馬具のカビ対策|厩舎・馬具庫の原因調査
2026/08/19
乗馬クラブや厩舎でカビの問題が起きたとき、最初に目につきやすいのが、鞍や頭絡、革製ブーツなどの馬具です。
しかし、革の表面に現れたカビだけを拭き取っても、馬具庫や厩舎の湿気が残ったままなら、再び同じ問題が起こる可能性があります。
文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」では、カビは生育できる環境が整えば、書籍や文化財、それを収蔵する建築物にも発生するとされています。つまり、カビは単に「掃除が足りなかったから発生する」と考えるのではなく、湿気、水分、空気の流れ、建物内部の状態まで含めて考える必要があります。
乗馬クラブ・厩舎は、施設そのものが湿気を抱えやすい環境です。
さらに、馬具庫には革などの有機物が保管されています。添付の施設別カビリスク構造マップでも、乗馬クラブ・厩舎では「馬具庫の革製品、屋内馬場」が重点的に確認したい場所として整理されています。検索意図も「馬具 カビ」「厩舎 カビ」が中心です。
そのため重要なのは、カビが見えている革製品だけを見ることではありません。
「なぜ、この馬具庫で発生したのか」
「どこから水分が供給されているのか」
「壁の内部まで湿っていないか」
「換気設備は本当に空気を動かせているのか」
こうした原因を一つずつ確認することが大切です。
MIST工法®カビバスターズでは、カビの状態だけでなく、一般社団法人微生物対策協会との連携による真菌(カビ菌)検査、建材の含水率検査、ファイバースコープを用いた壁内部の確認、風量計を用いた空気の流れや負圧の確認などから、発生条件を整理していきます。
大切な馬具を守ることはもちろん、乗馬クラブや厩舎そのものを長く維持するためにも、「カビを取る」だけではなく「カビが発生した理由を調べる」という視点を持つことが重要です。
目次
馬具・厩舎のカビは「革を拭く」だけでは解決しない
鞍や頭絡に見えるカビは「結果」の一つ。馬具庫・屋内馬場・厩舎に湿気が残る原因まで調べることが再発対策の第一歩です。
乗馬クラブや厩舎で、鞍や頭絡、革製ブーツなどにカビを見つけると、まず革製品そのものをきれいにしたくなるでしょう。
しかし、馬具に見えているカビだけを処理しても、保管環境にカビが発生する条件が残っていれば、再び発生する可能性があります。
乗馬クラブ・厩舎のカビ対策で最初に考えたいのは、
「どうやって馬具のカビを取るか」ではなく、「なぜこの馬具庫でカビが発生したのか」
という視点です。
文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」では、カビは生育できる環境が整えば、書籍や文化財だけでなく、それらを収蔵する建築物にも発生するとされています。つまり、カビは単純な汚れではなく、発生できる環境が建物や保管場所にできていることを示すサインとして考える必要があります。
馬具庫は「大切な革製品を保管する場所」であると同時にカビを確認したい場所
MIST工法®カビバスターズ本部の施設別カビリスク構造マップでは、乗馬クラブ・厩舎について、特に確認したい場所として**「馬具庫の革製品」と「屋内馬場」**が挙げられています。
革、木、紙などの有機物は、カビが生育する際の栄養源になり得ます。
そのため、革製の鞍や頭絡などを多く保管する馬具庫では、カビを「革製品だけの問題」と切り離して考えるべきではありません。
使用した馬具に水分が残っている。
馬具庫の壁際に湿気がたまっている。
棚の奥まで空気が動いていない。
屋内馬場や厩舎側から湿った空気が流れ込んでいる。
壁の内部に水分が残っている。
こうした複数の条件が重なっている可能性があります。
そのため、革表面をきれいにして見た目が戻ったとしても、馬具庫そのものの湿気や空気の流れが変わっていなければ、本当の原因改善にはなっていません。
カビは「掃除不足」だけで発生するわけではない
馬具にカビが出ると、
「手入れが悪かったのではないか」
「もっと頻繁に掃除すればよかったのではないか」
と考えてしまうことがあります。
しかし、カビの発生は手入れだけで判断できる問題ではありません。
東京文化財研究所『保存科学』第54号では、カビには湿度によって生育しやすくなる種類があり、相対湿度90%以上を好むものだけでなく、80%台で発生するものも示されています。一方、温湿度管理された湿度60%前後またはそれ以下の屋内では、一般にカビの発生は想定されないとされています。
つまり重要なのは、カビが発生した場所に水分や湿気がどのように供給されているかです。
室内全体の湿度が問題なく見えても、棚の奥や壁際だけが湿っていることがあります。
換気扇が動いていても、馬具を置いている場所まで十分に空気が流れているとは限りません。
ここが、乗馬クラブや厩舎のカビ問題を考えるうえで重要なポイントです。
馬具にカビが出たら「馬具庫からの警告」と考える
たとえば、雨漏りしている天井の床に置いたバケツだけを毎回空にしても、雨漏りそのものは直りません。
馬具のカビも同じです。
表面に現れたカビだけを何度処理しても、その背景にある湿気の原因を改善しなければ、同じ場所で問題が繰り返される可能性があります。
そこで確認したいのが、
馬具庫内の湿気の状態
壁や床など建材に残っている水分
馬具棚周辺の空気の流れ
厩舎や屋内馬場からの湿った空気の移動
壁内部の状態
換気設備が実際に機能しているか
といったポイントです。
見た目だけでは分からないから「調査」が必要
MIST工法®では、カビの原因を確認するため、必要に応じて一般社団法人微生物対策協会と連携した真菌(カビ菌)検査を行います。
さらに、建材がどこで水分を抱えているのかを確認する含水率検査、ファイバースコープによる壁内部の確認、風量計による空気の流れや負圧の確認などを組み合わせ、発生条件を整理していきます。
目に見えるカビの位置と、実際に湿っている場所が同じとは限りません。
だからこそ、
「カビがある場所を探す調査」ではなく、「なぜその場所でカビが発生したのかを探す調査」
が重要になります。
特に、何度手入れしても同じ馬具にカビが戻る、複数の革製品へ広がる、馬具庫にカビ臭が残るといった場合は、保管物だけではなく建物側まで確認することをおすすめします。
大切な鞍や馬具を守るためにも、カビを見つけた段階で表面だけに目を向けないことが重要です。
馬具のカビは「革製品の問題」であると同時に、「馬具庫の環境を見直してください」という建物側からのサインでもあります。
原因が分からない、繰り返している、馬具庫や厩舎まで広がっている場合は、MIST工法®カビバスターズへご相談ください。
日本全国のカビトラブルに対応し、カビが発生した原因を追究したうえで、再発リスクを下げるための原因改善を一緒に考えていきます。
なぜ乗馬クラブの馬具庫や屋内馬場にカビが発生する?
