高気密・高断熱住宅のカビ原因と相談前の確認

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高気密・高断熱住宅のカビ|原因の確認と施工会社への相談

高気密・高断熱住宅のカビ|原因の確認と施工会社への相談

2026/04/27

高気密・高断熱住宅でカビや湿った臭いが出たら、住宅性能そのものを原因と決めつけず、発生場所、温湿度、換気・空調の運転、水漏れの有無を確認します。高性能な住宅でも、水分が残る場所や設備の不具合があれば調査が必要です。

最初に行いたいのは、24時間換気を止めることではなく、取扱説明書どおりに運転できているかの確認です。そのうえで、除湿の状況や結露・漏水を別々に調べます。この記事では、施工会社やカビ対策業者へ相談する前に整理したい情報を、居住者向けにまとめます。

目次

    高気密・高断熱住宅のカビは何を確認する?

    住宅性能の名称だけで原因は決まらない

    気密は建物のすき間、断熱は熱の伝わりにくさに関する性能です。どちらも、それだけで室内の水分を取り除く機能ではありません。調理、入浴、室内干しなどの水蒸気と、外気や漏水から入る水分を、設備と建物の状態に合わせて管理する必要があります。

    室内の中央が乾いているように感じても、家具の裏や外壁側の収納では条件が異なることがあります。反対に、湿度が高いという情報だけで壁内にカビがあるとは断定できません。

    新築時から発生していたのか、暮らし方や空調の設定を変えてからなのかを記録しましょう。住宅の名称や気密性能の数値だけで、施工不良や住まい方の責任を判断しないことが大切です。

    24時間換気と除湿は役割を分けて考える

    湿気が気になる場合も自己判断で換気を止めない

    換気は室内の空気を入れ替える仕組みです。除湿は空気中の水分を減らす働きで、一般的な換気設備だけで希望する湿度まで下がるとは限りません。外気が湿っている時期には、換気を確保しながら冷房・除湿設備の使い方を確認します。

    確認する順番
    1.24時間換気が通常の運転設定になっているか
    2.給気口を閉じたり家具でふさいだりしていないか
    3.フィルターの点検・交換時期を過ぎていないか
    4.エアコンや除湿機の設定・運転時間が状況に合っているか
    5.室内干しや入浴後の湿気が特定の部屋へ集中していないか

    機種により清掃方法や運転条件が異なります。取扱説明書で利用者ができる範囲を確認し、風量調整やダクト内部の作業は施工会社・設備業者へ相談してください。国土交通省も、住宅にどのような換気設備があるか把握する重要性を案内しています。

    気密・断熱・換気の数値を同じ評価にしない

    気密の性能値が良いことは、建物の隙間に関する情報です。断熱の性能値は熱の伝わり方に関する情報であり、換気設備が計画した空気を運べているかを直接示すものではありません。カビの原因を相談するときは、住宅の性能値を伝えたうえで、実際に運転している設備と発生場所を別に確認します。

    例えば「気密測定をしているので換気に問題はない」「高断熱なので壁の冷えは調べなくてよい」という説明は、それぞれ違う対象を一つにまとめています。どの測定で何を確認したかを聞き、未確認の対象まで結果を広げないようにします。

    換気の計画と、居住後の運転条件も分けます。引渡し時に調整された設定が変更されていないか、フィルターや給排気の経路が説明書に沿った状態かを確認してください。風量を増やすことが適切かどうかは設備条件によるため、利用者が触れる清掃範囲と専門担当が調整する範囲を区別します。

    全熱交換という名称から除湿性能を推測しない

    熱交換型の換気、除湿を組み合わせた換気、室内の空気を循環させる空調では、機能が異なります。設備名に「全館」や「熱交換」があることだけで、どの部屋も同じ湿度まで下がるとは判断できません。外気をどう扱う機器なのか、湿度の設定や制御があるかを機種の説明で確認します。

