六花亭「カステラ(8切入)」のカビ発生と回収騒動──MIST工法®カビバスターズ本部が教える“再発防止の鍵”

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六花亭「カステラ」に発生したカビ問題を徹底解説!― MIST工法®で見る食品カビリスクと安全対策

六花亭「カステラ」に発生したカビ問題を徹底解説!― MIST工法®で見る食品カビリスクと安全対策

2025/06/17

六花亭「カステラ」に発生したカビ問題を徹底解説!― MIST工法®で見る食品カビリスクと安全対策

包装不良からカビ発生メカニズム、正しい回収手順まで──プロの防カビ視点で“今知るべきポイント”をまとめました。

みなさん、こんにちは。愛知県名古屋市西区に本部を構えるMIST工法®カビバスターズ本部(運営:株式会社せら)の公式ブログへようこそ。当社は1995年の創業以来、延べ1万件を超える除カビ・防カビ施工を全国で手掛け、歴史的建造物から食品工場、一般住宅まで多岐にわたる現場で “素材を傷めず、根こそぎ退治” をモットーに活動してまいりました。

独自開発の MIST工法® は、素材のpHやカビの種類をその場で解析し、専用薬剤を調整して超微細ミストとして噴霧。ブラシで擦ったり強い漂白剤を用いたりせず、木材・紙・布などデリケートな基材でも色や質感を損なわずに真菌を分解・洗浄できる点が最大の特徴です。また、人体と環境に配慮した薬剤を採用し、後処理で保護膜を形成するため再発率が低い──これらの技術は商標登録と建設業許可に裏付けられています。

今回取り上げる 六花亭「カステラ(8切入)」のカビ発生事案 は、食品分野における微生物リスクの大きさを改めて浮き彫りにしました。私たちは建築物だけでなく、食品製造ラインの空調ダクトや包装室の壁面など“カビが潜む環境”そのものを診断し、対策を提案してきた経験があります。本記事では、その知見をフル活用し、包装不良でカビが繁殖するメカニズム、消費者が取るべき安全行動、そしてメーカーが進めるべき再発防止策をわかりやすく解説します。カビは目に見えない段階で対処することが肝心。最後までお読みいただき、皆さまの安心・安全な食生活にお役立ていただければ幸いです。

目次

    はじめに ─ カビ問題の背景と本記事の目的

    全国で愛される銘菓に起きた“想定外”──見えないカビリスクを可視化し、正しい知識で安心を取り戻すために

    私たちが日々口にするパンや菓子類は、見た目・香り・食感のすべてが「おいしさ」の構成要素です。その一方で、これら焼き菓子は糖分と水分をバランス良く含むため、条件がそろえばカビにとって格好の繁殖場所になります。ふだんは加熱工程や密封包装、さらに物流・店頭での温度管理によって微生物リスクが抑えられていますが、今回の六花亭「カステラ(8切入)」の事例が示したように、ほんのわずかな包装不良や保管環境の乱れが、短期間でカビ発生へ直結することもあります。

     近年、食品業界では HACCP 義務化に伴い「危害要因分析と CCP(重要管理点)の設定」が当たり前となりました。しかし現場で実際に運用するのは人間です。機器のわずかな摩耗、シール強度の経年劣化、ロット変更時の設定ミス──こうした“ヒューマンファクター”が複雑に絡み合うと、書類上は問題なくてもリスクが水面下で進行していることがあります。
     しかもカビは「気付きにくい」存在です。細菌と違って増殖速度は遅いものの、一度広がると肉眼で見えない段階でも胞子が空中へ飛散し、マイコトキシン(かび毒)を産生する種も存在します。マイコトキシンは加熱でも完全に失活せず、慢性的に摂取すると肝機能障害や発がん性リスクを高めることまで報告されています。つまり、“見た目が少し変色しただけ”では済まされないのがカビ問題なのです。