厩舎は湿気を抱えやすく、馬具庫には革製品が集まります。カビを繰り返さないためには「湿気が入る・たまる・抜けない」の流れを確認することが重要です。
乗馬クラブの馬具庫や屋内馬場でカビが発生する理由は、単に「厩舎だから湿気が多い」という一言では説明できません。
重要なのは、湿気がどこから入り、どこにたまり、なぜ抜けないのかを考えることです。
施設別カビリスク構造マップでは、厩舎は「常時高湿型」の施設として整理されています。また、乗馬クラブ・厩舎では、特に「馬具庫の革製品」と「屋内馬場」が注意したい場所として挙げられています。
馬具だけを手入れしても、周囲の環境が変わらなければ再びカビが発生する可能性があります。
乗馬クラブのカビ対策では、馬具・馬具庫・屋内馬場・厩舎・建物を一つの環境として見ることが大切です。
厩舎は「常時高湿型」として考える
厩舎では、人や馬が出入りするだけでなく、屋外と屋内がつながる場面も多くあります。
そのため、一般的な居室とは異なる視点で湿気を確認する必要があります。
カビの発生を考えるうえで重要なのが、相対湿度です。
東京文化財研究所『保存科学』第54号では、カビが発生する環境について、相対湿度97%以上、90%以上、80%台などの型が示されています。
一方、温湿度管理された屋内で、湿度60%前後またはそれ以下の環境では、一般にカビの発生は想定されないとされています。
ここで注意したいのは、馬具庫全体の湿度だけを見ればよいわけではないという点です。
部屋の中央では問題がなくても、
馬具棚の奥
壁と棚の間
床に近い場所
革製品同士が接する部分
空気が動きにくい収納部
などでは、周囲とは異なる湿気の状態になっている可能性があります。
「部屋の湿度を測ったから大丈夫」と判断するのではなく、カビが発生している場所を中心に確認することが重要です。
使用した馬具から馬具庫へ水分を持ち込む可能性を考える
馬具庫のカビ対策では、保管する物の状態も確認します。
使用した鞍や頭絡などの革製品に水分が残った状態で収納すれば、その水分も馬具庫へ持ち込まれることになります。
そこで問題になるのが、「水分を持ち込むこと」と「乾燥しにくいこと」が重なる状態です。
馬具庫には複数の馬具が保管されます。
収納物が多くなれば、馬具同士や棚との間に空気が通りにくい部分もできます。
表面が乾いているように見えても、裏側や接触部分まで同じ状態とは限りません。
特に革は、施設別カビリスク構造マップでも、カビの栄養源になり得る有機物として整理されています。
そのため、
「使用する」→「水分を持ち込む」→「収納する」→「空気が動かない」
という流れができていないかを確認する必要があります。
馬具庫のカビは「空気が動かない場所」に注目する
換気設備が設置されていても、それだけでカビ対策ができているとは限りません。
重要なのは、必要な場所まで実際に空気が動いているかです。
たとえば、換気口から離れた棚の奥に大量の馬具が収納されていれば、その周辺では空気が動きにくくなる可能性があります。
大型の棚や収納設備によって、空気の通り道が変わることも考えられます。
そこでMIST工法®カビバスターズでは、必要に応じて風量計を使い、空気の流れや負圧の状態を確認します。
「換気扇が回っているか」だけを見るのではありません。
湿った空気がどこから入り、どちらへ流れ、どこで滞留しているのか。
この流れを整理することが、原因を考える手掛かりになります。
屋内馬場も馬具庫と切り離して考えない
乗馬クラブでは、馬具庫だけにカビが見つかるとは限りません。
施設別カビリスク構造マップでは、乗馬クラブ・厩舎の確認箇所として、馬具庫の革製品とともに屋内馬場が挙げられています。
そのため馬具庫にカビが発生した場合は、
「馬具庫だけの問題なのか」
「屋内馬場や厩舎を含めた施設全体の湿気が関係しているのか」
を切り分けて考える必要があります。
特に隣接する空間では、扉や開口部などを通じて空気が移動します。
そのため、馬具庫だけを局所的に対策するよりも、周辺空間を含めて湿気と空気の流れを確認することが重要です。
「エアコンを使っているから安心」とは限らない
空調設備が稼働している施設でも、局所的な結露には注意が必要です。
東京文化財研究所『保存科学』第50号では、空調機の吹出口付近に置かれたスチール棚が周囲より冷やされることで、棚や収納物の表面に結露が生じ、カビなどの発生が懸念されるケースが示されています。
つまり、
空調していること自体が、すべての場所で適切な湿度環境を保証するわけではありません。
冷たい空気が直接当たる場所。
空気が動かない棚の裏側。
壁際に密着した収納。
こうした局所的な環境も確認する必要があります。
馬具庫に空調設備がある場合でも、カビが発生しているなら、「空調の有無」ではなくその場所で何が起きているのかを調べることが重要です。
壁や床に水分が残っていないかも確認する
もう一つ見落としたくないのが、建材そのものの水分です。
壁や床の表面だけを見ても、内部の状態までは判断できません。
そこでMIST工法®では、必要に応じて建材の含水率検査を行います。
カビが発生している場所と、建材が水分を抱えている場所を照らし合わせることで、原因を探る材料になります。
さらに壁内部の状態が疑われる場合は、ファイバースコープを用いて確認します。
重要なのは、
「見えるカビがある場所=原因がある場所」と決めつけないことです。
湿気の原因が別の場所にあり、そこから水分や湿った空気が移動している可能性も考えながら調査します。
馬具庫のカビ対策は「湿気の入口・滞留・出口」を調べる
乗馬クラブや厩舎でカビを繰り返さないためには、表面処理だけではなく、発生条件を整理する必要があります。
確認したいポイントは大きく3つです。
1つ目は「湿気の入口」。
馬具や屋外から水分が持ち込まれていないかを確認します。
2つ目は「湿気の滞留」。
馬具棚の奥、壁際、床付近などに湿った空気が残っていないかを確認します。
3つ目は「湿気の出口」。
換気設備によって必要な場所の空気が実際に動いているかを確認します。
馬具のカビは、目に見える「結果」です。
その奥にある湿気の入口・滞留・出口まで調べることで、初めて原因改善の方向性が見えてきます。
何度手入れしても馬具にカビが戻る場合や、馬具庫だけでなく屋内馬場や厩舎にもカビが見られる場合は、次に必要なのは「もっと強く掃除すること」ではありません。
カビが発生した原因を見える化することです。
