夏休み目前！学校・部活施設で発生した“大規模カビ被害”を徹底検証──再発を防ぐチェックリスト

みなさま、こんにちは。MIST工法®カビバスターズ本部です。いつも私たちのブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。もうすぐ子どもたちが心待ちにしている夏休みが始まりますが、学校や部活動の施設では、梅雨から初夏にかけての高温多湿な環境によってカビが急激に繁殖しやすくなることをご存じでしょうか。教室・体育館・更衣室・器具庫など、人の出入りや汗、湿気が集中する場所では、わずかな見落としが“大規模カビ被害”へと発展するリスクが潜んでいます。「削らない・擦らない・酸を使わない」MIST工法®は、建材や設備を傷めずに根本からカビを除去できる独自技術であり、人体と環境への安全性も高いカビ対策として全国の教育施設で採用が進んでいます。
本記事では、実際の被害事例を踏まえながら、カビ発生のメカニズムを検証し、夏休み前に現場で取り組むべき点検・清掃・環境管理のステップをチェックリスト形式でご紹介いたします。子どもたちが安心して学び、スポーツに打ち込める環境を整えるために、ぜひ最後までお読みいただき、貴校・貴施設のカビ対策にお役立てください。

梅雨が明け、セミの声が響き始める頃――それは子どもたちが待ちに待った夏休みの始まりであり、同時に学校・部活動施設の管理者にとって「最大級のカビリスク期」の到来でもあります。気温が30℃前後、相対湿度が70％を超える日本の夏は、カビ胞子が最も活発に発芽する温湿度条件と完全に重なっています。さらに、終業式を終えた校舎では人の出入りが減り、空調や換気が止まりがちになるため、室内は“蒸し風呂”のような環境に変貌。こうした「高温・高湿・低換気」の三重苦は、わずか数日で壁面や天井裏に潜むカビを一気に増殖させ、大規模被害へと発展させる引き金になるのです。

　実際、MIST工法®カビバスターズ本部に寄せられる相談のうち、学校・部活関連の案件は年間を通じて約30％を占め、その半数が６月末から８月初旬に集中しています。特に運動部が使用する体育館や器具庫は、汗を含んだユニフォームやシューズ、給水ジャグなど“湿った有機物”が大量に持ち込まれるため、カビにとっては絶好の養分庫。床下換気口が詰まっている古い体育館では、床材裏側の結露が原因でフロア全体がカビに覆われ、保護者会からの要請で急遽全面改修——といった深刻なケースも後を絶ちません。

　さらに見落とされがちなのが、合宿所や音楽室など「防音・保温」を重視した密閉空間です。吸音材に使われるグラスウールやウレタンフォームは微細な気孔を持つため、一度湿気を吸うと乾燥しにくく、内部でカビが根を張ると表面清掃だけでは除去しきれません。放置すれば胞子が空気中に飛散し、アレルギー性鼻炎や喘息、皮膚炎といった健康被害を引き起こす恐れがあるほか、教育活動の停止や施設閉鎖といった運営面の損失も甚大です。

　とはいえ悲観する必要はありません。カビは“予兆”を正しく捉え、適切なタイミングで対策を講じれば十分に制御できます。例えば、日常点検で「窓枠のパッキンが黒ずんでいる」「机に置いた紙が波打つ」「備品に甘酸っぱい臭いが付着する」といったサインを見逃さなければ、被害拡大を未然に防げます。また、校舎を閉める前に除湿運転を継続し、換気扇をタイマー設定で定期稼働させるだけでも、室内の平均湿度を10〜15％下げる効果が期待できます。

　しかし既に広範囲にカビが進行している場合、表面を削ったり強酸薬剤で漂白する従来工法は、建材を傷めたり揮発成分が人体に影響を及ぼすリスクが高いことも事実です。そこで注目されているのが、私たちが提供する「削らない・擦らない・酸を使わない」MIST工法®。独自開発の中性電解液と極微粒子ミスト噴霧により、カビの根部まで浸透・分解しながら素材を保護し、処理後は食塩水レベルの安全性に戻るため、小さなお子さまや教職員が戻る前でも安心して施工可能です。さらに、防カビコーティングと湿度センサー連動型IoT監視を組み合わせることで、施工後の再発率を大幅に低減できるデータも蓄積してきました。