    製品に試験結果が示されている場合も、試験した温湿度や運転条件と、自宅の状態が同じとは限りません。設定値へ必ず到達する保証として読むのではなく、どの条件で得られた値かを見ます。機器を追加する前に、既存設備の機能と処理する範囲を整理すると、重複した対策を減らせます。

    部屋を閉めたときの経路を確認する

    扉を開けて暮らす想定だった空間を閉めて使い始めたなど、使い方が変わると空気の通り道も確認が必要です。ただし、全ての扉を常時開けることが正解とは限りません。換気計画がどの経路を想定しているかを図面や説明書で確かめます。

    ドア下の隙間や給気口を寒さ対策で塞いだ場合は、その部分が換気に関係するか施工会社へ確認します。隙間を見つけたから全て塞ぐ、湿度が気になるから全て開くという方法を避け、設備の設計と合わせて調整してください。

    冷房で室温は下がるのに湿りが残るとき

    室温を下げる目的と、水分を減らす目的が同じ設定で十分に達成できるとは限りません。冷房と除湿のモード、設定できる項目、運転が弱くなる条件を機種の説明書で確認します。快適な室温になったことだけで、収納の湿りまで解消したとは扱わないようにします。

    全館空調を使っている場合も、温度を測る位置と、問題が起きる収納や部屋が同じ条件かを確認します。ある部屋だけ対策したいからと吹出口を独自に塞ぐと、計画した空気の配分が変わる可能性があります。設定変更の前に、担当へ対象室の状態と今の運転を伝えてください。

    追加の除湿機を使う提案では、既存空調とどのように組み合わせるか、どの空間を対象とするかを確認します。機器の台数を増やしても、濡れた物を収納し続ける条件や漏水が残れば別の対応が必要です。設備の追加が役立つ対象と、修理が必要な対象を分けることで、購入後に期待した場所が改善しないという取り違えを減らせます。

    調整を依頼する際は、普段使う運転モードも一緒に伝えてください。

    カビが出る場所と時間帯を記録する

    窓・収納・吹出口・壁の変化を比較

    窓やサッシ:朝だけ結露するのか、一日中濡れるのか。窓台や周囲の壁にも水染みがないかを確認します。

    クローゼット:外壁側、床との境、衣類の裏に偏っていないか。詰め込みや濡れた物の収納がないかを確認します。

    エアコン周辺:運転時だけ臭い・水滴が出るか、配管の周囲に濡れがないか。分解せず見える範囲を記録します。

    壁・天井:雨の日や上階の水使用に関連するか、壁紙の浮きや水染みがあるかを確認します。

    写真は全景と近接を同じ日付で残します。温湿度は測定場所と時間をそろえ、空調の運転状況も記載すると比較しやすくなります。

    平均の湿度と局所の条件を比較する

    リビング中央の湿度が落ち着いていても、外壁側の収納や家具の背面が同じ状態とは限りません。室温が低い場所では相対湿度が変わるため、湿度だけでなく温度も確認します。国土技術政策総合研究所の資料は、暖かい空気と冷える面の関係を結露の要因として説明しています。

    確認する場所を増やす場合は、湿度計の機種や設置条件の違いにも注意します。エアコンの風が直接当たる位置と、風の届かない収納を比べて、差が出たことだけで設備故障と決めつけないでください。場所の条件が違うことを知るための比較と、機器の精度を確かめる比較は別です。

    温湿度計を移した日を境に値が変わった場合、その変化を改修の効果と混同しないようにします。対策前後の比較では、測定位置と時刻をそろえ、空調や生活の条件が変わった場合はその違いも残します。

    冬の現象を夏にもそのまま当てはめない

    冬は室内の水蒸気と冷たい面に注目しますが、夏は湿った外気や冷房で冷える部分が関係することがあります。冬に窓の結露があった家で、夏に壁が湿る場合、同じ原因だと決めず季節ごとの条件を確認します。夏冬を一つの湿度設定だけで説明しないことが重要です。