次章では、MIST工法®カビバスターズが重視する真菌(カビ菌)検査・建材の含水率検査・ファイバースコープによる壁内調査・風量計による空気の流れや負圧確認について、乗馬クラブ・厩舎のカビ対策という視点から詳しく解説します。
馬具のカビを繰り返すなら建物まで調べる
真菌検査・含水率検査・壁内調査・風量や負圧の確認を組み合わせ、馬具庫にカビが発生する条件を見える化することが重要です。
馬具を手入れしてもカビが戻る。
馬具庫にカビ臭が残る。
壁や天井にも黒ずみが見える。
こうした状態では、革製品だけを調べても原因が分からないことがあります。
重要なのは、カビそのものと、カビが発生できる建物環境の両方を確認することです。
文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」では、生育できる環境が整えば、カビは収蔵物だけでなく、それを収蔵する建築物にも発生するとされています。
つまり、馬具にカビが見つかった場合でも、
「革に何が付着しているのか」
だけではなく、
「なぜ馬具庫にカビが生育できる環境ができたのか」
という二つの方向から調べる必要があります。
MIST工法®カビバスターズでは、必要に応じて複数の調査を組み合わせ、発生原因を整理していきます。
真菌(カビ菌)検査で目に見えない状態を確認する
カビの問題では、見た目だけで判断できないことがあります。
壁に黒ずみがあるからといって、それだけで施設全体の状態までは分かりません。
反対に、目立ったカビが見えなくても、カビ臭などが気になるケースもあります。
そこで選択肢になるのが真菌(カビ菌)検査です。
MIST工法®では、一般社団法人微生物対策協会との連携により、必要に応じて真菌検査を行います。
真菌検査は、
「見えている部分だけの問題なのか」
「周囲の環境まで確認した方がよいのか」
を考えるための材料になります。
特に、
複数の馬具にカビが出ている
馬具庫全体にカビ臭を感じる
カビを処理しても再び発生する
発生場所が徐々に増えている
見た目だけでは範囲が分からない
といった場合は、真菌検査を含めた調査を検討することをおすすめします。
大切なのは、カビの存在だけを確認することではありません。
検査結果と建物側の調査を組み合わせて、発生環境を整理することです。
建材の含水率から「湿っている場所」を探す
カビ対策で欠かせないのが、水分の確認です。
壁や床を触って乾いているように感じても、建材内部まで乾燥しているとは限りません。
そこでMIST工法®では、必要に応じて建材の含水率検査を行います。
含水率とは、建材がどの程度水分を抱えているのかを確認するための指標です。
乗馬クラブの馬具庫であれば、
馬具を保管している壁際。
床付近。
カビが繰り返している場所。
周囲より状態が違って見える建材。
こうした部分を確認していきます。
ここで重要なのは、カビが見える場所だけを測らないことです。
たとえば、壁の下側にカビが見えていても、水分の供給源がその真上や壁の裏側にある可能性も考えられます。
カビの位置と含水率の状態を照らし合わせることで、原因を考える手掛かりが増えます。
ファイバースコープで壁の中を確認する
馬具庫の壁表面を確認しても、原因がはっきりしないことがあります。
その場合に考えたいのが、壁内部の状態です。
MIST工法®では、必要に応じてファイバースコープを使い、壁の中を確認します。
壁の表面はきれいでも、内部で異変が起きている可能性を外観だけで判断することはできません。
特に、
同じ壁面で何度もカビが発生する
壁際の馬具だけカビやすい
カビ臭があるのに発生源が見つからない
含水率を確認すると一部に水分が見られる
といった場合は、壁内部まで確認する意味があります。
表面だけを見て「問題なし」と判断してしまえば、原因改善につながらない可能性があります。
カビが繰り返す場合ほど、見えない場所を疑う視点が重要です。
風量計で「空気が本当に動いているか」を確認する
乗馬クラブの馬具庫では、換気設備が設置されていることもあります。
しかし、
「換気扇が回っている」ことと「馬具庫全体が適切に換気されている」ことは同じではありません。
馬具棚や収納物によって、空気が流れにくい場所ができる可能性があります。
また、馬具庫と厩舎、屋内馬場などの空気の流れが影響していることも考えられます。
そこでMIST工法®では、必要に応じて風量計を用いて確認します。
設備が動いているかだけを見るのではありません。
実際にどの方向へ空気が動いているのか。
必要な場所で空気が動いているのか。
空気が滞留する場所がないか。
こうした状態を確認します。
目には見えない「空気の流れ」を数値や測定結果から把握することで、原因改善を検討しやすくなります。
負圧を確認すると「湿気がどこから入るか」が見えてくる
空気は、建物内の圧力差によって移動します。
そこで確認したいのが負圧です。
負圧とは、周囲より室内側の気圧が低くなり、外側や隣接する空間から空気を引き込みやすい状態をいいます。
馬具庫が周辺空間に対して負圧になっていれば、隣接する厩舎や屋内馬場などから空気が流れ込む可能性があります。
ここで重要なのは、
「馬具庫に湿気がある」
という結果だけを見るのではなく、
「その湿気を含んだ空気がどこから来たのか」
まで確認することです。
馬具庫内部だけを対策しても、外部から湿った空気が継続的に流入していれば、根本的な改善にはつながりません。
そのため、風量や負圧の確認は、馬具庫を建物全体の空気の流れの中で考えるために重要です。
4つの調査は単独ではなく「つなげて考える」
カビの原因調査では、一つの検査だけですべてを判断するのではありません。
たとえば、
真菌検査でカビ環境を確認する。
含水率検査で建材の水分状態を見る。
ファイバースコープで壁内部を確認する。
風量計や負圧確認で空気の移動を調べる。
それぞれの結果をつなげて考えます。
真菌検査で状態を確認できても、
「なぜそこにカビが発生したのか」
という水分の原因までは別途確認する必要があります。
一方、建材が湿っていることが分かっても、
「施設内のどこまでカビの問題が広がっているのか」
については別の確認が必要になる場合があります。
だからこそ、カビ・水分・壁内部・空気の流れを一つのストーリーとして考えることが重要です。
「カビを見つける調査」から「原因を見つける調査」へ
乗馬クラブや厩舎のカビ問題では、
「どこにカビがあるのか」
という確認だけでは不十分なことがあります。