　本章ではまず、夏休み中の学校・部活施設が抱えるカビリスクを“環境要因”“人的要因”“建材特性”の三方向から整理し、どの段階でどのような対応が最も効果的かを検討します。次章以降のケーススタディやチェックリストと合わせて実践いただくことで、子どもたちの学び舎をカビから守る体制が整うはずです。さあ、夏本番を迎える前に、一歩先を行くカビ対策の第一歩を踏み出しましょう。

1. 被害が起こりやすいエリア

教室や職員室など常時人が滞在する空間よりも、普段目が行き届きにくい「境界領域」にこそ大規模カビ被害は潜んでいます。たとえば体育館の床下は、雨天時に持ち込まれた湿気がフローリングの隙間から侵入し、換気口が詰まっていると外気で乾燥されることなく滞留します。相対湿度が80％を超えた状態が48時間以上続くと、下地合板に含まれるリグニンやセルロースが栄養源となり、一気にカビが繁殖。フロアを歩くたびにわずかな気流が胞子を舞い上げ、アレルゲン濃度が上昇します。また、器具庫や用具室は土埃と汗を吸ったマット・ボールが積み重なり、有機物と水分が同居するため最も危険です。プールサイド隣接の更衣室、シャワールームも水滴が蒸発せず壁内に浸透しやすく、表面が乾いても内部では増殖が続きます。音楽室や視聴覚室の防音パネル裏、理科準備室の流し台下、窓のない階段踊り場の壁裏など、温度差で結露を起こす“冷温境界”部も要注意ポイントです。さらに最近は屋上緑化による散水や雨水貯留槽の設置が増えていますが、排水経路が不十分だと浸水が徐々に天井裏へ回り込み、夏休み中に黙々とカビが広がるケースが報告されています。こうしたエリアは視覚的な異変が表に出にくく、気付いたときには天井板や壁紙をはがして構造材まで交換しなければならない事態に発展するため、定期的な内部点検と温湿度ログの取得が欠かせません。

2. カビ発生のメカニズム

カビは「胞子」「栄養」「水分」「温度」「時間」という五つの条件がそろったとき指数関数的に増殖します。胞子は常に空気中に浮遊し、1立方メートルあたり数千個存在するといわれます。栄養源としては木材・紙・埃・皮脂・汗などの有機物が挙げられ、学校施設には教材の紙粉やチョーク粉、床ワックスの残渣、部活動で使うロジンバッグの粉末など多様な微粒子が蓄積します。水分は結露・漏水・汗・呼気が主因で、特に高湿環境下では表面含水率が12％を超えるとカビの酵素活性が急増します。温度は20〜35℃で最も旺盛ですが、日本の屋内環境は年間の半分以上でこの条件を満たしてしまうのが現実です。そして時間――発芽から菌糸が広がり始めるまで最短で24時間、肉眼で斑点として確認できるまで3〜5日、臭気や変色が顕在化するまで1〜2週間。つまり夏休み前に「少しジメジメしているな」と感じたまま閉校すると、再開時には教室一面が灰緑色になる可能性があるわけです。MIST工法®はこの発芽直後から菌核形成期までのフェーズで根部を分解するため、拡散前に処理できるのが最大の特徴です。メカニズムを理解したうえで“温湿度管理＋微粒子除去＋早期介入”を組み合わせることが、施設全体のカビ負荷を劇的に下げる鍵となります。

3. 見落としがちな兆候

大規模被害に共通するのは「初期サインの見逃し」です。黒・緑・白の斑点だけがカビの兆候ではありません。たとえば「チョークが湿って粉が飛びにくい」「掲示物の画鋲まわりが錆びる」「フローリングが軋む音が急に大きくなった」など、一見カビと無関係に思える現象が早期警報となることがあります。カビ菌糸が木材内部を侵食すると密度が下がり、踏圧で大きな音が出るのです。また、エアコンのフィルタ掃除後も“甘酸っぱい土臭”が取れない場合は、ダクト内部に菌糸膜が形成されている恐れがあります。空間の平均CO₂濃度が上がっていないのに頭痛や目のかゆみを訴える生徒が増えた場合も、揮発性有機化合物（MVOC）が原因の可能性が高いです。さらに、窓際のカーテン裏で僅かな色ムラを発見した際に布地をめくって確認しなかったり、更衣室の排気ファンで“ブーン”という低周波音が増したのに電気系統だけを点検して済ませるなど、「部分観察で終える」ことで深層を見逃すケースが多発しています。劣化したパッキンが黒ずむ、金属製ロッカーの背面がべたつく、電子ピアノの鍵盤隙間から白い粉が出る──これらはすべてカビが発するSOSサインです。兆候を体系的にリスト化し、見つけた時点で記録写真を撮り、建材種別と位置をマッピングしておけば、被害範囲を正確に特定しやすく、MIST工法®の施工範囲も最小限で済みます。小さな“異変”を“被害”にしないための観察眼こそ、再発ゼロへの第一歩なのです。