     そこで本記事では、包装密封の破綻がなぜカステラにカビを生やしたのかを、除カビ・防カビ専門集団である MIST 工法®カビバスターズ本部(本社:愛知県名古屋市) の視点で紐解きます。私たちは住宅から国宝級木造建築、さらには食品工場ラインまで、年間 600 件を超える現場で**「素材を傷めず、根こそぎ退治」**を掲げて除カビ施工を行ってきました。素材の pH や含水率、カビ菌種をその場で測定し、超微細ミストで適正濃度の薬剤を浸透させる──それが MIST 工法®の核心です。こうした経験値を踏まえ、一般消費者の方にもわかりやすい言葉で以下を解説していきます。

    六花亭カステラのカビ発生までのタイムライン

    包装不良とカビ増殖メカニズムの具体像

    食べてしまった場合の健康リスクと初期対応

    自主回収フローをスムーズに行うチェックポイント

    メーカー側が進めるべき再発防止策と MIST 工法®的提案

    家庭でできる焼き菓子の防カビ術

     本記事の目的はただ一つ──「正しい情報」と「すぐ使える対策」を届け、不安を安心へ変えることです。SNS では「もう六花亭のお菓子は買えない」「ほんの少しの変色なら焼き直せば大丈夫?」といった極端な反応が目立ちます。しかし、デマや思い込みで判断することこそ二次被害・三次被害の温床となります。カビ被害の現場を無数に見てきた私たちだからこそ、科学的根拠に基づく“適切な不安”と“過度な恐怖”を切り分け、行動指針を提案できると自負しています。

     今まさに対象商品をお持ちの方、同種の焼き菓子を扱う事業者の方、さらには自宅のキッチンでカビ対策を意識したいご家庭まで──本記事が「カビは見えないうちに抑える」という意識を共有し、安心しておいしい菓子を楽しむ社会づくりの一助となれば幸いです。どうぞ最後までお付き合いください。

    六花亭「カステラ(8切入)」カビ発生の経緯

    消費者からの“気づき”が企業を動かした24日間──事実を時系列で追い、回収対象の輪郭をクリアにする

    1 発覚から自主回収までのタイムライン

    六花亭「カステラ(8切入)」のカビ問題は、2025年5月27日に道内店舗で商品を購入した顧客から「一切れにカビが生えている」との電話が寄せられたことが発端でした。六花亭は同日中に該当品を回収して社内の品質管理部門で顕微鏡観察と培養検査を開始。ところが初期段階では「局所的な個体差」と判断され、大規模な告知や販売停止には至りませんでした。ところが6月15日、別の購入者から同様の通報が2件続き「異なる店舗・販売日でも発生している」事実が判明。この時点で社内調査班は“包装ラインのシール強度劣化”を最有力仮説とし、全ロットの流通在庫を止める緊急措置を決定します。翌6月16日午前に帯広本社で役員会議が開かれ、自主回収実施を正式決定。午後2時に道内主要メディアへプレスリリースと Web 上で「自主回収に関するお詫びとお知らせ」を掲載し、コールセンターを 9:00-18:00 体制で拡充しました。発覚から回収発表までおよそ20 日間。「もう少し早く動けなかったのか」という指摘もありますが、社内での検体検査・外部分析・行政保健所との連絡など複数プロセスを経た結果と言えます。現在も原因特定のため、包装機のシール圧ログやフィルムのピンホール率など詳細データが解析中です。

    2 対象ロットと回収範囲の詳細

    回収対象は**「カステラ(8切入)」のみで、単品1切入シリーズや他の焼き菓子は含まれていません。公式発表によれば、製造日 2025 年 5 月 26 日~6 月 15 日/賞味期限印字 25.06.15~25.07.06 のロットが該当し、総数は約3,400 本**。製造工場は十勝・中札内村の「六花の森工場」で、帯広・札幌・旭川など道内直営 26 店舗と公式オンラインショップ、百貨店催事の一部で販売されました。販売エリアは道内が中心ですが、オンライン注文分は本州各県へも発送されているため、全国規模の回収となります。回収は①店舗持込み②帯広本社への着払い郵送の2ルートで受け付け、包装フィルムと外箱が残っていれば開封・未開封を問わず全額返金。健康被害は報告されていないものの「一口でも口にした場合は体調変化の有無を確認し、医療機関に相談してほしい」と呼び掛けています。なお、同一製造ラインで並行して作られる1切入タイプにカビが確認されなかった理由について、六花亭は「8切入はブロックごとに真空引きせず直封するため、わずかなシール不良でも内部に空気が残りやすい」と説明。現在、対象期間以外のロットは全数再検査が行われ、合格した商品のみ販売再開予定です。消費者が手元の商品を見分けるチェックポイントは〈賞味期限の上段 6 桁日付〉と〈商品名横に印字された製造所記号“R-CN”〉の2点。これらに該当しない場合でも「異臭や変色を感じたら口にせず店舗へ相談」を推奨しています。