本当に知りたいのは、
「なぜその場所でカビが繰り返しているのか」
という原因です。
施設別カビリスク構造マップでも、乗馬クラブ・厩舎は、馬具庫の革製品や屋内馬場が重点的な確認場所として整理されています。
馬具庫にカビが出た場合は、革製品だけではなく、
馬具庫の壁。
床。
収納棚。
屋内馬場との境界。
厩舎からの空気の流れ。
換気設備。
壁内部。
こうした周辺環境まで視野を広げてください。
カビが発生した原因を追究し、その原因に応じた改善を行うことで、再発リスクを下げられます。
次章では、大切な革製馬具と乗馬クラブの施設を守るために、どのような原因改善を考えるべきかを詳しく解説します。
馬具と施設を守るために改善したいカビの原因
馬具だけをきれいにするのではなく、湿気の持ち込み・滞留・換気・建材の水分まで見直すことで、馬具庫や厩舎のカビ再発リスクを下げます。
乗馬クラブや厩舎でカビ対策を考えるとき、重要なのは「カビを取った後」です。
馬具の表面がきれいになっても、馬具庫に同じ湿気環境が残っていれば、再びカビが発生する可能性があります。
そのため、原因調査で確認した内容をもとに、カビが生育しやすい条件そのものを見直すことが大切です。
文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」でも、カビは生育条件が整えば、収蔵物だけでなく建築物にも発生するとされています。
つまり、カビ対策は「見えている部分をきれいにする作業」だけではありません。
湿気が入る原因、たまる場所、抜けない理由を改善することまで考えて、初めて再発リスクを下げる方向へ進めます。
まず「馬具にカビが出た理由」を整理する
馬具にカビが出た場合、すぐに一つの原因へ決めつけないことが重要です。
たとえば、
使用後の馬具から水分が持ち込まれた
馬具庫の棚奥で空気が動いていない
壁や床の建材が水分を抱えている
屋内馬場や厩舎側から湿った空気が入っている
換気設備が十分に機能していない
空調によって一部だけ結露しやすくなっている
など、複数の条件が重なっている可能性があります。
施設別カビリスク構造マップでは、乗馬クラブ・厩舎について「馬具庫の革製品」と「屋内馬場」が重点的な確認場所として整理されています。
そのため、馬具そのものだけを見るのではなく、馬具が置かれている場所と、その周辺環境まで含めて原因を整理することが必要です。
使用後の馬具から持ち込まれる水分を減らす
革製の鞍や頭絡などは、使用する場所と保管する場所が異なります。
ここで考えたいのが、使用後の馬具が馬具庫へ持ち込む水分です。
表面だけが乾いているように見えても、革製品同士が重なっている部分や、裏側まで同じ状態とは限りません。
湿気を含んだ状態で収納し、その周囲の空気まで動きにくければ、カビが生育できる条件が整いやすくなります。
そのため、馬具庫の運用では、
「使った後に収納する」だけではなく、「保管環境へ余分な水分を持ち込まない」
という考え方が大切です。
ただし、馬具そのものの適切な手入れ方法は、革の種類や製品メーカーによって異なります。
革製品の具体的な手入れ方法については、製品メーカーなどの指示を確認してください。
馬具棚は「収納量」より空気の通り道を見る
馬具庫では、限られた空間に多くの鞍や頭絡を保管することがあります。
しかし、収納物が増えるほど、空気が通りにくい部分も生まれやすくなります。
確認したいのは、
馬具と壁が密着していないか
馬具同士が過度に重なっていないか
棚の奥が塞がれていないか
床付近まで空気が動いているか
換気口の前を物で塞いでいないか
といった点です。
換気設備が稼働していても、馬具棚の裏側まで同じように空気が動くとは限りません。
そのため、収納設備の配置も含めて確認します。
「物を置ける空間」と「空気が通れる空間」は別物です。
馬具の保管数だけでなく、空気の通り道を確保するという視点が重要です。
換気設備は「動いているか」ではなく「空気が動いているか」
馬具庫に換気扇があると、「換気できている」と考えやすくなります。
しかし、原因調査で重要なのは設備の有無ではありません。
実際の空気の流れです。
MIST工法®では、必要に応じて風量計を使い、空気の流れや負圧を確認します。
たとえば、換気設備が作動していても、空気を排出する量と取り入れる経路のバランスによって、想定とは異なる場所から空気を引き込む可能性があります。
馬具庫が隣接空間に対して負圧になっていれば、屋内馬場や厩舎側から空気が流れ込むことも考えます。
そのため、
「もっと換気を強くすればよい」と単純に判断することはできません。
どこから空気が入り、どこを通り、どこから出ているのか。
建物全体の空気の流れを確認したうえで改善方法を考える必要があります。
壁や床が湿っているなら建物側の原因を考える
馬具庫のカビ対策で見落としたくないのが、建材側の水分です。
馬具を十分に管理していても、壁や床そのものが水分を抱えている状態なら、カビの発生条件が残る可能性があります。
そこで役立つのが建材の含水率検査です。
含水率を確認すると、
「どの部分に水分があるのか」
を整理する材料になります。
特定の壁だけ水分状態が異なる。
床際だけ湿っている。
カビが繰り返す部分と含水率の高い場所が重なる。
こうした状態が確認された場合は、馬具の管理だけではなく、建物側に原因がないかを調べる必要があります。
原因が壁内部にあると疑われる場合は、ファイバースコープによる確認も検討します。
見えている馬具のカビと、見えていない建材の水分をつなげて考えることが重要です。
空調がある馬具庫でも局所的な結露に注意する
空調設備があるからといって、すべての場所が同じ環境になるとは限りません。
東京文化財研究所『保存科学』第50号では、空調吹出口付近のスチール棚が周囲より冷やされることで、棚や収納物の表面に結露が生じ、カビなどの発生が懸念される例が示されています。
これは馬具庫を考える際にも重要な視点です。
空調の冷気が棚や収納物へ直接当たる。
その部分だけ温度が下がる。
周囲の湿った空気が接する。
こうした条件が重なれば、局所的に結露する可能性を考える必要があります。
つまり、
「空調を入れている=カビが発生しない」ではありません。
どこへ風が当たり、どの場所が冷やされ、どこに湿気が滞留しているのかを確認することが重要です。
馬具庫だけではなく屋内馬場・厩舎まで一体で改善する
乗馬クラブでは、馬具庫だけを完全に独立した空間として考えることはできません。