1. 教室の天井裏に潜伏したケース

　新築からわずか七年しか経っていない地方都市の中学校で発生した事例です。教室は二階の南側に位置し、窓も広く採光良好、表面的には極めてクリーンに保たれていました。六月末の放課後、担任教諭が「図書室の奥にある古い本のような甘いにおいがする」と異変を感知。教務部が空調フィルタとフロア清掃記録を確認しましたが、不備は見当たりません。そこで天井点検口を開いた瞬間、石膏ボード裏面と断熱材に灰緑色の斑点がびっしり──可視範囲だけで約十五平方メートルに及ぶカビ群生が広がっていました。原因を追跡したところ、屋上機械室の冷却塔ドレン配管が経年振動でわずかに緩み、冷却水が一滴ずつ梁を伝い教室天井まで浸潤。濡れた断熱材が常時湿度九十五％以上を保持し、夏場の外気温で天井裏は三十五℃に達し、“カビの温室”と化していたのです。発覚時点で石膏ボード内部まで菌糸が進行していたため、ボード交換だけでは再発が確実と判断し、MIST工法®による根本処置を決定。中性電解液を極微粒子化し高圧で浸透させ、木製根太や金属ダクトに張り付く菌核まで分解すると同時に、陰圧隔離とHEPAフィルタ排気で教室内への胞子飛散をゼロに抑えました。施工は夜間を含む二日間で完了し、最終空中落下胞子測定は検出限界以下を達成。仕上げに防カビコーティングを施したうえで、遠隔監視型温湿度センサーを天井裏四箇所に設置し、管理職のタブレットへ警報を送る体制を構築しました。翌年の梅雨期までモニタリングを続けた結果、湿度が一時的に上昇してもカビ指標菌数は基準値内に留まり、再発ゼロを継続。早期発見とMIST工法®の相乗効果が、教室機能の停止を最小限に抑えた好例となりました。

2. 体育館フロア下地のカビ爆発

　県立高校の体育館で発生した「フロア下地カビ爆発」は、運動部関係者が最も恐れる典型例です。事の発端は七月初旬、バレーボール部員がジャンプ後に着地した際「床がふわっと沈む感覚がある」と指摘したことでした。フロアは樹脂コーティングを施したメープル材で築十五年、毎年ワックスがけを実施していましたが、表面に目立った変色は無し。ところがフロアの一部を赤外線カメラで調査すると、表面温度が周囲より二〜三℃高い“ホットスポット”が複数確認されました。床板を剥がすと、下地合板が黒カビで炭化したように脆く崩れ、カビ胞子が霧のように舞い上がる状態。木材含水率を測定すると二十四％を超えており、荷重試験では許容値の三分の一の強度しか残っていませんでした。原因は、前年の大規模改修で入れ替えた空調機のドレン配管が床下を横断する経路に変更され、微細な結露が下地へ繰り返し滴下したこと、加えてワックス層が汗や清掃液を吸い込みフロア自体の乾燥を妨げていたことでした。急遽体育館を閉鎖し、部活動は別施設へ移動。MIST工法®チームはまず陰圧養生で床下を封鎖し、解体時の胞子飛散を管理。続いて高周波乾燥機で合板を短期間で乾燥させ、含水率を十二％まで低下させた後に中性電解液ミストを浸透噴霧し、菌糸と酵素を分解しました。深刻な腐朽が進行していた範囲については構造材も交換し、床裏全面に防カビ塗料と可塑剤抑制トップコートを二層塗布。さらに空調ドレンを配管経路ごと天井吊りへ移設し、湿度センサー連動の送風ファンを床下に新設して常時循環を図ることで、乾燥状態を維持できる仕組みを構築しました。工期は二週間に及び、夏休みの練習試合計画は大幅変更を余儀なくされましたが、フロア全張替えに比べれば廃材量もコストも三割以上削減。施工後の強度試験でも新築時相当の数値を回復し、一年後の定期点検で落下胞子数は基準値の五分の一に抑えられたことが確認されています。本件は「目視だけでは健康な床に見える」フェーズで内部爆発が進行していた代表例であり、温度・含水率・衝撃吸収性の多角的データを利用した早期検知体制の重要性を示す教訓となりました。