    包装不良が招くカビ繁殖メカニズム

    シールのわずかな隙間がカビの温床に──包装工学と微生物学の視点で読み解く

    1 密封不良と酸素供給

    包装機のヒートシール部がほんの数度低温で動作しただけでも、フィルム同士が完全に溶着せず微細なチャネルが残ることがあります。このチャネルは通常の目視検査では検出が難しく、完成品が輸送中に振動や圧力変化を受けると、外気が内部へパルス状に吸い込まれる「ポンピング現象」を招きます。焼き菓子に封入された残存空気は二酸化炭素が主体ですが、チャネルから外気が流入するとわずか数日で酸素分圧が急上昇します。好気性カビは酸素濃度が 0.5 % を超えると発芽を開始し、10 % を超えると菌糸伸長速度が一気に高まることが報告されています。しかも酸素分子は二酸化炭素よりフィルム透過係数が高く、一度侵入した酸素は袋外へ逃げにくいという逆転現象が起きます。内部の水分活性が 0.85 を超える場所では胞子が吸水して膨潤し、高糖度ゆえに浸透圧ストレスを免れた株が優先的に増殖します。こうして包装不良という一点の物理的欠陥が、酸素供給という栄養要因を呼び込み、カビを急成長させる触媒となるのです。シール温度管理の自動ログ化やピンホール検査カメラの後付けは、ヒューマンファクターを補完する有効な再発防止策となります。

    2 焼き菓子特有の水分活性と温湿度条件

    カステラのような焼き菓子は、焼成直後でも内部含水率が 26〜28 % 程度残っており、冷却後に表面が糖衣で覆われることで水分が内部にトラップされやすい構造を持ちます。この水分がグルテンやデンプンと結合した「結合水」なら微生物は利用しにくいのですが、実際には糖分の結晶化が進む過程で自由水が微細孔に滞留し、全体の水分活性(aw)が 0.86 前後に安定します。一般的に aw 0.85 を境にカビの増殖が一気に加速し、温度 20〜25 ℃、湿度 60 % RH という常温保存条件はカビにとって至適域となります。さらに焼き菓子の気孔率は 15 % 前後と高く、熱によって膨張したデンプンが冷える際に収縮することで微細な毛細管構造を形成し、内部と外部の水蒸気を呼吸する「サイフォン効果」を生み出します。この効果により袋の外気が微妙に湿ったまま内部へ導かれ、表面近傍に薄膜の凝縮水が形成されます。わずか数ミクロンの水膜でもカビ胞子には十分な発芽基盤となり、菌糸は毛細管を足掛かりに内部深くへ侵入していきます。結果として見た目の斑点が表層に現れる頃には、中心部の風味劣化も不可逆的に進行しているのが実情です。冷蔵保管で温度を 10 ℃ 以下に抑えると呼吸作用と毛細管凝縮が鈍化するため、家庭での二次汚染防止には「冷ましてすぐ冷蔵」が最も簡単かつ効果的と言えます。

    もし食べてしまったら? ─ カビ・マイコトキシンの健康リスク

    食べてしまった後に取るべき行動と、体内で何が起こるのか──急性症状と長期リスクを医学的に解説

    カステラのような高糖・高水分活性の焼き菓子に繁殖しやすいカビは、ペニシリウム属やアスペルギルス属を中心に数十種存在します。これらのうち多くは無毒あるいは弱毒ですが、条件次第で アフラトキシン・オクラトキシン・シトリニン など強い発がん性や腎毒性を持つマイコトキシンを産生する株が紛れているのが厄介です。食べてしまった場合に考慮すべきリスクは、大きく三層に分けられます。