人や物が移動するたびに扉が開きます。
隣接する屋内馬場や厩舎との間でも空気は移動します。
そのため、馬具庫だけの湿気対策を強化しても、周辺から湿った空気が流れ続けていれば、再発リスクが残ります。
改善を考える際は、
馬具庫 → 屋内馬場 → 厩舎
というつながりを確認します。
どこで水分が発生しているのか。
どの方向へ空気が移動しているのか。
どこで空気が滞留するのか。
どの建材が水分を抱えているのか。
これらを一体で考えることが大切です。
カビ除去と原因改善はセットで考える
カビが広範囲に発生すると、まず目に見える部分を何とかしたくなります。
しかし、カビを処理した後に同じ湿気環境へ戻せば、根本的な発生条件は変わりません。
そのためMIST工法®カビバスターズでは、
「カビが発生したから処理する」だけでなく、「なぜ発生したのかを調べ、原因改善まで考える」
ことを重視しています。
建物が高気密化し、空調や換気設備による空気管理が複雑になるほど、目視だけで原因を判断することは難しくなります。
真菌検査。
建材の含水率検査。
ファイバースコープによる壁内調査。
風量計による空気の流れや負圧確認。
こうした調査結果をもとに、施設ごとの原因に合わせて改善方法を考えます。
大切な馬具を守るなら「保管環境を守る」
馬主にとって、鞍や頭絡などの馬具は単なる備品ではありません。
長く使い続けたい大切な道具であり、資産でもあります。
だからこそ、馬具のカビ対策を「革をきれいにすること」だけで終わらせないでください。
馬具を守るためには、
馬具が置かれている環境そのものを守ることが必要です。
馬具庫の湿気。
空気の流れ。
建材の水分。
屋内馬場とのつながり。
壁内部の状態。
それぞれを確認し、原因に合った改善を行うことで、カビ再発のリスクを下げられます。
次章では、乗馬クラブ・厩舎でカビを発見したとき、馬主や施設管理者が最初に何を確認し、どのように対応すべきかを分かりやすく解説します。
乗馬クラブ・厩舎でカビを発見したときの初動対応
馬具のカビを見つけたら、すぐに広範囲を拭くのではなく、発生場所・湿気・周辺の馬具・建物の状態を確認し、原因を残すことが重要です。
乗馬クラブや厩舎でカビを発見したとき、最初の対応で大切なのは、見えているカビだけを急いで消すことではありません。
まず確認したいのは、
「どこに出ているのか」
「どこまで広がっているのか」
「なぜそこに出たのか」
という3点です。
馬具庫で鞍や頭絡にカビが見つかった場合、その一つだけの問題とは限りません。
同じ棚に置かれた馬具。
棚の裏側。
壁面。
床付近。
天井。
隣接する屋内馬場。
厩舎との境界部分。
こうした周辺環境まで確認する必要があります。
施設別カビリスク構造マップでも、乗馬クラブ・厩舎では「馬具庫の革製品」と「屋内馬場」が重点的に確認したい場所として整理されています。
最初に「どこで発生しているか」を記録する
馬具にカビを見つけたら、まず発生状況を確認します。
可能であれば、清掃する前に写真などで状態を記録しておくと、後から発生傾向を整理しやすくなります。
たとえば、
特定の鞍だけに発生している
同じ棚の馬具に集中している
壁側の馬具ほど目立つ
床に近い位置に多い
空調の吹出口付近に集中している
馬具庫全体に広がっている
など、カビが発生している位置には原因を探る手掛かりが含まれている場合があります。
すべてをすぐに移動してしまうと、もともとの保管位置と発生状況の関係が分かりにくくなります。
原因調査を予定している場合は、発生位置を記録しておくことが重要です。
一つの馬具だけでなく周囲も確認する
鞍にカビが見つかった場合、その鞍だけ確認して終わらせないようにします。
同じ場所には似た環境条件がかかっているからです。
確認したいのは、
隣に置かれた鞍や頭絡
馬具を掛けている棚
棚と壁の間
壁面や天井
床付近
収納ケース内部
馬具庫の隅
空調・換気設備周辺
です。
文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」では、カビは生育できる環境が整えば、収蔵物だけでなく、それらを収蔵する建築物にも発生するとされています。
つまり、革製品にカビが出ている場合でも、保管している建物側に同じ発生条件がないかを見る必要があります。
カビ臭がある場所も確認する
見えるカビだけでなく、においも確認材料になります。
「馬具庫に入ると以前と違うにおいを感じる」
「革製品を移動してもにおいが残る」
「特定の壁際で気になる」
といった場合は、見える範囲だけで判断しないことが重要です。
ただし、においだけでカビの種類や発生範囲を断定することはできません。
発生源が見つからない場合や、広がりが心配な場合は、一般社団法人微生物対策協会との連携による真菌(カビ菌)検査を検討する方法があります。
目視だけでは把握できない状況を、調査結果と合わせて整理していきます。
水漏れや結露など「水分の兆候」を探す
次に確認したいのが水分です。
カビは、発生できる湿気環境がなければ生育を続けにくくなります。
東京文化財研究所『保存科学』第54号では、カビには相対湿度90%以上を好むものだけでなく、80%台で発生するものも示されています。一方、温湿度管理された湿度60%前後またはそれ以下の屋内では、一般にカビの発生は想定されないとされています。
そのため初動確認では、
壁に濡れた跡がないか。
床に水分が残っていないか。
天井に異変がないか。
馬具棚の裏側が湿っていないか。
空調周辺に結露がないか。
などを確認します。
ただし、表面が乾いているからといって、建材内部まで乾いているとは限りません。
そこでMIST工法®では、必要に応じて建材の含水率検査を行い、目視では分からない水分状態を確認します。
空調・換気設備の状態も確認する
馬具庫のカビを発見したときは、換気設備も確認してください。
ただし、
「換気扇が回っているから問題ない」
と判断するのは早計です。
確認したいのは、
換気設備が作動しているか
吸気口や排気口が塞がれていないか
棚や荷物が空気の流れを妨げていないか
馬具庫の隅まで空気が動いているか
屋内馬場や厩舎から空気が流れ込んでいないか
といった点です。
MIST工法®では必要に応じて風量計を用い、実際の空気の流れや負圧の状態を確認します。
設備を見るだけではなく、空気が実際にどう動いているのかを調べることが重要です。
空調の吹出口付近にカビが集中していないか確認する