    特に壁内部については、室内側の見た目だけで水分の来る方向を確定できません。防湿材の追加などを提案された場合は、その建物の構成と季節条件に適した計画かを担当者に説明してもらいます。一般記事の図を自宅の壁構成と同じものとして扱わないようにします。

    表示の改善と建材の乾燥を分ける

    暖房をつけて相対湿度が下がっても、それだけで水分が外へ出たとは限りません。冷房の運転で数字が変わった場合も、温度の変化と水分の除去を区別します。壁や床が濡れているなら、空気の表示だけを見て対策完了にしないでください。

    新築直後からの現象でも、建築中の水分が残っていると最初から決めつけず、現在も水が入る原因がないかを調べます。乾燥を待つ提案を受ける場合は、何を確認しながら待つのか、濡れが増えたときはどう進めるかを共有します。

    住まい方と設備・施工の問題を切り分ける

    一つの原因に決めつけず順に確認する

    収納の詰め込み、室内干しの増加、換気口の閉鎖など、利用状況の変化で説明できるかを確認します。ただし、見直した後も同じ場所が濡れる、雨のたびに変色する場合は建物や設備の点検が必要です。

    施工会社へは、断熱・気密の連続性、配管貫通部、空調排水、屋根・外壁など、現象に関係する部位を調べてもらいます。壁を開ける調査が必要かは、点検口や図面、非破壊で確認できる情報を踏まえて相談します。

    「換気不足だから」「高気密だから」と一言で片づけず、確認できた原因と未確認の範囲を分けて説明してもらいましょう。除カビと設備修理が別工事になる場合は、担当範囲と順序も決めます。

    一つの変更だけで責任や原因を確定しない

    室内干しを始めた時期にカビが出たとしても、生活の変化だけが原因とは限りません。同時期に冷房が始まった、家具を移動した、雨が続いたなど、ほかの条件が重なる場合があります。調査では、見つかった関係を原因の候補として扱い、確認できた内容と推測を分けます。

    一方、換気口が塞がれていたなど明確な管理上の変更があれば、まず指定された状態へ戻すことを検討します。それで部屋中央の表示が改善しても、一か所だけ濡れが続くなら、その場所を別に調べます。生活側か建築側かを最初から二者択一にしない方が、複数の要因を見落としにくくなります。

    修理の担当には、どの現象を説明できる提案なのかを確認します。窓の結露を減らす工事が、配管の漏水まで解消するものではありません。提案する工事と現在見えている現象を一つずつ対応させることで、期待する効果を具体化できます。

    開口調査の前に、知りたい範囲を決める

    壁を開ける調査を検討するときは、どこを確認するためか、点検口や図面から分かることは何か、復旧はどうするかを相談します。カビ臭があるという理由だけで、全面撤去が必要と結論づけないでください。逆に表面がきれいだから内部確認は絶対に不要とも言えません。

    小さな開口やスコープで見えた結果には範囲の限界があります。その地点に問題がなかったことを壁全体へ広げず、どの範囲まで確認できたかを説明してもらいます。追加調査が必要になる条件も、最初の調査と分けて決めておくと進めやすくなります。

    調査前に自分で壁紙を剥がしたり、防カビ剤を広く吹き付けたりすると、元の状態と処理後の状態を分けて確認する必要が出ます。既に行った手入れがあれば、製品名と範囲を伝え、追加処理の前に担当と進め方を確認します。

    施工会社へ相談するときに用意する資料

    写真・温湿度・設備運転・発生履歴を整理

    相談前に用意したいもの
    ・建築時期と入居時期、発見した日
    ・発生箇所の全景・近接写真と広さの目安
    ・温度・湿度、測定位置、時間帯
    ・換気設備とエアコンの機種、設定、清掃履歴
    ・雨の日や冷房時に変化するかの記録
    ・図面、取扱説明書、過去の修理・除カビ記録