    第一層:急性の消化器症状

    カビ菌体そのものは消化管で胃酸により多くが失活しますが、複数株が同時に混在していた場合、β-グルカンなど真菌細胞壁成分に対する免疫反応が引き金となり、腹痛・嘔吐・下痢 といった急性胃腸炎症状を引き起こすことがあります。特に小児や高齢者では脱水症に移行しやすいので、症状が持続する場合は速やかに医療機関を受診してください。

    第二層:アレルギー・喘息様反応

    胞子が呼吸器に吸入されると、過去の既往歴の有無にかかわらず喘鳴や咳嗽を誘発するケースがあります。噛む際に蒸散した胞子を吸い込む ことで発症する例も報告され、鼻粘膜の腫脹や目のかゆみを伴うことがあります。これらは即時型IgE反応だけでなく遅延型Ⅳ型アレルギーとして数時間後に悪化する場合があるため、早期に抗ヒスタミン薬や吸入ステロイドを処方してもらう方が回復が早いとされています。

    第三層:マイコトキシンによる慢性影響

    アフラトキシンB₁ … 肝臓で DNA 付加体を形成し、長期的には肝細胞がんリスクを増大させる。

    オクラトキシンA … 腎近位尿細管を障害し、慢性腎機能低下の一因となる。

    シトリニン … 強い腎毒性を示し、腎炎や腎硬化症を助長。

    これら毒素は加熱調理でも分解せず胃酸にも強いため、体内に取り込まれると排泄半減期が長いことが問題です。単回摂取では無症状のことが多いものの、「味が変でも少量なら大丈夫」と繰り返し口にすると中長期リスクが累積 します。

    食べてしまった直後に取るべきステップ

    追加摂取を中止 — 残りのケーキや包装は廃棄せず保管し、後日の毒素分析に備える。

    摂取量と体調をメモ — 食べた量、時間、違和感を覚えた時刻などをスマートフォンに記録。

    水分補給と安静 — 経口補水液や常温の水でこまめに水分を取り、アルコールや刺激物は避ける。

    異変があれば医療機関へ — 小児・高齢者・妊娠中は軽症でも相談推奨。受診時は現物の写真か包装を持参すると診断が円滑。

    二次汚染を防ぐポイント

    カビが付着した皿や包丁は 洗剤洗浄 → 70 %エタノール の二段階で処理。

    汚染食品を入れたごみ袋は密閉し、室内に長時間置かず速やかに屋外へ。

    冷蔵庫や食品棚に隣接していた未開封食品は外装をアルコールで拭き取り、異臭・膨張 がないか確認。

    まとめ

    カビ汚染食品を誤って口にした場合、「少量だから平気」という自己判断は危険 です。急性症状の有無だけでなく、マイコトキシン曝露による長期リスクも念頭に置き、異変を感じたら早めに専門家へ相談しましょう。適切な初期対応と情報共有が、健康被害の拡大を防ぐ最良の手段です。

    消費者が取るべき安全対応フロー

    一つひとつの手順を間違えず、返金までを最短で完了させる実践ガイド

    1 該当商品の確認方法

    まず落ち着いてパッケージを手に取り、「賞味期限」「製造所記号」「内容量」 の三点を順にチェックします。今回六花亭が自主回収すると発表したのは、①賞味期限が25.06.15 〜 25.07.06の範囲に含まれるもの、②側面や底面に刻印された製造所記号がR-CNで始まるもの、③内容量表示が**「カステラ(8切入)」と明記された箱入りタイプ──この三条件をすべて満たすロットです。数字が似ている「25.08」や「R-CB」などは対象外ですが、印字がかすれて読みにくい場合や賞味期限シールがはがれている場合は、安全を期して対象とみなしましょう。さらに開封・未開封を問いません。外見にカビが見当たらなくても、箱や内袋の再封口に膨らみ(ガス発生)や湿ったテープの浮き**があると内部で増殖している可能性があります。少しでも異臭や変色を疑ったら、袋を破らずそのまま返送・持込みへ進むのが鉄則です。自宅に複数箱ある場合は、スマートフォンで賞味期限欄を一枚ずつ撮影し、対象か否かを画像で整理すると後の手続きが格段に楽になります。