「エアコンを使っているのにカビが出た」という場合もあります。
東京文化財研究所『保存科学』第50号では、空調機の吹出口付近に置かれたスチール棚が周囲より冷やされることで、棚や収納物の表面に結露が生じ、カビなどの発生が懸念されるケースが示されています。
そのため馬具庫でも、
冷気が直接当たる棚。
その棚に保管された革製品。
吹出口周辺の壁。
冷やされた金属製の収納設備。
などに発生が集中していないか確認します。
空調は湿気対策に利用される設備ですが、配置や使い方によっては局所的な温度差が生じる可能性もあります。
**「空調を使用しているか」ではなく、「空調によってその場所で何が起きているか」**を見ることが重要です。
壁の中が疑わしいときは表面だけで判断しない
カビを確認しても、水分の原因が見つからないことがあります。
特に、
同じ壁際で何度もカビが出る。
壁側に置いた馬具だけカビる。
カビ臭があるのに見える範囲に発生源がない。
建材の含水率に偏りがある。
このような状態では、壁内部まで確認した方がよい場合があります。
MIST工法®では、必要に応じてファイバースコープを用いて壁内部の状態を確認します。
表面だけを処理して壁内部の原因が残れば、カビの再発リスクを十分に下げられない可能性があります。
カビが広がっている場合は「発生範囲」を先に確認する
複数の馬具や馬具棚、壁面などへカビが広がっている場合は、個々の革製品だけを順番に処理するのではなく、施設側の状況を確認することが重要です。
施設別カビリスク構造マップでは、革などの有機物はカビの栄養源になり得るものとして整理されています。
大切な馬具を守るためにも、
「どの馬具をきれいにするか」より先に、「どこまで同じ発生環境になっているか」
を把握してください。
発生範囲が分からない場合には、真菌検査も含めて状態を確認し、必要な対応範囲を整理することが重要です。
初動対応で避けたいのは「原因が分からないまま元に戻すこと」
馬具をきれいにした後、何も確認せず同じ場所へ戻してしまえば、保管環境そのものは変わりません。
馬具庫に湿気が残っている。
壁が水分を抱えている。
空気が滞留している。
隣接する厩舎から湿った空気が入っている。
こうした原因が残っていれば、同じ問題を繰り返す可能性があります。
初動対応では、
発見 → 記録 → 周辺確認 → 水分確認 → 空気の流れ確認 → 必要に応じた専門調査
という順番で考えることが大切です。
「馬具のカビ」と「建物のカビ」を切り離さない
馬主の方にとって、まず守りたいのは大切な鞍や頭絡でしょう。
しかし、その馬具を長く守るためには、保管する建物まで確認する必要があります。
馬具庫にカビが発生したときは、
馬具の問題なのか。
収納環境の問題なのか。
建物の水分なのか。
空気の流れなのか。
複数の原因が重なっているのか。
これを整理することが重要です。
MIST工法®カビバスターズでは、一般社団法人微生物対策協会との連携による真菌(カビ菌)検査、建材の含水率検査、ファイバースコープによる壁内確認、風量計による空気の流れや負圧確認などを組み合わせ、カビが発生した原因を追究します。
手入れをしても馬具のカビが戻る。
複数の革製品へ広がっている。
馬具庫や屋内馬場にも異変がある。
原因となる湿気がどこから来ているか分からない。
そのような場合は、表面だけで対応を続けるのではなく、専門的な原因調査へ切り替えるタイミングです。
次章では、乗馬クラブ・厩舎のカビを専門業者へ相談した方がよい具体的なタイミングと、相談前に整理しておきたい情報について解説します。
乗馬クラブ・厩舎のカビを専門業者へ相談すべきタイミング
馬具の手入れを繰り返してもカビが戻る、複数の革製品へ広がる、馬具庫や屋内馬場まで異変がある場合は、表面処理から原因調査へ切り替えるタイミングです。
乗馬クラブや厩舎のカビは、すべてのケースで最初から専門業者へ依頼しなければならないわけではありません。
しかし、馬具を手入れしても同じ場所にカビが戻る場合や、発生範囲が広がっている場合は注意が必要です。
その段階では、問題が一つの鞍や頭絡だけではなく、馬具庫や建物側の環境にある可能性も考える必要があります。
施設別カビリスク構造マップでは、乗馬クラブ・厩舎は、馬具庫の革製品や屋内馬場を重点的に確認したい施設として整理されています。
また、文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」でも、カビは生育条件が整えば、収蔵物だけでなく建築物にも発生するとされています。
つまり、専門業者へ相談する目安は、「カビが大きいか小さいか」だけではありません。
「原因が分からない」
「繰り返している」
「周囲へ広がっている」
この3つが重要な判断材料になります。
手入れしても同じ馬具にカビが戻る
最も分かりやすい相談のタイミングは、同じ馬具でカビを繰り返す場合です。
一度きれいにしたにもかかわらず、同じ鞍や頭絡に再びカビが見られるのであれば、革製品だけではなく保管環境を確認する必要があります。
たとえば、
同じ棚に置いた馬具だけ繰り返す
壁側の馬具だけ発生する
特定の高さに収納した馬具に集中する
同じ季節や気象条件で繰り返す
といった傾向があれば、発生場所と建物環境との関係を調べる手掛かりになります。
この状態で馬具だけを処理し続けても、湿気の供給源が残っていれば再発リスクは十分に下げられません。
「何度取っても戻る」は、除去方法より原因調査を優先するサインです。
複数の鞍・頭絡・革製品へ広がっている
一つの馬具だけではなく、同じ馬具庫にある複数の革製品へカビが見られる場合も、専門調査を検討したい状態です。
施設別カビリスク構造マップでは、革はカビの栄養源になり得る有機物として整理されています。
複数の馬具で同時に問題が起きている場合、
個別の手入れ不足なのか。
馬具庫全体の湿気なのか。
特定の棚周辺だけの問題なのか。
隣接空間から湿った空気が入っているのか。
原因を切り分ける必要があります。
特に高価な鞍や大切に使用してきた革製品が多数保管されている場合は、問題が広がってから対応するより、早い段階で保管環境を確認することが資産保全につながります。
馬具庫そのものにカビが見える
馬具だけでなく、棚・壁・床・天井などにもカビが確認できる場合は、建物側の問題を疑う必要があります。
馬具庫の壁面にカビがある。
棚の裏側が黒ずんでいる。
床際に発生が集中している。
天井周辺にも異変がある。