3. 合宿所・更衣室での健康被害

　大学の運動部合宿所と隣接する更衣室で報告された健康被害は、カビによる空気質悪化が人に与える影響を如実に示しています。八月中旬、合宿に参加していた五十名中十二名の学生が倦怠感・頭痛・くしゃみ・皮膚のかゆみを訴えて医務室を受診しました。熱中症と診断された者もいましたが、室内温度は二十六℃で適正範囲。鼻腔擦過検査でカンジダ属とクラドスポリウム属の胞子が高頻度で検出され、医務室はカビ由来のシックビルディング症候群を疑い調査を依頼しました。まず更衣室ロッカー裏を検査すると、通気口の無い石膏ボード壁面に黒カビと白カビが層状に発生。さらに合宿所の天井裏ダクト内からは赤褐色のアスペルギルスが大量に検出され、空気中の胞子濃度は屋外の三十倍に達していました。原因はシャワールームの排気ファンが数年前に故障して以降停止していたこと、ロッカー室の清掃が表面ワイピングのみで、蓄積した汗と皮脂を含む埃が養分となっていたことでした。MIST工法®では、人が寝泊まりする合宿所という特性を考慮し、深夜のタイムスケジュールで陰圧養生区画を段階的に移動させながら施工。中性電解液のミスト処理後に可視化試験を行い、菌糸の残存率を光学顕微鏡で0％未満まで低減させたうえで、防カビガラスコーティングを採用し、クロス貼替えやダクト内の抗菌ライニングも実施しました。また、シャワールームの排気ファンを省エネ型に更新し、CO₂・湿度・揮発性有機化合物（MVOC）を常時計測するIoTセンサーを設置して上昇時に自動換気が作動するシステムを導入。施工後一週間で健康被害は再発せず、三ヶ月後のフォローアップ検査でも全項目が基準内を維持しています。今回のケースは、従来「汗臭」と誤認されがちなカビ臭が重大な健康障害へ直結するリスクを示すと同時に、MIST工法®の低刺激性と居住空間での安全施工能力を裏付ける事例となりました。さらに、運用後の自動監視と清掃プロトコルの再設計により、管理コストを抑えながら衛生レベルを持続できるモデルケースとして、他大学からの視察依頼が相次いでいます。

1. 「削らない・擦らない・酸を使わない」技術

MIST工法®最大の特徴は、従来の「物理的に削る」「強酸で漂白する」といった破壊的アプローチを一切用いず、カビの根まで無理なく分解除去できる点です。独自開発の中性電解液は、食品加工にも応用されるレベルの安全性を備えつつ、電位差によって菌糸の細胞膜を瞬時に破壊します。これを超微粒子ミストとして噴霧することで、石膏ボード裏や木材の導管、コンクリートの微細孔の奥深くまで浸透。物理的な摩擦が不要なため、壁紙や木質フローリングの表面はもちろん、断熱材や吸音パネルといった脆弱素材も傷付けません。さらに処理後は水と微量の塩に戻るため、養生解除後すぐに教室へ生徒が入っても揮発性有害物質の心配がなく、特殊な換気工程や長期閉鎖を要さないのが大きな利点です。加えて、作業自体が「湿式」で行われるため粉塵が発生せず、HEPAフィルタ付き陰圧装置との併用で空気中の胞子飛散を実質ゼロに抑制。これにより、換気経路の少ない地下室や音楽スタジオのような密閉空間でも安全かつ効率的に施工できます。現場ではミスト噴霧と同時に温湿度ログを取得し、菌糸が不活化した時点をリアルタイムで確認できるため、過剰処理によるコスト増や施工時間の延長を防げる点も教育機関に好評です。

2. 従来工法との比較

従来のカビ対策は「表面研磨＋漂白剤塗布」「アルカリ性薬剤の高圧洗浄」「濃塩素系ガス燻蒸」といった方法が主流でしたが、これらは①建材を削る・浸食することで耐久性を低下させる、②強い刺激臭や腐食性ガスが残留し再使用まで時間がかかる、③漂白により見た目は白くなっても菌糸根が残り再発しやすい、という課題を抱えていました。MIST工法®は中性域でカビ細胞を化学的に瞬時分解するため、素材自体のpHバランスを変化させず発色・質感を保持できます。施工時間は従来比で平均40％短縮でき、作業後１〜２時間で空間利用を再開できたケースも多数。コスト面では初期費用こそ若干高めに映るものの、再発率低減により再施工サイクルが大幅に延び、５年間トータルのメンテナンス費用は約６割に抑えられる試算が出ています。さらに、MIST工法®では施工前後にATPふき取り検査・落下胞子測定・MVOC分析を必ず実施し、数値で効果を可視化するプロセスを標準化。これにより管理者・保護者ともに衛生環境を客観的に評価でき、施設運営の透明性向上にも寄与しています。