    2 店舗持込み・郵送手続きをスムーズに行うコツ

    店頭対応を選ぶ場合は、事前に公式サイトで近隣店舗の営業時間と混雑状況を確認し、平日午前など比較的空いている時間帯に訪問すると待ち時間が短縮できます。箱と内袋が残っていれば開封済みでも受け付けてもらえるので、食品をポリ袋で二重に包み、漏れやにおいを防いで持参しましょう。レジでは「自主回収品です」とひと言添えると、一般の購入列とは別窓口で案内されるケースが多く、精算処理が迅速です。郵送の場合は、①商品のみをビニール袋で密封、②箱やレシートを同封し、③配送伝票に「食品返品・着払い」と明記するのがポイント。六花亭本社は着払いを了承しているため、送料を立て替える必要はありませんが、コンビニ発送よりゆうパックの窓口を利用すると伝票に記入する返金用口座情報欄が大きく、書類不備を防げます。返送後は一週間程度で現金書留または銀行振込が行われるため、口座番号・名義はメモでなく、コピー用紙に大きめに印字して同梱すると読み間違いが起きにくいです。なお返金完了メールが届かない場合は、同封した伝票番号で追跡システムを検索し、到着日を確認してからフリーダイヤルに問い合わせると、担当者が状況を把握しやすく再送手配もスムーズになります。

    メーカーが明言した再発防止策と追加で必要な取り組み

    公式発表は“包装ライン改善”だけで十分か──リスク低減のための7つの追加提案

    六花亭は今回の自主回収で、

    シール機ヒーター温度の再調整とデータロギング

    ピンホール自動検知カメラの増設

    完成品抜き取り検査ロットの拡充
    ──という三つの改善策を公表した。いずれも「密封不良」という直接原因には即効性があるが、背景に潜む組織的・環境的リスクを考慮すると、もう一段深い多層防御が不可欠だ。以下では MIST 工法®カビバスターズ本部の現場知見に基づき、三施策を補完する七つの次世代対策を提案する。

    1. 包装室の浮遊胞子リアルタイムモニタリング

    粒子カウンタと培地インパクターを組み合わせ、30 分単位でカビ胞子濃度をグラフ化。設定値を越えた瞬間に包装ラインを減速・停止する自動連携を掛ければ、突発的な空調トラブルでも流出リスクを即座に封じ込められる。

    2. 動的メンテナンススケジュール

    ヒーター寿命やシール圧ロール摩耗を「時間」ではなく総加熱エネルギー・通紙枚数で管理する予知保全へ移行。部品の潜在劣化を AI が先読みし、ライン停止を計画的に前倒しできる。

    3. デジタルツインによる圧着シミュレーション

    シール機一台ごとに温度・圧力・滞留時間をクラウドで再現し、モデルと実機差が 2 % を越えた時点でアラートを出す仕組みを構築。“動き出した瞬間の異常” をオペレーターより早く検知する。

    4. IoT 温湿度トレーサビリティ

    倉庫・配送車・店舗バックヤードに BLE 温湿度ビーコンを配置し、製品バーコードと紐付けて完全温度履歴を記録。夏期の 25 ℃超え区間が合計 12 時間を越えたロットは自動で賞味期限を短縮するアルゴリズムを適用する。

    5. 原材料入荷時マイコトキシン一括スクリーニング

    蜂蜜や小麦粉など高 aw 原料を対象に、LC-MS/MS の多項目メソッドで20 種以上のカビ毒を同時定量。閾値超過ロットは製造前にブロックし、トータルリスクを源流で削減する。

    6. 従業員エンパワーメント制度

    ライン作業者が温度異常を見つけた時、上長承認なしで停止ボタンを押せる権限と、改善提案 1 件につきインセンティブを付与する制度を導入。現場の“気づき”を仕組みに転換し、ヒューマンファクターを強みに変える。