このような状態であれば、収納物だけを対処しても十分ではありません。
建材そのものが水分を抱えていないかを確認する必要があります。
MIST工法®では、必要に応じて建材の含水率検査を行います。
見た目だけでは判断できない水分状態を確認し、カビの発生位置との関係を整理していきます。
カビ臭がするのに発生場所が見つからない
馬具庫に入ったときに気になるにおいがあるものの、目立つカビが見つからない場合があります。
このような状態では、表面だけを探し続けても原因が見つからない可能性があります。
考えられる確認場所としては、
棚の裏側。
収納物の下。
壁と収納設備の隙間。
天井裏。
壁内部。
などがあります。
ただし、においだけを根拠にカビの存在や種類を断定することはできません。
そこで、状況に応じて一般社団法人微生物対策協会との連携による真菌(カビ菌)検査を検討します。
さらに、壁内部が疑われる場合には、ファイバースコープを用いて状態を確認します。
見えないから問題がないのではなく、見えないからこそ調査が必要になる場合があります。
換気しているのにカビが繰り返す
「換気設備は動かしているのに馬具がカビる」
このような相談も、原因調査へ切り替えたいケースです。
換気設備が動いていても、必要な場所まで空気が流れているとは限りません。
馬具棚が空気の流れを遮っている。
排気はできていても吸気経路が不足している。
周囲との圧力差によって、別の場所から湿った空気を引き込んでいる。
こうした可能性を確認する必要があります。
MIST工法®では、必要に応じて風量計による空気の流れや負圧の確認を行います。
重要なのは、
「換気扇があるか」
ではなく、
「馬具庫の中で空気が実際にどう動いているか」
です。
設備を増やす前に現在の空気の流れを確認することで、原因に合った改善を考えやすくなります。
空調しているのに特定の場所だけカビる
空調設備を使用しているのに、特定の棚や馬具だけにカビが集中する場合も調査をおすすめします。
東京文化財研究所『保存科学』第50号では、空調機の吹出口近くにあるスチール棚が周囲より冷やされ、棚や収納物表面で結露が生じ、カビなどが発生する可能性が示されています。
そのため、
空調の風が直接当たっている。
金属製の棚が冷えている。
壁際だけ温度条件が異なる。
収納物の裏側に空気が届かない。
といった局所的な環境を確認します。
室内全体の温湿度だけを見て「問題ない」と判断せず、実際にカビが出ている場所の環境を見ることが重要です。
屋内馬場や厩舎までカビが広がっている
馬具庫だけではなく、屋内馬場や厩舎の建材にもカビが確認される場合は、施設全体の湿気環境を整理する必要があります。
乗馬クラブ・厩舎は、施設別カビリスク構造マップで「常時高湿型」に分類されています。
そのため、一部屋だけを切り離して考えるより、
厩舎 → 屋内馬場 → 馬具庫
という空気や水分のつながりを見ることが重要です。
どこから湿気が発生しているのか。
どの方向へ空気が流れているのか。
どこで湿気が滞留しているのか。
どの建材が水分を抱えているのか。
施設全体を確認することで、原因改善の方向性を整理できます。
原因が分からない状態で設備工事を進める前に調査する
カビを発見すると、
「換気扇を増やそう」
「除湿設備を追加しよう」
「壁を張り替えよう」
といった改善をすぐに考えることがあります。
しかし、原因が分からないまま設備や内装だけを変更すると、問題の中心と異なる対策になる可能性があります。
大切なのは、工事を先に決めることではありません。
原因を調べてから、原因に合った改善を選ぶことです。
真菌検査。
建材の含水率検査。
ファイバースコープによる壁内調査。
風量計による空気の流れ・負圧確認。
必要な調査を組み合わせることで、
「カビがある」
という結果から、
「なぜカビが発生したのか」
へ一歩踏み込めます。
相談時に整理しておくとよい情報
専門業者へ相談するときは、現在分かっている情報を整理しておくと、現地調査の手掛かりになります。
たとえば、
最初にカビを発見した場所
カビが出た馬具の保管位置
何度くらい繰り返しているか
周囲の壁や棚にも異変があるか
カビ臭を感じる場所
空調・換気設備の使用状況
雨や季節によって変化を感じるか
屋内馬場や厩舎にも異変があるか
などです。
特に写真が残っていれば、清掃前の発生位置を確認する資料になります。
細かな原因を利用者側で断定する必要はありません。
**「いつ・どこで・どのように発生したか」**を整理するだけでも、調査の手掛かりになります。
馬具を守りたいなら「原因が分からない段階」が相談のタイミング
専門業者へ相談するのは、建物全体がカビだらけになってからとは限りません。
むしろ、
「手入れしているのに戻る」
「同じ棚だけ繰り返す」
「なぜ湿っているのか分からない」
といった原因が見えなくなった段階が、調査を検討するタイミングです。
馬具のカビを何度も処理するより、その馬具が置かれている環境を一度調べた方が、原因改善につながる場合があります。
MIST工法®カビバスターズでは、カビそのものだけでなく、建材の水分、壁内部、空気の流れなどを確認し、発生原因を追究します。
原因に応じて保管環境や建物側を見直すことで、カビ再発のリスクを下げられます。
大切な馬具にカビが繰り返す場合や、馬具庫・屋内馬場・厩舎まで問題が広がっている場合は、MIST工法®カビバスターズへご相談ください。
日本全国の乗馬クラブ・厩舎からのカビトラブルに対応し、まずは「なぜ発生したのか」を確認するところから一緒に考えます。
次章では、この記事のまとめとして、馬具と厩舎のカビ対策で最も重要な「原因調査から始める」という考え方を整理します。
まとめ|馬具・厩舎のカビ対策は原因調査から始める
大切な鞍や頭絡を守るためには、見えているカビだけでなく、馬具庫・屋内馬場・厩舎に湿気が残る理由まで調べることが重要です。
乗馬クラブや厩舎のカビ対策で最も重要なのは、「カビを取ること」と「カビが発生した原因を改善すること」を分けて考えないことです。
馬具にカビが見つかったとき、最初に目に入るのは革製の鞍や頭絡でしょう。
しかし、そのカビは突然そこだけに現れたわけではありません。
カビが生育できる湿気や水分、空気の滞留などの条件が重なった結果として、目に見える状態になったと考える必要があります。
文部科学省「カビ対策マニュアル Q&A」でも、生育環境が整えば、カビは収蔵物だけでなく、それを収蔵する建築物にも発生するとされています。
