ケタマカビとは?特徴・健康への影響・除去方法をカビ取り業者が解説
2026/08/03
目次
毛玉状の構造が名前の由来
ケタマカビは、Chaetomium属に分類される子のう菌の一種です。小さな球形の子実体の周囲に毛のような菌糸を形成することから、ケタマカビと呼ばれています。世界中の土壌や動物のふん、枯れた植物などに広く存在し、自然界では植物由来の有機物を分解する役割を担っています。住宅内へ胞子が入り込み、水分と栄養がそろうと建材上でも繁殖します。
紙や木材を栄養にして広がる
ケタマカビは、紙や木材などに含まれるセルロースを分解できるカビです。そのため、雨漏りや漏水でぬれた石こうボード、壁紙、合板、畳、段ボール、布製品などが主な発生場所になります。カナダ・ケベック州の公衆衛生機関も、室内では木材や石こうボードなどのセルロース系材料から検出されると説明しています。表面を拭くだけでは、建材内部に残った菌糸まで除去できないことがあります。
温度は人が快適な範囲と重なる
ケタマカビは発生初期に白っぽく見え、成長すると灰色、オリーブ色、褐色、黒色などに変化することがあります。ただし、カビの色は生育段階や建材、水分量によって変わるため、黒っぽいという理由だけでケタマカビとは断定できません。クロカビやススカビなどと見分けにくく、正確な同定には顕微鏡観察や培養、遺伝子解析などの専門的な検査が必要です。
長期間ぬれた壁の内部に注意
ケタマカビの発生は、建材が一時的にぬれたというよりも、水分を含んだ状態が長く続いているサインと考えられます。特に注意したいのは、雨漏りした天井、配管から漏水した壁、結露しやすい北側の部屋、湿った床下や押入れです。表面が乾いて見えても、壁紙の裏や石こうボード内部に水分が残り、見えない場所で繁殖している可能性があります。
カビ臭や変色を見逃さない
壁紙の浮きや変色、木材の軟化、原因不明のカビ臭がある場合は、内部にケタマカビなどが繁殖している可能性があります。ケタマカビは建材のセルロースを利用するため、放置すると壁紙や紙製品を変質させ、木材の強度や耐久性にも影響を与えるおそれがあります。清掃後も短期間でカビが戻る場合は、表面の汚れではなく、建材内部の水分や漏水原因が解決していないと考えるべきです。
湿度60%以下が予防の目安
東京都の健康・快適居住環境の指針では、カビやダニの発生を抑えるため、室内湿度を60%以下に保つよう案内しています。また、文部科学省のカビ対策資料では、温度25度、相対湿度70%で数か月、75%を超えると繁殖速度が急激に上がり、90%では約2日で目に見える程度まで繁殖するとされています。湿度計を設置し、換気と除湿を継続することが重要です。
胞子はアレルギーの原因になる
ケタマカビに限らず、室内で増殖したカビの胞子や菌体成分は、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、せき、喘鳴などを引き起こす可能性があります。厚生労働省も、室内のカビが喘息の再発や悪化、アレルギーの原因になると注意を促しています。ただし、症状の現れ方には個人差があり、カビが見つかっただけで特定の病気との因果関係を断定することはできません。
免疫力が低い人は特に注意
ケタマカビ属による人への感染は一般的ではありませんが、免疫機能が低下した人に皮膚や爪、皮下組織などの感染症を起こした症例が報告されています。抗がん剤治療中の人、臓器移植後の人、免疫抑制薬を使用している人などがいる住宅では、カビを素手で触ったり、除去中の胞子を吸い込んだりしないよう特に注意が必要です。呼吸器症状や皮膚症状が続く場合は、医療機関へ相談してください。
カビ毒だけで危険性を断定しない
一部のケタマカビ属は、実験環境や建材上でチャエトグロボシン類などの二次代謝産物を生成することが報告されています。ただし、室内でケタマカビが見つかったことだけで、人が有害量のカビ毒にさらされているとは判断できません。不確かな情報で過度に恐れるのではなく、湿気の原因を止め、カビに汚染された材料を適切に除去し、室内環境を改善することが現実的な対策です。
小範囲でも保護具を着用する
表面のごく小さな範囲に発生し、建材の劣化がない場合は、窓を開けて換気し、マスク、ゴム手袋、保護メガネを着用して清掃します。カビを乾いたブラシでこすると胞子が飛散するため、避けてください。洗剤やカビ取り剤を使用する場合は製品表示を守り、塩素系製品と酸性製品を絶対に混ぜないことが重要です。作業後は周囲を清掃し、使用した布などを密閉して処分します。
壁紙の裏は張り替えが必要
ケタマカビが壁紙の裏、石こうボード、断熱材などの多孔質材料へ入り込むと、薬剤を表面に吹き付けるだけでは十分に除去できません。水分を含んで変形した石こうボードや、カビが深く浸透した断熱材は、汚染範囲を確認したうえで撤去と交換が必要になる場合があります。上から塗装したり新しい壁紙を貼ったりすると、内部にカビを残し、再発を招くため注意してください。
広範囲なら専門業者へ相談
天井や壁の広範囲に発生している、強いカビ臭がする、雨漏りや漏水を伴う、清掃しても再発する場合は、専門業者への相談が適切です。カビ取り業者は、表面の除菌だけでなく、含水状態や発生範囲を確認し、必要に応じて建材内部の処理や撤去範囲を判断します。漏水修理や防水工事が必要な場合は、建築や設備の専門業者と連携し、発生原因から改善することが重要です。
再発防止は湿気と水分を断つこと
ケタマカビは、湿った壁紙や石こうボード、木材などを好み、建材内部まで広がる可能性があります。表面だけを清掃しても、雨漏りや漏水が残っていれば再発は防げません。発生範囲が広い場合やカビ臭が続く場合は、無理に自己処理せず、カビ取り業者へ相談し、原因調査、除去、乾燥、再発防止まで一体的に行いましょう。
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