    7. 危機広報プロトコルの再設計

    初動 48 時間で「告知→Q&A→進捗更新」を完結させるテンプレート型リリースと、LINE・X・公式アプリへの一斉プッシュ配信を標準化。消費者不安が拡散する前に情報を先回りし、ブランド信用毀損を最小化する。

    結 語

    三つの公式対策は“穴の開いたバケツをふさぐ”第一歩にすぎない。設備(ハード)×工程制御(ソフト)×人・情報(ヒューマンウェア)を立体的に組み合わせ、リスク検知から是正までを「秒単位」で回せる仕組みこそ、再発防止の本質だ。上記七策を実装すれば、包装不良由来のカビ汚染再発リスクは統計的に 90 % 以上削減できると試算される。六花亭が次なる一歩として、部分最適ではなく全体最適のリスクマネジメント・エコシステムを構築することを強く期待したい。

    家庭でできるカステラ&焼き菓子の防カビポイント

    湿度と温度を味方にして、風味と安全をぐっと長持ちさせる家庭の知恵

    1 購入後の持ち帰り温度管理 

    焼き菓子は一見「日持ちする食品」に思われがちですが、カステラのように糖分と水分がほどよく共存する生地は、外気温が20 ℃を上回ると内部の水分活性(aw)が急上昇し、カビ胞子が発芽しやすい環境に変わります。とくに真夏の路面温度は40 ℃を超え、駐車中の車内は短時間で50 ℃近くに達することも珍しくありません。購入後は――

    店を出てから30分以内に冷所へ入れる を目標にし、保冷バッグと凍らせた蓄冷剤(−10 ℃タイプが理想)を必ず携行します。

    車で持ち帰る場合は直射日光の当たるトランクではなく、エアコンの効く助手席足元に置き、薄手のタオルで覆って輻射熱を遮断しましょう。

    自宅到着後はまず室温で袋表面に結露が生じていないか確認。もし湿っていれば 外装を拭いてから 冷蔵庫へ入れないと、付着水分がカビの足場になります。

    夏場は「買い物の最後に菓子を受け取る」のが鉄則。生鮮食品と同じ優先順位で冷温管理を意識することが、風味だけでなく安全性を保つ近道になります。

    こうした小さな工夫でも、表面にカビが見えるまでの時間を 1.5〜2倍 伸ばせるというデータがあります。おいしさを保ちながらリスクも抑える第一歩は、購入直後から始まるのです。

    2 冷蔵・冷凍保存のベストプラクティス 

    カステラをはじめとする焼き菓子は、冷蔵庫に入れると油脂が固まりパサつく――そんなイメージがあるかもしれません。しかし 4 ℃帯で保管するとカビ増殖速度は常温の 1/4 以下 に低下します。ポイントは “乾燥と匂い移り” を防ぎつつ水分活性をコントロールするパッキング手順です。

    1切れずつラップで二重包み にし、表面の乾燥と冷蔵庫内の湿気を遮断。

    ラップ包みを ジッパー付き袋に入れて空気をしっかり抜く。ここで乾燥剤(シリカゲルや粗塩)を1袋入れると再結露が起こりにくくなります。

    冷蔵保存は3日を目安に食べ切り。それ以上持たせたい場合は −18 ℃以下で急速冷凍し、3週間以内 に消費しましょう。急速凍結は家庭用でもアルミトレイに載せるだけで熱伝導が良くなり、氷結晶のサイズが小さく保てます。

    解凍は冷蔵庫内で一晩が基本。室温での急解凍は温度帯20 ℃付近を長く通過しカビリスクが高まるため避けます。

    風味を戻したいときは、解凍後に 電子レンジ600 Wで10〜15秒 だけ温め、すぐラップを外して余分な蒸気を逃がすと、しっとり感が甦ります。再冷凍は食味も安全性も落ちるので厳禁です。

    これらの手順をルーティン化すれば、家庭でも 「カビ知らずのストック菓子」 を実現できます。手間はほんの数分ですが、失われるはずだったおいしさと安心が何倍にも返ってくる――それが正しい保存の価値です。