つまり、馬具の表面だけを見るのではなく、馬具を保管している環境そのものを見ることが重要です。
馬具のカビは「結果」であり、原因は周囲にある可能性がある
乗馬クラブ・厩舎のカビで考えたいのは、
「どうやって落とすか」
だけではありません。
それより先に、
「なぜこの場所で発生したのか」
を確認する必要があります。
施設別カビリスク構造マップでは、乗馬クラブ・厩舎は常時高湿型の施設として整理され、特に馬具庫の革製品と屋内馬場が確認したい場所として挙げられています。
革製品は大切な馬具である一方、施設別カビリスク構造マップでは、革などの有機物はカビの栄養源になり得るものとして整理されています。
だからこそ、鞍や頭絡にカビが出た場合は、革製品だけの問題として終わらせないことが重要です。
馬具棚の奥。
壁際。
床付近。
屋内馬場との境界。
厩舎側からの空気。
空調や換気設備。
こうした周囲の環境まで確認します。
カビ対策で見るべきなのは「湿気が入る・たまる・抜ける」の3点
乗馬クラブや厩舎のカビ原因を整理するときは、複雑に考えすぎる必要はありません。
まず、
湿気がどこから入るのか。
次に、
どこに湿気がたまるのか。
そして、
その湿気がきちんと外へ抜けているのか。
この3点を確認します。
使用後の馬具から水分が持ち込まれているかもしれません。
棚の奥で空気が滞留しているかもしれません。
壁や床の建材が水分を抱えている可能性もあります。
また、馬具庫が周囲に対して負圧となり、屋内馬場や厩舎側から湿った空気を引き込んでいる可能性も確認する必要があります。
「カビが出た場所」だけでなく、水分と空気がどのように移動しているのかを見ることが原因追究につながります。
温湿度を管理していても「局所的な湿気」を見落とさない
東京文化財研究所『保存科学』第54号では、カビには相対湿度90%以上を好むものだけでなく、80%台でも発生する種類が示されています。
一方、温湿度管理された湿度60%前後またはそれ以下の屋内では、一般にカビの発生は想定されないとされています。
ただし、馬具庫の中央で測った湿度だけで、施設全体を判断することはできません。
棚の裏側。
壁際。
収納物が重なる部分。
床に近い場所。
空調吹出口の周辺。
こうした場所には、それぞれ異なる環境が生まれる可能性があります。
東京文化財研究所『保存科学』第50号では、空調吹出口付近で冷やされたスチール棚や収納物表面に結露が生じ、カビなどが発生する可能性も示されています。
そのため、
「空調しているから大丈夫」
「換気しているから大丈夫」
ではなく、カビが実際に発生した場所の環境を確認してください。
原因が見えなければ「調査」で確認する
馬具にカビが繰り返す場合でも、目視だけでは原因が分からないことがあります。
そこでMIST工法®カビバスターズでは、必要に応じて複数の調査を組み合わせます。
一般社団法人微生物対策協会と連携した真菌(カビ菌)検査では、目視だけでは分からないカビ環境を確認する材料にします。
建材の含水率検査では、壁や床がどこで水分を抱えているのかを確認します。
壁内部が疑われる場合には、ファイバースコープによる壁内調査を行います。
さらに、換気設備や空気の移動が関係している可能性がある場合は、風量計による空気の流れや負圧の確認を行います。
大切なのは、これらを別々に見ることではありません。
カビ・水分・壁内部・空気の流れをつなげて考えることです。
同じ場所に繰り返すなら「除去」から「原因調査」へ
馬具を手入れしても再びカビが出る。
複数の鞍や頭絡に広がっている。
馬具庫そのものにもカビがある。
カビ臭が残っている。
換気しているのに改善しない。
屋内馬場や厩舎まで異変が見られる。
こうした場合は、表面の手入れを繰り返すだけではなく、原因調査へ切り替えることをおすすめします。
特に、設備を追加したり内装を変更したりする前に、
「何を改善すればよいのか」
を確認することが重要です。
原因が分からないまま設備を追加しても、カビ発生の中心と異なる場所を対策してしまう可能性があります。
馬具を守ることは保管環境を守ること
馬主にとって鞍や頭絡などの馬具は、大切に使い続けたい道具であり、資産でもあります。
施設別カビリスク構造マップでも、乗馬クラブ・厩舎のカビ対策は、単なる清掃ではなく資産保全の視点で考えることが重要と整理されています。
大切な革製馬具を守りたいなら、
馬具だけを見るのではなく、
「その馬具をどのような環境で保管しているのか」
まで考えてください。
馬具庫の湿気を確認する。
空気の流れを見る。
建材の水分を調べる。
壁内部を必要に応じて確認する。
屋内馬場や厩舎とのつながりを見る。
こうした原因確認を行い、原因に応じた改善を進めることで、再発リスクを下げられます。
MIST工法®カビバスターズは「なぜカビたのか」から考えます
MIST工法®カビバスターズでは、目に見えるカビだけを見て対応範囲を決めるのではなく、カビが発生した原因を追究することを重視しています。
カビ問題が心配な場合には、一般社団法人微生物対策協会との連携による真菌(カビ菌)検査もおすすめしています。
さらに必要に応じて、
建材の含水率検査。
ファイバースコープによる壁内部の確認。
風量計による空気の流れや負圧確認。
などから発生条件を整理します。
現代の建物では、空調・換気・気密性・室内配置などが複雑に関係するため、原因改善を行わずに表面だけを処理しても、カビが再発する可能性があります。
だからこそ、
「カビを取って終わり」ではなく、「なぜ発生したのかを確認し、再発条件を減らす」
ところまで考えることが大切です。
馬具のカビが何度も戻る。
馬具庫全体に問題が広がっている。
屋内馬場や厩舎にもカビが見られる。
原因となる湿気がどこから来ているのか分からない。
そのようなカビトラブルでお困りの場合は、MIST工法®カビバスターズへご相談ください。
日本全国のカビトラブルに対応し、大切な馬具と施設を守るために、まずはカビが発生した原因を確認するところからサポートします。
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カビ取り・カビ対策専門業者MIST工法カビバスターズ本部
0120-052-127(平日9時から17時)
カビの救急箱
【検査機関】
一般社団法人微生物対策協会
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