【実際の検査報告書】施工前後の数値から分かったカビ対策の効果
2026/08/24
今回のカビ菌検査の概要
| 項目 | 今回の検査内容 |
|---|---|
| 依頼元 | 住宅関連事業者 |
| 検査対象 | カビ取り施工前・施工後の住宅 |
| 検体採取 | カビバスターズ本部 |
| 検査・報告 | 一般社団法人 微生物対策協会 |
| 検査目的 | カビによる汚染状況および施工前後の浮遊菌濃度の確認 |
| 検査方法 | 真菌浮遊菌測定 |
| 検査箇所 | 施工前2箇所・施工後3箇所 |
| 使用培地 | CP加ポテトデキストロース |
| 採取方法 | 空中浮遊菌サンプラーで空気中の浮遊菌を培地に捕集 |
| 評価方法 | 日本建築学会環境基準を参考にグレード0から4までの5段階で評価 |
目次
カビ菌検査を行った背景
住宅の床下環境を数値で確認
今回ご依頼いただいたのは、住宅を取り扱う事業者様です。住宅の床下環境についてカビによる汚染状況を確認するため、カビ取り施工を行う前に浮遊菌検査を実施しました。床下は普段の生活では目に入りにくく、湿気や空気の滞留などの影響を受けやすい場所です。見た目だけではカビの広がりを正確に判断できないこともあるため、今回は空気中にどれくらいのカビ菌が存在するのかを測定し、客観的な数値として状態を確認しました。国土交通省の住宅設計資料でも、床下など建物内部で水蒸気が滞留すると内部結露につながり、発見が遅れた場合には深刻な被害となる可能性が示されています。
見た目だけでは判断できないカビ
カビというと、黒い斑点や変色など目に見える状態を想像する方が多いでしょう。しかし、カビの状態を判断するときは、目視確認だけでは十分とは限りません。表面に目立ったカビがなくても、空気中にはカビの胞子などが浮遊している場合があります。そのため、カビ取りの必要性や施工後の状態を客観的に確認するには、目視に加えてカビ菌検査を行うことが有効です。特に床下や壁内部など、普段確認しにくい場所では「見た目がきれいだから問題ない」と判断せず、必要に応じて数値による確認を行うことが重要です。
今回実施したカビ菌検査の方法
空気中の浮遊菌を採取して測定
今回行ったのは「真菌浮遊菌測定」です。空中浮遊菌サンプラーを使用し、一定量の空気を取り込み、空気中に存在する浮遊菌を培地へ捕集します。使用した培地はCP加ポテトデキストロースで、採取後は25℃±1℃の条件で120時間培養しました。その後、培地上に形成されたコロニーを自動コロニーカウンターで計測しています。単にカビが「ある・ない」で判断するのではなく、一定量の空気中にどの程度存在するのかを数値化できる点が浮遊菌検査の大きな特徴です。
日本建築学会の基準で評価
今回の報告書では、測定した浮遊菌濃度を日本建築学会環境基準「AIJES-H0003-2021」に基づき、グレード0から4までの5段階で評価しています。報告書に記載された判定基準は次の通りです。
- グレード0: 10cfu/m3以下、清潔環境
- グレード1: 10~50cfu/m3、準清潔環境
- グレード2: 50~500cfu/m3、軽度の汚染
- グレード3: 500~2,000cfu/m3、中程度の汚染
- グレード4: 2,000cfu/m3以上、汚染・要調査・対策
数値とグレードを報告書として残すことで、施工担当者だけでなく、住宅事業者や建物所有者なども検査時点の状態を共有しやすくなります。
施工前のカビ菌検査で高い数値を確認
床下は12,510cfu/m3を記録
施工前の浮遊菌検査では、外気と床下の2地点で測定を実施しました。外気は1,760cfu/m3でグレード3、床下では12,510cfu/m3が検出され、グレード4という結果になりました。床下の数値は、報告書で採用している評価基準のグレード4に該当する2,000cfu/m3以上を大幅に上回っています。つまり、目視による印象だけではなく、浮遊菌濃度という客観的なデータからも、床下について対策を検討すべき状態であることが確認できました。
外気との比較でも差が明確に
施工前に外気を測定していることも重要なポイントです。カビの胞子は自然環境にも存在するため、建物内部だけを測定しても、その数値が周囲の環境と比べて高いのか判断しにくい場合があります。今回、外気は1,760cfu/m3だったのに対し、床下では12,510cfu/m3でした。床下は外気の約7.1倍の値です。外気を比較対象として測定することで、床下の浮遊菌濃度が相対的に高い状態だったことも確認できます。
カビ菌検査の報告書作成
施工効果を客観的に確認できる
カビ取り後に見た目がきれいになっていても、それだけで施工効果を数値として説明することはできません。今回のように施工前と施工後で同じ検査を行えば、「床下12,510cfu/m3から250cfu/m3」「グレード4からグレード2」という形で変化を明確にできます。特に住宅会社、工務店、管理会社などが関係する建物では、施工前後の状況を口頭だけでなく、数値と写真を含む報告書として残すことで関係者間の情報共有にも役立ちます。
写真と数値を記録として残せる
今回の検査では、浮遊菌検査だけでなく、施工前には床下の複数箇所で含水率の確認も行い、測定状況を写真として記録しています。また、浮遊菌採取時についても、外気、床下、洗面所など、それぞれの測定状況を写真で記録しました。「どこで」「どのような方法で」「どの程度の数値が確認されたのか」を報告書にまとめることで、検査時点の建物環境を後から確認できます。カビ対策では、施工そのものだけでなく、こうした記録を残すことも大切です。
カビを再発させないために重要なこと
湿気と結露の原因確認が重要
カビ菌数が減少したからといって、その後も必ず同じ状態が維持されるとは限りません。湿気や結露、漏水、換気不足など、カビが発生しやすくなった原因が残っていれば再発する可能性があります。国土交通省の資料では、床下などの建物内部に侵入した水蒸気が冷えた部分に触れることで内部結露が発生すると説明されています。また、内部結露は発見しにくく、建物の躯体の腐朽などにつながる可能性も示されています。カビ取り後は菌数だけでなく、湿気が発生する原因まで確認することが重要です。
換気と除湿も再発防止の基本
カビの再発防止では、建物内部に湿気をため込まない環境づくりも欠かせません。厚生労働省の資料では、夏季には通風や除湿によって湿度を抑えることがカビ対策に有効とされ、室内空気が滞留しないよう換気設備の管理や通風にも配慮することが示されています。床下などは生活空間から見えにくいため、施工後も必要に応じて点検し、湿気や結露などの変化がないか確認することが大切です。
カビ菌検査+報告書で数値化することが重要
まとめ
カビ対策では、見えているカビを除去するだけでなく、施工前後の状態を客観的に確認することが重要です。今回の床下では、浮遊菌が12,510cfu/m3から250cfu/m3へ約98.0%減少し、グレードも4から2へ改善しました。カビ菌検査と報告書を活用することで、施工結果を数値と記録の両面から確認できます。
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カビ取り・カビ対策専門業者MIST工法カビバスターズ本部
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カビの救急箱
【検査機関】
一般社団法人微生物対策協会
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