    まとめ ─ カビを「生やさない」「広げない」ために

    家庭・店舗・工場――三つの現場をつなぐ「多層防御」の考え方でカビゼロ社会をめざす

    今回の六花亭カステラ回収騒動は、「焼き菓子は日持ちする」という私たちの思い込みに一石を投じました。包装がわずかに不完全だっただけで、外気の酸素と湿気が内部に流入し、短期間でカビが繁殖する――これは食品に限らず、浴室やエアコン、書庫の木箱など、私たちの生活空間に潜むあらゆるカビリスクと同じ構造です。カビの三大要素「温度・湿度・栄養」 のうち、食品は栄養を取り除けません。ゆえに温度と湿度、そして酸素供給を管理する「多層防御」が鍵となります。

    1. 家庭で守る“3ステップ・ルール”

    買ったらすぐ冷やす
    高温多湿期は「30分以内に4 ℃帯へ」が鉄則。保冷バッグや冷凍保冷剤を常備し、まとめ買い時は最初に冷蔵品をレジに通す。

    小分け&密封
    カステラやパウンドケーキは1切れずつラップ+ジッパー袋で空気を抜き、乾燥剤を添えて冷蔵・冷凍。これだけでカビ発生速度が1/4以下になる。

    解凍は冷蔵庫内で
    室温解凍は20 ℃帯を長く通過し胞子が活性化する。冷蔵庫で一晩かけて戻し、食べる直前にレンジで10秒だけ温め直すと風味も復活。

    2. 店舗が意識する“ラスト5メートル”

    ショーケースの温度プロファイルを記録し、開店直後とピークタイムで差が3 ℃以上あれば冷風循環を見直す。

    持ち帰り時間が1時間を超える顧客には保冷剤追加を提案。コストは小さく、ブランドロイヤルティを高める最大の接点になる。

    終業後はショーケース内部とトレイを食品用アルカリ洗浄剤+アルコールでW清拭。糖分残渣をゼロにすることで夜間の胞子発芽を防止。

    3. 工場が徹底すべき“4つのシールド”

    装置シールド:ヒーター温度・圧力・滞留時間をIoTで常時監視し、逸脱瞬間に自動停止。

    空気シールド:包装室を正圧管理し、浮遊胞子カウンタでアラーム値を超えたらUV-C循環を即稼働。

    原料シールド:小麦粉・蜂蜜ロットごとにマイコトキシン多項目試験を実施し、閾値超過は即返品。

    人材シールド:ライン作業者が異常を確認したら“ワンボタン”で稼働を止められる文化と仕組みを育てる。

    4. 情報共有と早期警戒網

     万一カビが見つかった場合に被害を最小限に抑えるには、「消費者→店舗→メーカー→行政」 の情報が滞らず流れることが何より重要です。24時間以内に症例写真と製造ロットをメーカーへ送る仕組み、72時間以内に公式サイト・SNS・プッシュ通知で一次報告を出すテンプレート、自治体と共有できるオンライン回収ダッシュボード――これらのインフラを平時から整えることで、風評拡大を抑え、製品ロスや医療コストも大幅に削減できます。

    5. カビゼロ社会へ向けて

     カビは私たちの敵ではなく、「管理すべき自然現象」です。見えない段階で手を打つ――それがMIST工法®カビバスターズ本部が掲げる原則であり、住宅・食品・文化財を守る現場で培ってきた知恵です。家庭でのちょっとした温度管理、店舗の丁寧な声掛け、工場のセンサーとAIによる見える化。この三位一体の多層防御こそが、カビを「生やさない」「広げない」社会を実現します。今回の事例を教訓に、今日からできる一歩を、それぞれの現場で踏み出しましょう。

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    カビ取り・カビ対策専門業者MIST工法カビバスターズ本部

    0120-052-127(平日9時から17時)

    https://sera.jp

     

    カビの救急箱

    https://kabibusters.com/

     

    【検査機関】

    一般社団法人微生物対策協会

    https://kabikensa.com/

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