    測定は目的を決めて行います。含水率の測定は建材の湿りを調べる手掛かりで、菌検査は採取した場所・時点の条件を反映します。風量と室内外の圧力差も別の測定です。一つの数値だけで原因、建物全体の状態、健康への影響を確定できるわけではありません。

    見積もりでは、原因調査、除去、修理、乾燥、内装復旧、施工後の確認がそれぞれ含まれるかを確認します。

    図面は完成時と現在の違いも確認する

    建築時の図面があっても、その後に収納、間仕切り、空調設備を変更していれば、現在の状態と異なる場合があります。調査担当には変更した場所を知らせ、図面上の経路と現物が一致しているか確認してもらいます。リフォームで取付けた家具が給排気口を隠していないかも確認対象です。

    説明書には、利用者が清掃できる部分と、設備会社が点検する部分が分かれていることがあります。資料を用意するときは型番が読めるものを選び、似た機種の説明書を流用しないようにします。設定画面の写真も、目標値なのか測定値なのかが分かると状況を伝えやすくなります。

    調査結果を次の工事へつなげる

    報告では「異常なし」という結論だけでなく、何を確認した結果なのかを聞きます。換気の動作確認、建材の水分測定、漏水経路の点検はそれぞれ異なります。調査していない対象を残したまま、家全体に問題がないという意味へ広げないようにします。

    提案された対策は、設備の運用変更、原因箇所の修理、付着したカビの除去、内装の復旧に分けて整理します。どの工程が先か、並行できるか、何を確認して次へ進むかを打ち合わせます。性能の高い住宅を生かすためにも、住宅全体の名称ではなく、実際に湿りが残る場所と機能へ合わせた対応を選びましょう。

    自分で見直せることと調査が必要なサイン

    無理な分解や壁紙の剥がしを避けて確認

    自分でできる範囲は、取扱説明書に沿ったフィルター清掃、給気口周辺の物の移動、濡れた洗濯物の収納を避けること、温湿度の記録などです。カビの付いた物を室内で強く払ったり、原因が分からないまま壁紙を剥がしたりすることは避けます。

    早めに相談したいサイン
    ・拭き取っても同じ場所に繰り返す
    ・壁や天井が濡れている、水染みが広がる
    ・収納内の複数の物にカビが出る
    ・空調を動かすと臭いが強くなる
    ・床下や壁内など、手が届かない場所が疑われる

    広さや見た目だけで処理方法は決まりません。まず施工会社・管理会社に建物や設備の状態を相談し、除去範囲が必要な場合はカビ対策業者と連携して進めます。

    高気密住宅のカビに関するFAQと相談先

    換気、湿度、菌検査、相談先の疑問

    Q. 湿度が高い日は24時間換気を止めた方がよいですか?
    A. 自己判断で停止せず、設備の取扱説明書に沿って運転し、除湿を別途検討します。設定を変えたい場合は施工会社や設備業者へ確認してください。

    Q. 高断熱なら結露は起きませんか?
    A. 断熱性能が高くても、局所的な冷えや水分の条件によって確認が必要です。発生場所と温湿度を記録して相談します。

    Q. 菌検査をすれば原因がすべて分かりますか?
    A. 菌検査だけでは漏水、換気、断熱などの原因を特定できません。必要な建物・設備調査と組み合わせます。

    Q. どこへ相談すればよいですか?
    A. 新築や設備の不具合は施工会社へ、賃貸では管理会社へ連絡します。カビバスターズには、建材のカビ除去や発生環境の調査について相談できます。所在地、写真、発見時期、濡れや臭いの状況をお知らせください。

    高気密住宅のカビについて相談する0120-052-127

    関連記事:24時間換気の確認とカビ対策
    水漏れ・壁内などの原因調査
    室内の湿度が70%になるときの対策

    参考:国土交通省:住宅等における換気等に関する情報提供

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