモニタリングというわけです。結果として、住宅の長寿命化とカビの抑制、さらに住まい手の健康保持にも大きく寄与するでしょう。

3. 建物全体の気密状況チェック

ZEH住宅の性能を支える要は「気密性」と「断熱性」です。しかし、どれほど精密に施工を行っても、時の経過や地震・台風といった外力の影響で、建物の隙間や接合部に微細なズレや劣化が生じることは避けられません。こうした変化を放置すると、高気密住宅としての機能がじわじわと低下し、結果的に負圧や湿気トラブルを招きやすくなる可能性があります。そのため、建物の気密状況を定期的にチェックし、問題箇所を早期発見・修繕することが大切です。

具体的な確認方法としては、専門業者による「気密測定」が挙げられます。専用の機材を使って住宅内外の気圧差を測定し、どれだけの空気が漏れているかを数値化することで、気密性の低下を客観的に把握することができます。施工当初と比べて測定値が大きく変動している場合は、外壁やサッシまわり、屋根との取り合い部分などに隙間が生じている可能性が高いでしょう。さらに、配管の貫通部や電気配線の取り出し口、床下通気口付近など、気密処理が甘くなりがちな箇所を重点的に点検することで、問題点をピンポイントで改善できます。

また、定期的なメンテナンスの一環として、ドアや窓の建て付け状態をこまめに確認することも効果的です。開閉がスムーズに行えなくなったり、ドアの隙間から強い風が感じられたりする場合は、気密パッキンの劣化や歪みが疑われます。こうした症状を早めに改善すれば、負圧や結露、カビの温床を未然に防ぎ、ZEH住宅本来の省エネ性能をしっかりと維持することができるでしょう。家族が安心して暮らせる快適空間を長く保つためにも、建物全体の気密状況チェックは欠かせないステップなのです。

まとめ:長く快適に暮らすために

高気密・高断熱住宅のメリットを最大限に活かしつつ、負圧やカビのリスクを回避する総合的な住まいづくり

高断熱・高気密性能を持つZEH住宅は、年間のエネルギー消費を大幅に削減しながら、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を維持できるという大きなメリットがあります。しかし、その一方で、気密性の高さゆえに換気や湿度管理が不十分になると、思わぬ形で「負圧」や「カビ」の問題を引き起こすリスクが高くなる点にも目を向ける必要があります。これまでご紹介してきたように、ZEH住宅における負圧現象は、給排気のバランスが崩れたり、排気ファンやダクトの目詰まりがあったりするだけで、建物内部に湿気を取り込みやすい状態を生み出す原因になるのです。

また、高断熱化が進むと結露や湿度のコントロールも非常にシビアになります。わずかな換気不足や生活習慣の乱れが続くと、室内の至るところにカビが発生しやすい環境をつくってしまい、建物の美観や耐久性が損なわれるばかりか、住まい手の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。カビ胞子はアレルギー症状や呼吸器疾患の原因となるだけでなく、室内空気品質の低下にともない頭痛や倦怠感、肌荒れなどさまざまな不快症状のトリガーとなり得ます。

こうしたリスクを軽減し、長期的に快適な住環境を維持するためには、「定期点検とメンテナンス」が欠かせません。給排気のバランス調整やフィルター掃除、ダクトの状態確認を怠らず行うこと、室内の温湿度を日々チェックして必要に応じた除湿や換気を適切に行うことが基本です。さらに、建物の外壁や屋根、サッシ回りに異常が生じていないかを随時確認し、万が一気密性が低下するような隙間があれば早期に補修することが、負圧トラブルや内部結露の発生リスクを大幅に下げる重要なポイントになります。

また、万一カビが発生してしまった場合は、早期発見・早期対処が肝要です。表面を拭き取るだけの応急処置では菌糸や胞子が根絶できず、再びカビが発生する可能性が高いのが実情です。そこで役立つのが、MIST工法®のように内部までしっかりアプローチできる技術です。カビの根本原因となる部分を取り除き、再発を抑止するためには、建物内部の状況を把握しつつ、専門家の力を借りて適切な施工やアドバイスを受けることをおすすめします。

最後に、ZEH住宅を長く快適に保つためには「住宅性能」「メンテナンス」「住まい方」の三要素がうまく噛み合うことが不可欠です。設計・施工の段階で高い品質を追求しても、入居後のケアや生活習慣が不十分だと、せっかくの高性能がかえってトラブルの火種になってしまうかもしれません。逆に、日常的に温湿度を意識したこまめな換気や掃除を行い、建物の状態をチェックしながら適切なタイミングでメンテナンスを施していけば、ZEH住宅のエコ性能と快適性を余すところなく享受できるでしょう。家族の健康と安心を守り、快適な暮らしを実現するために、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、住まい全体のトータルケアを心がけてみてください。

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カビ取り・カビ対策専門業者MIST工法カビバスターズ本部

0120-052-127(平日9時から17時)

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カビの救急箱

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【検査機関】

一般社団法人微生物対策協会

https://kabikensa.com/

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