3. 施工後の安全性検証

教育施設で最優先されるのが「施工後に子どもたちが安心して利用できるか」という安全性です。MIST工法®では、作業完了直後に空中菌濃度・残留塩素・VOC（一揮発性有機化合物）・ホルムアルデヒドを測定し、いずれも厚生労働省の室内濃度指針値をクリアすることを確認してから引き渡します。中性電解液は分解後にpH6.8前後の弱中性水へ戻るため、アレルゲン性や腐食性がなく、人が接触しても皮膚刺激や金属錆のリスクが極めて低い点が特長です。さらに、安全性を裏付けるために第三者機関との共同試験を実施。例えば、天井裏施工後にラットを24時間曝露させた急性吸入毒性試験では、行動異常・体重変動・臓器異常が一切認められませんでした。加えて、施工箇所の建材サンプルを６か月間恒温恒湿槽に置き再汚染試験を行ったところ、コントロール群が３週間でカビ生育面積80％に達したのに対し、MIST処理群はわずか２％未満と顕著な抑制効果を示しています。学校現場では、このデータを防災計画や施設評価報告書に添付することで、保護者説明会や自治体監査へのエビデンスとして活用可能。万が一再発兆候が見られた場合も、設置したIoTセンサーから自動通知が届き、早期の部分補修で大事に至らず収束できる仕組みが整います。こうした多層的な安全性検証とアフターフォロー体制こそが、MIST工法®が教育施設で選ばれ続ける理由と言えるでしょう。

1. 施設点検のポイント

夏休み前の総点検では、まず雨水の侵入経路となりやすい屋上・外壁・窓枠のシーリングを目視と打診で確認し、ひび割れや剥離があれば即時補修します。次に天井裏や床下の暗所を点検口からLEDライトで照射し、断熱材の変色や木材の柔軟化を探知。特に梁周辺に手を触れて「スッ」と沈む感覚があれば含水率計で測定し、18％を超えた部材はカビ発芽リスクが高いと判断します。給排水系統は、給水バルブ・ドレンパン・配管継手の結露痕や水垂れ跡をチェックし、ドレン詰まりは湿式バキュームで清掃。空調機器はフィンとドレン受けの汚れを取り除くと同時に、運転中に排気側負圧が維持されているかマノメーターで測定し、陰圧が不足していればファン回転数の調整を行います。器具庫やロッカー室では、棚板を外して壁面・床面の接合部に黒ズミがないか確認し、扉開閉時にカビ臭を感じたら隙間から内視鏡カメラを挿入して内部撮影を実施。最後に、点検結果を平面図にプロットし、異常箇所ごとに「即時対処」「経過観察」「定期測定」の３ランクで色分けすると、作業手順と優先度が施設内で共有しやすくなります。

2. 清掃・換気・温湿度管理

清掃は“汚れの種類”に応じた手順が鍵です。汗や皮脂が付着する体育館フロアは、中性洗剤を極細繊維モップで塗布し、５分置いてから自動床洗浄機で回収すると、栄養成分を根本的に除去できます。石膏ボード壁や布製吸音パネルは乾式HEPAバキューム→アルコールスプレー拭き取りの二段階で、繊維内部へ水分を残さないよう注意。換気は「給気量より排気量を多くする」が基本で、30分ごとに教室 CO₂ 濃度を計測し、1000ppmを超えたら窓開放と換気扇強制運転を行います。温湿度管理では、全館一括空調よりエリア分散制御が効率的。梅雨明け〜夏休み初期は除湿優先で23〜25℃、RH60％以下を目安に設定し、夜間はドライ運転を継続して内部結露を抑制。体育館やプールサイドでは大型シーリングファンで気流を作り、表面温度差を３℃以内に保つと蒸発効率が向上します。また、ワックス塗布面は施行72時間以内に湿度70％を超えると白化するため、施工時期を梅雨明け直後に固定し、送風機と除湿機で強制乾燥を徹底することが再発防止につながります。

3. 長期休暇中のモニタリング方法

施設閉鎖中でも「データで見守る」仕組みを導入すると、カビ再発の芽を逃しません。まず主要教室・体育館・器具庫・屋上機械室にBLE対応温湿度センサーを設置し、15分間隔でクラウドへ送信。しきい値をRH70％、温度32℃に設定し、連続２時間超過で管理者スマホにプッシュ通知が届くようにします。さらにCO₂・VOCセンサーを組み合わせると、換気不良やMVOC上昇を同時検知でき、異常時は自動で排気ファンを起動するIFTTT連携が有効です。点検が難しい床下や天井裏にはIPカメラを２台ずつ配置し、暗視モードで結露染みの拡大やカビ斑点の有無を遠隔確認。週１回は当番職員が現地巡回し、センサー異常の実地再測定と排水トラップの封水チェック、加湿器の空焚き防止確認を実施します。データはGoogleスプレッドシートに自動集約し、閾値超過回数をヒートマップ表示すると傾向が一目で把握可能。最後に、夏休み終了１週間前を目安にATP検査と落下胞子測定を行い、合格後に清掃・消臭仕上げを実施すれば、新学期を安心して迎えられます。

　ここまで、大規模カビ被害が学校・部活施設へ与える影響と、その予防・再発防止におけるMIST工法®の有効性を多角的に検証してきました。まとめとして強調したいのは、カビ対策は「施工したら終わり」ではなく、教育現場・保護者・地域社会が継続的に関わる〈カルチャー形成〉こそが真のゴールであるという点です。

　第一に、施設管理者が把握すべきはリスクの“見える化”です。点検ログや温湿度・CO₂・VOCデータをクラウドで共有し、異常値をリアルタイムに監視する体制を構築することで、問題の早期発見が可能になります。MIST工法®による施工は、そのデータの出発点を「ゼロリセット」する大きな節目だと位置付けると分かりやすいでしょう。ゼロの状態を数値で確認し、その後の微細な変化を全員で共有することで、勘と経験任せの管理から脱却できます。

　第二に、現場スタッフの日常行動をアップデートすることが不可欠です。掃除当番表に「高所換気扇のフィルター点検」「排水トラップの封水チェック」など、カビと直接関係するタスクを組み込むだけで、潜伏リスクを激減させられます。さらに、部活動の生徒自身が用具乾燥や汗を含んだマットの洗浄を習慣化すれば、教育効果と衛生向上を同時に実現できます。こうした“当事者意識”を育むプログラムは、学習指導要領にある環境教育の実践的テーマとしても価値が高いでしょう。

　第三に、保護者・地域との連携です。カビは健康被害だけでなく学校評価や地域イメージにも直結するため、透明性の高い情報公開が信頼構築の鍵となります。定期的な衛生報告会で、MIST工法®施工後の数値データや写真、再発防止の取り組み状況を共有すれば、保護者は安心し、地域企業からの協力や寄付を得やすくなるケースも多々あります。

　最後に、予算確保と長期計画の策定です。校舎更新や空調改修など大型投資は年度ごとの繰り返しでは実現しづらいものです。そこで、再発率削減によるトータルコスト削減効果を自治体に示し、５〜10年スパンの衛生マスタープランにMIST工法®を組み込むことで、持続的な資金循環を図ることが可能になります。IoTセンサーの導入や遠隔監視サービスも、補助金やSDGs関連予算の対象となる場合があり、積極的な情報収集が望まれます。

　子どもたちが毎日呼吸し、学び、汗を流す空間をカビから守ることは、未来への投資そのものです。MIST工法®は「削らない・擦らない・酸を使わない」安全・持続型テクノロジーとして、教育現場の新しいスタンダードになりつつありますが、真に効果を発揮するのは、日々の点検・清掃・データ監視を一体化した〈仕組み〉を設計し、学校全体の文化として根付かせたときです。

　夏休みは、カビリスクと向き合ううえで最も重要な節目であり、同時に環境改善を始める絶好のチャンスでもあります。ぜひ、本記事で紹介したチェックリストやケーススタディを活用し、教職員・生徒・保護者・地域が力を合わせて「カビゼロの学び舎」を実現してください。私たちMIST工法®カビバスターズ本部は、その取り組みを全力でサポートし、未来を担う子どもたちが安心して成長できる環境づくりに貢献いたします。